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計装士の資格を取るとどんなメリットがある?

計測制御機器の管理を行う計装士 キャリアアップ

計装制御機器の取り扱いのプロフェッショナルである計装士は、「計装エンジニア」とも呼ばれる技術職です。この記事では計装士の仕事内容や1級取得のメリット、受験資格、更新のための維持講習、計装士という資格の信頼性の高さなどを紹介していきます。

計装士とは、どんな資格?

計装とは、プラントや工場などで使用される測定装置や調節用計器を管理する仕事です。そうした計装制御機器を扱い、さまざまな建物の工事や管理に関わるプロフェッショナルな技術職を計装士と呼びます。計装エンジニアと呼ばれることもあります。

計装士の仕事内容は

  • 計測制御機器の取付工事
  • 計装制御装置の配線・配管工事の設計や監督
  • 計装制御設計の安定運転のための操作・監視

などです。

計装士の資格は1級と2級に分かれており、1級が上級の資格となります。1級計装士は、計装工事における上級の技術者が身に付けておくべき知識と技術を習得している人のことです。

1級計装士は、電気工事または管工事の実務を1年以上経験すると、電気及び管工事の主任技術者として認定されキャリアアップが見込めます。

計装士試験は平成13年から、建設業法により国土交通省令に基づく公的資格となりました。さらに、平成17年の国土交通省省令第百十三号「建設業法施工規則の一部(建設業法施行規則第7 条の三)を改正する省令」により、(一社)日本計装工業会は、1級計装士技術審査に関して国の制度に明確に組み込まれた「登録計装試験実施機関」として認定されています。

そのため、計装士の資格は計装士としての知識や技術を客観的に証明する、信頼性の高い資格といえます。

学ぶ知識・技術

計装士の資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。試験は学科試験と実地試験に分かれています。

学科試験は学科Aと学科Bがあり、それぞれ内容が下記のように定められています。ただし、「4.工事の積算」は1級のみに出題されます。

区分 試験科目 内容
学科試験(学科A) 計装一般知識について 1. 計装一般2. 計器 計装の意義、測定、制御、信号の伝送と処理、計装機器・システム、検出部と変換器及び伝送部、制御システム及び通信
計装設備(プラント、ビルについて) 3. 計装設計4. 工事の積算5. 検査と調整 計装工事設計の概要、計装記号及び図記号、計装用動力源、計装信号、国内・外の規格、計装配線工事及び配管工事設計、計装工事材料、メンテナンス、計装工事積算概要、試験・検査の種類、計装配線・配管工事検査、計器の調整
学科試験(学科B) 施工管理(プラント設備、ビル設備)について 6. 工事施工法 盤類の据付、機器類の取付、ダクト・ラック据付及びトラフの布設、配線・配管工事、防爆及び接地工事、工事用工具、工程管理
計装関係法令について 7. 安全衛生8. 法規 労働安全衛生法概要、労働安全衛生規則の通則及び安全衛生基準、労働安全衛生関連法令、労働基準法概要、法令等の種類、工事に関連する法規

実地試験の内容は下記のように定められています。

実地試験
計装設備計画(基本計画、施工計画)、計装設備設計図(プラント設備、ビル設備)等について
試験内容
工事計画、材料並びに製品の判定、計装設計、計装工事設計、制御ロジック、検査調整、安全衛生、計装工事材料積算、計装工事工数積算

計装士の技術維持講習とは

計装士は、知識と技術の維持向上のために、5年経過ごとに「技術維持講習」の受講が義務付けられています。講習は義務ですので、理由なく講習を拒否した場合は日本計装工業会によって登録を抹消されます。

計装士で目指せる職業、就職先は?

計装士の資格を取得すると、計測制御機器を使用する工場や施設で働くことが見込めます。

計装士は、機械化を進めている工場で必要とされる人材です。また計測制御機器はオフィスや病院、ホテル、学校にもありますので、建築業界では計装士の仕事が必要とされています。

近年は、製鉄や石油化学などの巨大プラントで計装士が活躍し、海外拠点で仕事を行う計装士もいます。

計装士になるとどんな悩みが解決できる?

計装士の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。

計装士が解決できること
  • 計測機の不具合を発見し、事故やトラブルを未然に防ぐ
  • 機械化された工場の生産ラインを正常に稼働させる
  • 施設の温度管理などを快適に維持する
  • 工場や施設の省電力・省エネルギーを支える

また、計装士1級を取得していると、建設業の経営事項審査の評点に加えることができます。
建設業者が国・地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうときは、必ず経営事項審査を受けなくてはいけません。計装士1級を取得していると、評点において一人当たり1 点が加点されます。

計装士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

計装士の試験の受験資格は1・2級とも学歴などの制限はありません。計装工事の実務経験年数の要件が、下記のように定められています。

1級
  1. 計装工事の設計・施工の実務経験年数5 年以上
  2. 2 級計装士合格者は、実務経験年数4 年6 ヶ月以上

実務経験年数には、指導監督的実務経験年数1 年以上を含みます。

2級
  • 計装工事の設計・施工の実務経験年数2年以上

実務経験とは、建築物その他の工作物もしくは、その設備において計装、制御、監視設備工事またはデータ回線工事の設計・施工に従事する経験を指します。

取得にかかる費用

計装士試験の受検費用は、1級と2級ともに同じ金額です。

学科試験
7,530円(税込)
実地試験
17,820円(税込)

また、「計装士試験申込書類・受験の手引」は、返送料込みで1部520円(税込)です。

更新にかかる費用

計装士は、5年ごとに資格登録の更新が必要です。更新では、計装士技術維持講習の受講が実施し、新しい計装技術知識の取得を促します。

計装士技術維持講習の受講料は、1級・2級ともにテキスト代と必要書類込みで13,610円(税込)です。

計装士試験の日程

計装士の試験は、8月と12月の年2回(2021年度参考)開催されます。試験の開催場所は、東北・関東・中部・関西・九州の全国5地区です。

計装士はどんな人におすすめの資格?

計装士の資格は国家資格ではなく、公的資格です。計装制御機器が設置された建物の建設に必要な仕事を担い、施設や工場、プラントなどに関する工事で、計装士の知識や能力が求められています。エンジニアとも呼ばれる技術職であり、これからも安定的に需要のある仕事といえるでしょう。資格を取得して、手に職をつけたい人におすすめの資格のひとつです。

収入は勤務先によって異なりますが、400~700万円程度が目安です。企業によっては資格手当が支給されることがあります。資格を取得し、工事現場の監督者にキャリアアップするなど、収入アップを目指せるでしょう。

またさらに資格取得し、計装士から電気工事士へとキャリアアップする人もいます。ダブルライセンスで計装士と電気工事士の資格を取得していると活躍の幅も広がります。

計装の仕事をするにあたっては機械設備や配線などに興味があると、資格の勉強や仕事に役立つでしょう。細かい作業が好きな人やものづくりに携わりたい人、巨大プラントなどで大規模な仕事に関わりたい人にも向いています。

計装士の資格取得がおすすめな人
  • ニーズの高い職種で安定的に働きたい人
  • 比較的高収入の職で活躍したい人
  • 技術職として手に職をつけたい人
  • ものづくりや細かい作業が好きな人
  • 資格を活かしてキャリアアップを目指す人
  • 機械設備や配線などに興味がある人

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

計装士の試験を実施しているのは、一般社団法人 日本計装工業会(AJII)です。試験の詳細や申込については下記HPから確認してください。

▼ 一般社団法人 日本計装工業会

まとめ:エンジニアとしてキャリアアップを目指す人におすすめ

計装の技術は、学校や病人、工場、巨大プラントなどさまざまな建物の維持に必要とされています。そのため計装士の需要も安定的に高く、収入も比較的高めです。資格取得後のキャリアアップも目指すことができますので、興味がある人はエンジニアとしてのキャリアプランを考えてみてくださいね。

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