木造建築物の施工や組み立ての現場に欠かせない「木造建築物の組立て等作業主任者」という国家資格をご存知でしょうか?今回はこの木造建築物の組立て等作業主任者とはどんな仕事を担う資格なのか、資格取得の条件や役割などをご紹介していきます。
木造建築物の組立て等作業主任者とは、どんな資格?
木造建築物の組立て等作業主任者とは、軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部分の組立て、屋根下地や外壁下地の取り付けなどにおいて、安全面などの監督・指導にあたる責任者です。作業主任者がいなければ屋根下地や外壁下地の取り付けなどはできず、また日本の家屋はまだ木造が中心なので、建設を行う上で非常に重要な役割を果たします。
木造建築物の組立て等作業主任者は、労働災害防止のために定められた国家資格の一つで、「木造建築物の組立て等作業主任者技能講習」を受講し、修了試験に合格した人が取得できます。ただ、この資格を取得すれば自動的に主任者の立場になれるわけではなく、資格所得後に事業所から選任されなければなりません。
木造建築物の組立て等作業主任者の立場になった際は、作業の監督や指示をするだけでなく、作業に必要な工具や器具の点検や使用状況のチェックなど、安全面への最大限の配慮を行わなくてはいけません。
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学ぶ知識・技術
木造建築物の組立て等作業主任者の資格を取得するには、修了試験に向けて下記の知識を習得する必要があります。
- 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識
- 作業者に対する教育の知識
- 関係法令
- 木造建築物の構造部材の組立ての知識
- 屋根下地の取付けの知識
木造建築物の組立て等作業主任者で目指せる職業、就職先は?
木造建築物の組立て等作業主任者は、建築工事を行う企業にとってはなくてはならない存在であり、資格を取得することで待遇面での優遇が期待できます。主な就職先は、以下の通りです。
- 木造建築物の組立て等作業主任者の主な就職先
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- 土木関係の企業
- 建築企業
- 工務店
木造建築物の組立て等作業主任者になるとどんな悩みが解決できる?
木造建築物の組立て等作業主任者がいることで、下記のような悩みが解決できます。
- 木造建築物の組立て等作業主任者が解決できること
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- 木造建築物の組立てを安全に施工させる
- 建築業者の労働災害を防ぐ
木造建築物の組立て等作業主任者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受講資格)
木造建築物の組立て等作業主任者の資格を取るには、「木造建築物の組立て等作業主任者技能講習」を受講し、試験を修了する必要があり、これを受講するには以下の条件を満たす必要があります。
木造建築物の組立て等作業主任者技能講習の受講資格
- 木造建築物の構造部材の組立てや、これに伴う屋根下地、外壁下地の取り付けの作業に、18歳から3年以上従事した者
- 大学・高等専門学・高等学校において、土木または建築に関する学科を卒業し、その後2年以上構造部材の組立て等の作業に従事した者
- 職業能力開発促進法に基づく一定の訓練を修了し、その後2年以上構造部材の組立て等の作業に従事した者
取得にかかる費用
資格試験の受験料は10,000円前後で、技能講習を行う団体によって異なります。また、別途受講に向けてテキスト料金が必要になるので、近くの団体に問い合わせましょう。
木造建築物の組立て等作業主任者はどんな人におすすめの資格?
木造建築物の組立て等作業主任者は、木造建築物の安全な施工を進める上で欠かせない役割を果たすので、下記のような人におすすめの資格です。
- 木造建築物の組立て等作業主任者の資格取得がおすすめな人
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- 建築・土木業に携わっている人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を実施・管理しているのは「建設業労働災害防止協会(建災防)」です。全国エリアに支部があり、それぞれで講習日程や必要な手続き、受講料などが異なるので、詳しくは下記のサイトからご確認ください。
まとめ:建築現場の人を事故から守る「木造建築物の組立て等作業主任者」は、非常に重要な資格!
「木造建築物の組立て等作業主任者」は聞く機会の少ないマイナーな資格ですが、木造建築物を安全に組み立て、現場で建築を行う業者を労災から守るために欠かせない重要な存在です。興味のある方はぜひ資格取得に向けてチャレンジを。
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