保育園や幼稚園に通う子どもたちのために資格取得を考えている人におすすめなのが「こども環境管理士」の資格です。この記事ではこども環境管理士について、1級と2級の違い、試験概要、試験の合格基準、受験費用などを解説します。
こども環境管理士とは、どんな資格?
こども環境管理士とは、保育園や幼稚園などで子どもたちが自然とふれ合うことのできる保育環境づくりのエキスパートです。こども環境管理士の仕事は、地域の自然を活かして保育環境の充実を図ることなどで、自然と保育の両方に精通していることが求められます。
こども環境管理士には、1級と2級があります。1級が上級の資格です。
- 1級こども環境管理士(Senior Kids’Environmental Facilitators)
- こども環境管理士としての意欲と専門的な知識、創意工夫の考え方を有しているレベル。合格率約80%
- 2級こども環境管理士(Junior Kids’Environmental Facilitators)
- こども環境管理士としての意欲と基本的な考え方が身に付いているレベル。合格率約72%
学ぶ知識・技術
こども環境管理士の資格を取得するためには、試験を受験して合格する必要があります。こども環境管理士の試験問題は、保育、幼児教育および環境に関する学識経験者や専門家を中心に構成される試験管理委員会のもとで作成されています。
試験ではまず筆記試験を受験し、合格者は口述試験へと進みます。
筆記試験
筆記試験の所要時間は2時間で、択一問題と小論文が出題されます。
- 科目1(15問)
- 自然環境に関する基礎知識が問われます。
- 自然のしくみ
- 私たちの生活や社会と自然とのつながり
- 環境問題の原因や現況とその対策
- 環境問題の解決に向けた社会の動向(法律や条約、時事問題)
- 科目2(20問)
- 自然体験・生活体験を充実させる環境づくりについて出題されます。
- 環境の時代にふさわしい生活のあり方
- 子どもが自然と触れ合うことの大切さ
- 日常的な自然体験のための空間づくりに関する基本的な考え方
- 身近な生きものに対する認識、自然の中の危険に対する認識
- 小論文(1級:800字、2級:400字)
- 子どもたちが自然と触れ合い自然を大切にする生活を送ることができるよう、自身が今後とりくみたいことなど、こども環境管理士としての意思や信念、知識が問われます。
口述試験
筆記試験に合格した1級の受験者のみが対象となります。口述試験の所要時間は約15分です。試験官との質疑応答(面接形式)で、こども環境管理士としての意思や信念、知識が適切かどうかを測定されます。
合格基準
合格基準は、下記のように定められています。
- 択一問題
- 両科目とも正解が60%を超えていること
- 小論文
- 環境管理士として考え方や行動が適切な場合は「可」の評価で合格
- 口述試験(1級)
- 質問に対し、1級こども環境管理士に求められるレベルでもって適切、的確に答えられること
こども環境管理士で目指せる職業、就職先は?
こども環境管理士の資格を取得すると、保育園や幼稚園への就職・転職で、環境整備面の知識とスキルを有していることの自己アピールができます。
こども環境管理士を取得するとどんな悩みが解決できる?
こども環境管理士の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- こども環境管理士が解決できること
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- 子どもが自然とふれ合う機会を確保できる
- 自然とのふれ合いに関する、保護者のニーズに応えられる
こども環境管理士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
こども環境管理士試験の受験資格は、各級で異なります。2級は誰でも受験可能です。1級の受検は、下記の条件を満たす必要があります。
1級を受験するためには、下記の①~⑥の条件のうちいずれか1つに該当することが必要です。
- 幼稚園教諭または保育士の資格を取得後、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する
- 2級こども環境管理士の資格を取得後、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する
- 幼稚園の園長または副園長として、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する
- 保育所の所長または副所長として、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する
- 認定こども園の園長または副園長として、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する
- ①~⑤に当てはまらない場合、通算で満5年以上の実務の経験年数を有する
実務とは、「幼児教育や保育に関わる継続的なもの」であることを前提に、広く以下のものを指します。
- 幼稚園教諭や保育士としての勤務・活動
- 幼稚園・保育所・認定こども園の運営・庶務
- 団体・企業における幼児教育・保育関係の継続的な業務
- 市民団体における幼児教育・保育関係の継続的な活動
- 幼稚園教諭・保育士の養成校における継続的な指導・研究
- 研究機関における幼児教育・保育関係の継続的な指導・研究
- 研究機関における幼児教育・保育関係の継続的な執務・指導
取得にかかる費用
こども環境管理士試験の受験手数料は、各級で次のように定められています。
- 1級:13,000円
- 2級:8,000円
- 2級(キャンパス受験):5,000円
- 1級筆記試験の再受験:5,000円
こども環境管理士試験の日程
こども環境管理士試験は、筆記試験が秋頃、口述試験が冬頃に実施されます。
こども環境管理士はどんな人におすすめの資格?
子どもたちの発達や成長、心の豊かさを育む上では、自然とのふれ合いは大切です。こども環境管理士は、自然と保育に関する専門知識を有し、子どものための自然豊かな保育環境づくりをすることができます。
こども環境管理士の1級を目指す場合は、幼稚園教諭や保育士としての実務経験や保育施設での就労経験が必要です。資格取得に興味がある人は、受験資格の要件をしっかりと確認してください。
- こども環境管理士の資格取得がおすすめな人
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- 保育士の有資格者
- 幼稚園教諭の有資格者
- 子どもに携わる仕事をしている人
- 自然との共生に関心がある人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
こども環境管理士の資格を運営しているのは、公益財団法人 日本生態系協会です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:保育士・幼稚園教諭で自然に関心がある人におすすめ♪
こども環境管理士は、子どもの成長や豊かな教育環境形成に役立つ民間資格。保育士さんや幼稚園教諭の資格保有者は、試験のチャレンジを検討してみてくださいね。
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