ビッグデータ時代の現代、顧客企業のデータベースシステムを安全かつ効率的に構築・保守・運用できるプロフェッショナルである「データベーススペシャリスト」のニーズは非常に高いといえます。このデータベーススペシャリストとはどんな資格か、仕事内容や取得の方法、取得によるメリットなどをお伝えしていきます。
データベーススペシャリストとは、どんな資格?
データベーススペシャリストとは、企業などが持つ膨大なデータベースを設計、管理し、それを引き出すための効率的なシステムを構築する専門職です。IT系国家資格の一つで、情報処理技術者試験の中でも最高レベルの難易度であるデータベーススペシャリスト試験に合格すると有資格者になれます。
データベーススペシャリストの具体的な仕事内容は、次の通りです。
- データベースに関係する高い知識・技術を活用し、効率性・信頼性・安全性を考慮した情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守をする
- データ管理者として、情報システム全体のデータ資源を管理する
- データベース関連の技術サポート
学ぶ知識・技術
試験に合格するには、下記の知識・技術を習得しておく必要があります。
テクノロジ系
- 基礎理論
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- 離散数学
- 応用数学
- 情報理論
- 通信理論
- 計測制御理論
- アルゴリズムとプログラミング
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- データ構造
- アルゴリズム
- プログラミング
- プログラム言語
- マークアップ言語
- コンピュータ構成要素
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- プロセッサ
- メモリ
- バス
- 入出力デバイス
- 入出力装置
- システム構成要素
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- システムの構成
- システムの評価指標
- ソフトウェア
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- オペレーティングシステム
- ミドルウェア
- ファイルシステム
- 開発ツール
- オープンソースソフトウェア
- ハードウェア
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- ハードウェア
- ヒューマンインターフェイス
-
- ヒューマンインターフェース技術
- インターフェース設計
- マルチメディア
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- マルチメディア技術
- マルチメディア応用
- データベース
-
- データベース方式
- データベース設計
- データ操作
- トランザクション処理
- データベース応用
- ネットワーク
-
- ネットワーク方式
- データ通信と制御
- 通信プロトコル
- ネットワーク管理
- ネットワーク応用
- セキュリティ
-
- 情報セキュリティ
- 情報セキュリティ管理
- セキュリティ技術評価
- 情報セキュリティ対策
- セキュリティ実装技術
- システム開発技術
-
- システム要件定義
- システム方式設計
- ソフトウェア要件定義
- ソフトウェア方式設計
- ソフトウェア詳細設計
- ソフトウェア構築
- ソフトウェア結合・ソフトウェア適格性確認テスト
- システム結合・システム適格性確認テスト
- ソフトウェア導入
- ソフトウェア受入れ
- ソフトウェア保守
- ソフトウェア廃棄
- ソフトウェア開発管理技術
-
- 開発プロセス手法
- 知的財産適用管理
- 開発環境管理
- 構成管理
- 変更管理
マネジメント系
- プロジェクトマネジメント
-
- プロジェクトマネジメント
- 統合マネジメント
- ステークホルダマネジメント
- スコープマネジメント
- タイムマネジメント
- コストマネジメント
- 品質マネジメント
- 資源マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- 調達マネジメント
- サービスマネジメント
-
- サービスマネジメント
- サービスの設計・移行
- サービスマネジメントプロセス
- サービスの運用
- ファシリティマネジメント
- システム監査
-
- システム監査
- 内部統制
ストラテジ系
- システム戦略
-
- 情報システム戦略
- 業務プロセス
- ソリューションビジネス
- システム活用促進・評価
- システム評価
- システム企画
-
- システム化計画
- 要件定義
- 調達計画
- 実施
- 経営戦略マネジメント
-
- 経営戦略手法
- マーケティング
- ビジネス戦略と目標
- 評価
- 経営管理システム
- 技術戦略マネジメント
-
- 技術開発戦略の立案
- 技術開発計画
- ビジネスインダストリ
-
- ビジネスシステム
- エンジニアリングシステム
- e-ビジネス
- 民生機器
- 産業機器
- 企業活動
-
- 経営・組織論
- OR・IE
- 会計・財務
- 法務
-
- 知的財産権
- セキュリティ関連法規
- 労働関連・取引関連法規
- その他の法律・ガイドライン・技術者論理
- 標準化関連
テクノロジ系
- コンピュータシステム
-
- コンピュータ構成要素
- システム構成要素
- 技術要素
-
- ネットワーク
- セキュリティ
- 開発技術
-
- システム開発技術
- ソフトウェア開発管理技術
記述試験
- データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること
- データベースシステムの運用・保守に関すること
- データベースシステム技術に関すること
データベーススペシャリストで目指せる職業、就職先は?
データベーススペシャリストの持つスキル・知識は、情報漏洩が問題になりやすい昨今、IT業界にとって必要不可欠な存在です。資格があると、情報システム系・ネットワーク系関連企業での就職・転職が有利になるでしょう。
データベーススペシャリストになるとどんな悩みが解決できる?
データベーススペシャリストになると、次のような悩み・問題の解決に貢献できます。
- データベーススペシャリストが解決できること
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- 裏で稼働するデータベースと情報を安全に管理することで、情報漏洩を未然に防ぐ
- 企業が持つ膨大なデータベースの運用を効率化させる
- データベースの開発過程を一手に引き受け、他の従業員の指導育成をする
データベーススペシャリストの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
データベーススペシャリストの資格を取得するには、データベーススペシャリスト試験に合格する必要がありますが、この試験は年齢や学歴、職歴を問わずどなたでも受験できます。
取得にかかる費用
データベーススペシャリスト試験の受験にかかる費用は、7,500円です。令和3年秋季試験から受験料が改定されています。
データベーススペシャリストはどんな人におすすめの資格?
データベーススペシャリストは、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- データベーススペシャリストの資格取得がおすすめな人
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- データベース技術のプロフェッショナルという証明が欲しい人
- IT企業への転職を有利に進めたい人
- IT企業での出世や年収アップを目指している人(平均年収は500~700万円)
- 弁理士や技術士、ITコーディネータとしてのキャリアパスを目指している人(それぞれの試験科目が一部免除される)
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
データベーススペシャリストの資格を管理し、試験を実施しているのは「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」です。その年の試験日程や会場、受験申請に必要な手続きについては、下記の公式HPからご確認ください。
まとめ:データベーススペシャリストは、インフラ系エンジニアにおすすめの国家資格!
現在IT企業に勤めており、将来的にデータベース管理者やインフラ系エンジニアを目指す人にとって、データベーススペシャリストの国家資格は取得がおすすめの資格です。合格率は約15%の難関資格ですが、キャリア形成を有利に進めたい方はぜひ。
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