バスなどの大型自動車が日々安全に運転できているのは、「整備管理者」が定期的な点検を行っているおかげです。今回はこの整備管理者とはどんな資格か、具体的な仕事内容や資格の取得方法を紹介していきます。
整備管理者とは、どんな資格?
整備管理者とは、大型のバスや自家用車、事業用自動車などの点検・整備を行う専門職です。日本の道路運送車両法に基づく国家資格の一つで、レンタカー業者やバス、タクシー業など一定規模以上の台数を管理している事業者(以下に該当する場合)は、自己を未然に防ぐために整備管理者を選任することが義務付けられています。
- 整備管理者の選任が義務付けられる自動車の種類と台数
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- バス (事業用・レンタカーは乗車定員11人以上の自動車、自家用は乗車定員30人以上の自動車)が1台以上
- 自家用のマイクロバス (乗車定員11人以上29人以下の自動車。レンタカーを除く)が2台以上
- 乗車定員10人以下で車両総重量8トン以上の自家用自動車、乗車定員10人以下の事業用自動車が5台以上
- 貨物軽自動車運送事業用自動車、乗車定員10人以下で車両総重量8トン未満のレンタカーが10台以上
上記の現場において、整備管理者は次のような仕事を担います。
- 大型自動車の日常点検の実施方法を定める
- 点検結果に基づき、運行の可否を決定する
- 定期点検を実施する
- 点検の結果、必要な整備があれば実施する
- 点検及び整備に関する記録簿を管理する
- 運転者や整備員などの整備指導・監督
学ぶ知識・技術
整備管理者の資格を取得するために必要な試験は特にありませんが、次の条件を満たした人しか整備管理者になることはできません。
- 整備・整備の管理で2年以上の実務経験があり、「整備管理者選任前研修」を修了した人
- 自動車整備士の有資格者
1の方法で整備管理者になる場合、「整備管理者選任前研修」で習得する知識は下記の通りです。
- 整備管理者選任前研修の内容
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- 整備管理者制度の趣旨、目的
- 整備管理者の業務、権限
- 点検・整備の方法
- 整備管理者の関係法令 など
整備管理者で目指せる職業、就職先は?
整備管理者の資格取得後に目指せる主な就職先は、下記の通りです。
- バス会社
- 運送会社
- 消防署など
自動車運送事業者は、自社内・グループ企業内から自動車整備管理者を選任しなければならないと定められているため、求人状況は比較的安定しています。
整備管理者になるとどんな悩みが解決できる?
整備管理者になると、次のような悩み・問題が解決できます。
- 整備管理者が解決できること
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- 個人での管理が難しい大型自動車の点検・整備を、使用者に代わって定期的に実施することで、故障や事故を未然に防ぐ
整備管理者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
先ほども説明した通り、整備管理車の資格を取得し、事業所から選任される権限を得られるのは、次のいずれかの条件を満たした人です。
- 整備・整備の管理で2年以上の実務経験があり、「整備管理者選任前研修」を修了した人
- 自動車整備士の有資格者
整備管理者はどんな人におすすめの資格?
整備管理者は、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- 整備管理者の資格取得がおすすめな人
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- バスなどの大型自動車の構造に興味がある人
- 自動車整備士の資格を取得している人
- 自動車整備関連で、年収が高めの職種を目指している人(平均年収は40代で650万円前後)
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
整備管理者の資格を管理しているのは、国土交通省の地方支分部局の一つである「運輸局」です。全国各地に9つ運輸局があるので、資格取得や選任条件について詳しく知りたい人は、お住まいの地域の運輸局までお問い合わせください。
まとめ:整備管理者は責任重大な分、収入も高い専門職
整備管理者は、自動車整備系の職種の中では高収入を狙える専門職です。大型自動車の整備が好きで、この業界でキャリアアップを目指している人は、ぜひ資格取得に向けてトライを。
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