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速記技能検定の資格を取るとどんなメリットがある?

速記技能検定のメリット IT・PC、事務系

インタビューや議事録の文字起こしをしてみると、話すスピードになかなかついていけません。人が話す内容を文字に変換するプロフェッショナルに「速記士」という職業があります。

この記事では、速記技能検定について試験内容や受験費用などを紹介していきます。

速記技能検定とは、どんな資格?

速記技能検定とは、人が話す内容を「符号」を用いてスピーディーに書き取る速記の技術を審査する試験で、日本速記協会が認定しています。

速記とは、人が話す言葉を符号という記号で書き取ることで、文字よりも速く書き取る技術です。ただし、書き取りだけで速記の仕事は終わりではありません。書き取った符号を解読し、普通の日本語の文章に書き直す「反訳」という作業も行います。

速記の高い技術を持った人は、速記士として議会やインタビューなどで業務を行なっています。

速記技能検定は6級から1級まで、6つの級に分かれています。各級で求められる速記のスピードを紹介します。

6級
頑張れば、速記符号を使わなくても普通の仮名文字で書き取れる速さ
5級
文節ごとに十分に間を置いて読む速さ
4級
テレビや映画のナレーションくらいの速さ
3級
政治家が大きな声で街頭演説するくらいの速さ
2級
アナウンサーがニュースを読むくらいの速さ
1級
アナウンサーがニュースを読む速さよりもさらにスピードを上げた速さ

5級以上になると、速記符号を使用しなければ書き取りが難しくなります。

学ぶ知識・技術

速記技能検定の試験では、各等級ごとに試験の審査基準が下記のように定められています。

6級審査基準
  1. 程度:普通文字より速く書くことができる
  2. 速度:分速80字を基準として5分間続けて朗読したものを速記できる
  3. 反訳:上記の場合に60分間以内で普通文字に反訳することができる
  4. 正確度:反訳の場合に正確度96%以上を示すことができる
  5. 失点:許容失点16字
  6. 知識:平易な内容のものについて教育漢字、現代仮名遣いなどを正しく適切に用いることができる
5級審査基準
  1. 程度:ノートやメモなどに速記を利用することができる
  2. 速度:分速120字を基準として5分間続けて朗読したものを速記できる
  3. 反訳:上記の場合に60分間以内で普通文字に反訳することができる
  4. 正確度:反訳の場合に正確度96%以上を示すことができる
  5. 失点:許容失点24字
  6. 知識:平易な内容のものについて教育漢字、現代仮名遣いなどを正しく適切に用いることができる
4級審査基準
  1. 程度:平易な口述や草稿などに速記を活用することができる
  2. 速度:分速180字を基準として5分間続けて朗読したものを速記できる
  3. 反訳:上記の場合に60分間以内で普通文字に反訳することができる
  4. 正確度:反訳の場合に正確度97%以上を示すことができる
  5. 失点:許容失点27字
  6. 知識:平易な内容のものについて教育漢字、現代仮名遣いなどを正しく適切に用いることができる
3級審査基準
  1. 程度:口述・電話などの速記ができ、また反訳を手伝うことができる
  2. 速度:分速240字を基準として5分間続けて朗読したものを速記できる
  3. 反訳:上記の場合に60分間以内で普通文字に反訳することができる
  4. 正確度:反訳の場合に正確度97%以上を示すことができる
  5. 失点:許容失点36字
  6. 知識:やや高度な内容のものについて常用漢字、現代仮名遣いなどを正しく適切に用いることができる
2級審査基準
  1. 程度:会議・座談・講演などの速記の補佐をすることができる
  2. 速度:分速280字を基準として10分間続けて朗読したものを速記できる
  3. 反訳:上記の場合に130分以内で普通文字に反訳することができる
  4. 正確度:反訳の場合に正確度98%以上を示すことができる
  5. 失点:許容失点56字
  6. 知識:高度の内容のものについて常用漢字及びその他一般的によく使われる漢字、現代仮名遣いなどをおおむね正しく適切に用いることができる
1級審査基準
  1. 程度:会議・座談・講演などを単独で速記することができる
  2. 速度:分速320字を基準として10分間続けて朗読したものを速記できる
  3. 反訳:上記の場合に130分以内で普通文字に反訳することができる
  4. 正確度:反訳の場合に正確度98%以上を示すことができる
  5. 失点:許容失点64字
  6. 知識:高度の内容のものについて常用漢字及びその他一般的によく使われる漢字、現代仮名遣いなどを正しく適切に用いることができる
試験の流れ
  1. 問題文の朗読がCDで再生される
  2. 自分でわかるように、速記符号で書き取る
  3. 書き取った符号を解読して原稿用紙に反訳し、提出する

平成30年1月の検定からパソコン使用が可能となりました。許可される使用機種は、パソコン、速記タイプにパソコンを接続したもののいずれかです。タブレットやスマートフォンは使用できません。

速記技能検定で目指せる職業、就職先は?

速記技能検定は速記の技術を証明する試験ですが、速記士の就職先は減少傾向にあります。デジタル化の発展に伴い、国会では速記を廃止する方針が決まり、裁判速記官の新規採用は停止されています。その他の業界でも速記の求人は少ないのが現状です。

速記者は、速記会社や出版社・新聞社に社員や派遣などの雇用形態で所属する場合が多いでしょう。フリーランスの速記者として独立し、仕事を請け負う人もいます。

速記技能検定を取得するとどんな悩みが解決できる?

速記技能検定を取得すると、人の発話にる有益な情報などを文字に変換して発信する際に、効率性や正確性を上げることができます。

速記技能検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

速記技能検定の受験資格には制限はありません。

取得にかかる費用

試験の受験費用は、等級ごとに下記のように定められています。

  • 1級:6,000円
  • 2級:5,000円
  • 3級:4,000円
  • 4級:3,000円
  • 5級:2,500円
  • 6級:2,000円

速記技能検定の1級・2級の合格者は「1級速記士」、「2級速記士」と認定されます。申請することで「速記士証」の交付を受けられます。速記士証の発行手数料は10,000円、登録料は10,000円(すでに協会会員の場合、登録料は免除)です。

速記技能検定試験の日程

試験は例年、5月、8月、11月の最終日曜日に開催されます。

速記技能検定はどんな人におすすめの資格?

速記は、書き取り内容を聞き漏らさないための集中力が必要です。話を聞きながら頭の中で符号に変換し、書き取っていく作業はマルチタスクといえます。高い集中力と同時に作業をこなす能力が求められるでしょう。

デジタル化に伴い求人は減少傾向にあるため、就職を希望する場合は2級または1級の取得を目指すのが安心です。近年はアウトソーシングでテープ起こしの仕事が発注されることも多いですので、フリーランスとして仕事を多くこなしていく人もいるでしょう。

速記士となるほか、スキルを活かして、インタビューなどのテープ起こしや字幕制作、事務職などで能力を発揮する人もいます。

速記技能検定の資格取得がおすすめな人
  • 高い集中力を維持できる人
  • 人の話を聞く作業が苦でない人

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

速記技能検定を実施しているのは、公益社団法人 日本速記協会です。試験の詳細や申込についてはかきHPから確認してください。

▼ 公益社団法人 日本速記協会

まとめ:速記士は専門技術と高い集中力を身に付けた人がなれる

速記の仕事は近年は減少傾向がみられますが、高い技術を持った速記士には仕事の依頼があります。テープ起こしや議事録作成などの仕事はまだまだ需要がありますので、速記技術を習得したい人は受験を検討してみてください。

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