応用情報技術者の資格を取るとどんなメリットがある?

システム開発をする応用情報技術者の男性IT・PC系
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エンジニアとしてのキャリアを数年重ねた段階でぜひ取得しておきたいのが、「応用情報技術者」という国家資格です。今回はこの応用情報技術者とはどんな資格か、取得に必要な知識や取得後のメリットなどを解説していきます。

応用情報技術者とは、どんな資格?

応用情報技術者とは、経済産業大臣が認定する国家試験「情報処理技術者試験」の一つで、ITに関する高度な知識・技術を持った人が認定される国家資格です。

基本情報技術者がITの基本的知識・技能を有することを証明する資格であるのに対し、応用情報技術者はある程度のIT業務経験を積み、IT技術や企業活動に関する深い知識を持っていることを証明する資格です。

応用情報技術者試験の受験者の平均年齢は29~30才で、業務経験5~6年ほどの中堅のプログラマーやシステムエンジニアが受ける国家試験になります。プロジェクトマネージャーの下で現状を把握し、目的達成のための工程や品質などの管理を行ったり、自ら技術的問題を解決したりと、グループの中で中心的な役割を果たす存在が応用情報技術者です。具体的には、下記のような業務を行います。

  • クライアントが直面している課題に対して、情報技術を活用した戦略立案を立てる
  • エンジニアとして、システムの設計・開発を行い、信頼性・生産性の高いシステムの構築をする
  • 構築したシステムの運用や保守をサポートする

学ぶ知識・技術

応用情報技術者試験では下記の内容が問われるため、合格に向けてこれらの知識を習得する必要があります。高度技術者として、広範囲かつ専門的な知識・技術が求められる試験です。

テクノロジ系

基礎理論
  1. 離散数学
  2. 応用数学
  3. 情報に関する理論
  4. 通信に関する理論
  5. 計測、制御に関する理論
  6. データ構造
  7. アルゴリズム
  8. プログラミング
  9. プログラム言語
  10. その他の言語
コンピュータシステム
  1. プロセッサ
  2. メモリ
  3. パス
  4. 入出力デバイス
  5. 入出力装置
  6. システムの構成
  7. システムの評価指標
  8. オペレーティングシステム
  9. ミドルウェア
  10. ファイルシステム
  11. 開発ツール
  12. オープンソースソフトウェア
  13. ハードウェア
技術要素
  1. ヒューマンインターフェース技術
  2. インターフェース設計
  3. マルチメディア技術
  4. マルチメディア応用
  5. データベース方式
  6. データベース設計
  7. データ操作
  8. トランザクション処理
  9. データベース応用
  10. ネットワーク方式
  11. データ通信と制御
  12. 通信プロトコル
  13. ネットワーク管理
  14. ネットワーク応用
  15. 情報セキュリティ
  16. 情報セキュリティ管理
  17. セキュリティ技術評価
  18. 情報セキュリティ対策
  19. セキュリティ実装
開発技術
  1. システム要件定義
  2. システム方式設計
  3. ソフトウェア要件定義
  4. ソフトウェア方式設計・ソフトウェア詳細設計
  5. ソフトウェアコード作成及びテスト
  6. ソフトウェア結合・ソフトウェア適格性確認テスト
  7. システム結合・システム適格性確認テスト
  8. ソフトウェア導入
  9. ソフトウェア受け入れ
  10. ソフトウェア保守
  11. 開発プロセス
  12. 知的財産適用管理
  13. 開発環境管理
  14. 構成管理・変更管理

マネジメント系

プロジェクトマネジメント
  1. プロジェクト統合マネジメント
  2. プロジェクト・スコープ・マネジメント
  3. プロジェクト・タイム・マネジメント
  4. プロジェクト・コスト・マネジメント
  5. プロジェクト品質マネジメント
  6. プロジェクト人的資源マネジメント
  7. プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント
  8. プロジェクト・リスク・マネジメント
  9. プロジェクト調達マネジメント
サービスマネジメント
  1. サービスマネジメント
  2. 運用設計・ツール
  3. サービスサポート
  4. サービスデリバリ
  5. サービスマネジメント構築
  6. ファシリティマネジメント
  7. システム監査
  8. 内部統制

ストラテジ系

システム戦略
  1. 情報システム戦略
  2. 業務プロセス
  3. ソリューションビジネス
  4. システム活用促進・評価
  5. システム化計画
  6. 要件定義
  7. 調達計画・実施
経営戦略
  1. 経営戦略手法
  2. マーケティング
  3. ビジネス戦略と目標・評価
  4. 経営管理システム
  5. 技術開発戦略の立案
  6. 技術開発計画
  7. ビジネスシステム
  8. エンジニアリングシステム
  9. e-ビジネス
  10. 民生機器
  11. 産業機器
企業と法務
  1. 経営・組織論
  2. OR・IE
  3. 会計・財務
  4. 知的財産権
  5. セキュリティ関連法規
  6. 労働関連・取引関連法規
  7. その他の法律ガイドライン・技術者論理
  8. 標準化関連

経営戦略に関すること

  1. マーケティング
  2. 経営分析
  3. 事業戦略
  4. 企業戦略
  5. コーポレートファイナンス・事業価値評価
  6. アカウンティング
  7. リーダーシップ論 など

情報戦略に関すること

  1. ビジネスモデル
  2. 製品戦略
  3. 組織運営
  4. アウトソーシング政策
  5. 情報業界の動向
  6. 情報技術の動向
  7. 国際標準化の動向 など

戦略立案・コンサルティングの技法に関すること

  1. ロジカルシンキング・プレゼンテーション技法
  2. バランススコアカード・SWOT分析等

システムアーキテクチャに関すること

  1. 方式設計・機能分割
  2. 提案依頼書(RFP)
  3. 要求分析
  4. 信頼性・性能
  5. Web技術(Webサービス・SOAを含む)
  6. 主要業種における業務知識
  7. パッケージソフトウェア・オープンソースプログラムの適用
  8. その他の新技術動向 など

ITサービスマネジメントに関すること

  1. サービスサポート(サービスデスク、インシデント管理、問題管理、構成管理、変更管理、リリース管理)
  2. サービスデリバリ(サービスレベル管理、可用性管理、キャパシティ管理、ITサービス財務管理、ITサービス継続性管理)
  3. システムの運用管理など

プロジェクトマネジメントに関すること

  1. プロジェクト計画・プロジェクト管理(スコープ、行程、品質、予算、人員、調達、リスク、コミュニケーションほか) など

ネットワークに関すること

  1. ネットワークアーキテクチャ
  2. プロトコル
  3. インターネット・イントラネット・VPN
  4. 通信トラフィック
  5. 有線・無線通信 など

データベースに関すること

  1. データモデル
  2. 正規化
  3. DBMS
  4. データベース言語(SQL)
  5. データベースシステムの運用・保守 など

組込みシステム開発に関すること

  1. リアルタイムOS・MPUアーキテクチャ
  2. 省電力・高信頼設計・メモリ管理
  3. センサ・アクチュエータ
  4. 組込みシステムの設計
  5. 個別アプリケーション(携帯電話、自動車、家電ほか) など

情報システム開発に関すること

  1. 外部設計
  2. 内部設計
  3. テスト計画・テスト
  4. 標準化・部品化
  5. 開発環境
  6. オブジェクト指向分析(UML)
  7. ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)
  8. 個別アプリケーション(ERP、SCM、CRMほか) など

プログラミングに関すること

  1. アルゴリズム
  2. データ後続
  3. プログラミング作成技術(プログラム言語、マークアップ言語)
  4. Webプログラミング など

情報セキュリティに関すること

  1. 情報セキュリティポリシ
  2. リスク分析
  3. データベースセキュリティ
  4. ネットワークセキュリティ
  5. アプリケーションセキュリティ
  6. 物理的セキュリティ
  7. アクセス管理
  8. 暗号・認証
  9. ウイルス対策 など

システム監査に関すること

  1. IT統制
  2. 情報システムや組込みシステムの規格・開発・運用・保守の監査、情報セキュリティ監査
  3. 個人情報保護監査
  4. 他の監査(会計監査、業務監査)との連携・調整、システム監査の計画・実施・報告、システム監査関連法規 など

応用情報技術者で目指せる職業、就職先は?

応用情報技術者の資格を取得すると、IT系企業への就職が有利になります。具体的には、下記のようなエンジニア職に応募する際に、強力なアピールとなるでしょう。

  • ソフトウェアエンジニア
  • ネットワークエンジニア
  • セールスエンジニア など

ただ、経験を積んだエンジニアが転職する際にアピールする資格としては、応用情報技術者の資格は物足りないのも事実です。この場合は、より難易度が高く、上級試験にあたる「データスペシャリスト試験」や「システムアーキテクト試験」などの資格を取得することが望ましいでしょう。

応用情報技術者になるとどんな悩みが解決できる?

応用情報技術者の知識やスキルがあると、以下のような悩み・問題を解決できます。

応用情報技術者が解決できること
  • ユーザーの要求を的確に把握し、グループの中心的存在として開発の指示をすることで、顧客・ユーザにとっての理想のシステムを作り出す
  • 正確なテスト動作をすることで、稼働後の不具合を防ぐ

応用情報技術者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

応用情報技術者試験には特に受験資格はなく、学歴や職歴を問わず、どなたでも受験可能です。

取得にかかる費用

応用情報技術者試験の受験料は、7,500円(税込)です。令和3年秋季試験から受験料が改定されています。

応用情報技術者はどんな人におすすめの資格?

応用情報技術者の国家資格は、「エンジニアとしてワンランク上の知識を習得したい」という人におすすめの資格です。また、下記のような国家試験を受験したい人は、応用情報技術者の資格を取得することで試験課目が一部免除され、ダブルライセンスが有利に運びます。

応用情報技術者の資格取得がおすすめな人
  • 中小企業診断士の資格取得を目指している人
  • 弁理士試験の資格取得を目指している人
  • 技術者試験の資格取得を目指している人

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

応用情報技術者の試験を実施・資格を管理しているのは、「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」です。試験は例年4月と10月の年2回実施されますが、その年の試験日程や会場、必要な受験申請手続きなどについては、下記の公式HPからご確認ください。

▼ 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

まとめ:エンジニアとして一歩前進したいなら、応用情報技術者の資格取得を!

応用情報技術者は、IT業界やエンジニアとしてのキャリア&給与アップを目指す人がぜひ取得しておきたい国家資格です。試験勉強を通じて、日々の仕事に活かされる知識や技術が習得できるので、転職を有利に進めたい方はぜひチャレンジを!

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