これからの時代のエンジニアとして活躍したい人におすすめなのが、「ETEC(組込み技術者試験制度)」の資格取得です。この記事ではETECのクラス1、クラス2のレベルの目安、試験概要、受験資格、受験費用などを解説します。
ETEC(組込み技術者試験制度)とは、どんな資格?
ETEC(Embedded Technology Engineer Certification:組込み技術者試験制度)は、ソフトウェアの組込み技術者を対象とした民間資格です。2006年からスタートした試験で、ソフトウェア開発者の知識やスキルを証明するために活用されています。
試験は合否判定ではありません。結果はスコアで出され、理解度、活用運用能力を分野ごとに、グレードA、グレードB、グレードCの3段階で客観評価されます。
組込みソフトウェア技術者試験クラス2、組込みソフトウェア技術者試験クラス1で、それぞれのレベルの目安があります。
- 組込みソフトウェア技術者試験クラス2
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- 組込みソフトウェア開発に関するある一定以上の知識
- 上級者の指導のもとにプログラミング作業を行える技術者に必要とされる知識
- 大学・専門学校の組込みソフトウェア教育を受けている学生、卒業生
- プログラミング経験がなく入社し、社内教育などで育成された組込みソフトウェア・プログラマなど
- グレードA
- 技術要素、開発技術、管理技術に関してエントリレベルに要求される組込み技術知識を充分に保有し、その知識を応用して、上級者の指導のもとに、実務能力を高められること
- グレードB
- 技術要素、開発技術、管理技術に関してエントリレベルに要求される組込み技術知識を保有している。ただし不足する部分も見受けられ、実務経験を通じてスキルの蓄積を補うことが必要
- グレードC
- 組込みソフトウェア開発関連業務に要求される組込み技術知識が不十分であり、実務に携わるにはさらなる知識の習得が必要
- 組込みソフトウェア技術者試験クラス1
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- 中級技術者として、要求、設計工程、それに対応するテスト工程における知識から分析能力までの総合力を有すること
- 現場リーダとして不可欠な、実装、QCD等の知識・能力を有すること
- 実装の実務能力を有すること
- グレードA
- 自立的にプロジェクトを総括・遂行できる能力が認められる。組織内での組込みソフトウェア開発の指導的推進者になることができるレベル<>/dd
- グレードB
- 上位者の支援の下、プロジェクトを管理・遂行できる能力が認められる。組織内での組込みソフトウェア開発の実践指導の中心になることができるレベル
- グレードC
- 上位者の支援の下、プロジェクトを管理・遂行する”潜在能力”が認められる。現場部門における組込みソフトウェア開発の専門家になることができるレベル
学ぶ知識・技術
ETEC(組込み技術者試験制度)の資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。
試験にはケース問題が導入されています。
ケース問題「1.分析」と「2.理解・表現」では、各能力が問われます。開発環境(ケース)が提示され、各ケースに対して明確に「1.分析」と「2.理解・表現」を分けずに数問ずつ出題されます。
組込みソフトウェア技術者試験クラス2
試験構造は全90問、120分です。出題範囲は下記のように構成されます。
- 技術要素(プラットフォーム)
- プロセッサ、基本ソフトウェア、支援機能
- 開発技術
- ソフトウェア詳細設計、ソフトウェアコード作成とテスト、ソフトウェア結合、クロス開発技術
- 管理技術
- 品質マネジメント、構成管理・変更管理
- 通信
- 有線通信、無線通信
組込みソフトウェア技術者試験クラス1
試験構造は全90問、120分です。出題範囲は下記のように構成されます。
- 分析: 15問
- 理解・表現:15問
- 知識:60問
- 1.分析力(仕様・設計の分析に関する問題)
- 要求定義、構造設計、制約・非機能要件設計、システム検証
- 2.理解・表現(仕様・設計並びに管理の表現、理解に関する問題)
- 要求定義、システム方式設計、設計検証、プロジェクトマネジメント
- 3.知識(上記の知識を問う問題)
- システム要求分析、システム方式設計、ソフトウェア要求分析、ソフトウェア方式設計、システム結合、システム適格性確認テスト、プロジェクトマネジメント、ビジネススキル
ETEC(組込み技術者試験制度)で目指せる職業、就職先は?
ETEC(組込み技術者試験制度)の資格を取得すると、ハードウェア系の開発会社への就職・転職に役立つでしょう。また、開発部門を持つ自動車メーカーや電化製品メーカーへの就職・転職も見込めます。
ETEC(組込み技術者試験制度)を取得するとどんな悩みが解決できる?
ETEC(組込み技術者試験制度)の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- ETEC(組込み技術者試験制度)が解決できること
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- ITを駆使した日本のものづくりを支える
- 人々の暮らしをより便利で安全なものにする
ETEC(組込み技術者試験制度)の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
ETEC(組込み技術者試験制度)の受験資格は、下記のように定められています。
- 組込みソフトウェア技術者試験クラス2
- 受験資格に制限はありません
- 組込みソフトウェア技術者試験クラス1
- ETEC組込みソフトウェア技術者試験クラス2で「500点」以上のスコアを取得した受験者
取得にかかる費用
ETEC(組込み技術者試験制度)の受験費用は、下記のように定められています。
- 組込みソフトウェア技術者試験クラス2
- 1試験:15,000円(税別)
- 組込みソフトウェア技術者試験クラス1
- 1試験:20,000円(税別)
JASA会員の場合、専用の優待割引バウチャーを購入できます。
ETEC(組込み技術者試験制度)試験の日程
ETEC(組込み技術者試験制度)試験はCBT方式試験を採用しています。試験は全国のPearson VUE試験会場で受験可能です。受験者が受験したいスケジュールを予約してください。
ETEC(組込み技術者試験制度)はどんな人におすすめの資格?
近年はIoTやAIの技術が発展し、さまざまな製品やサービスに活用されています。ETEC(組込み技術者試験制度)は、こうした技術にも精通し、人々の暮らしや世の中のためになる製品やサービスの開発に携わることができます。
ETEC(組込み技術者試験制度)を取得したエンジニアに対する需要はこれからも高いことが見込まれますので、安定的に働くことも可能でしょう。給与の水準も平均以上を期待できます。
- ETEC(組込み技術者試験制度)の資格取得がおすすめな人
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- エンジニアとして働きたい人
- キャリアアップを目指す人
- 収入アップを目指す人
- 安定した業界で働きたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ETEC(組込み技術者試験制度)を主催しているのは、一般社団法人 組込みシステム技術協会です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:ETEC(組込み技術者試験制度)でエンジニアとしてキャリアアップ!
ETEC(組込み技術者試験制度)は、キャリアアップや収入アップを目指すエンジニアにおすすめの資格です。これからも需要が見込まれる職種ですので、興味がある人は受験を検討してみてくださいね。
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