世界遺産に関する知識が問われる「世界遺産検定」は、大学生や社会人など幅広い層の受検者がいる人気の検定です。
この記事では、世界遺産検定のマイスター、1級、2級、3級、4級の違い、資格取得でメリットを得られる職業・業界、受験料などを解説します。どんな人におすすめの資格で、どんなことに役立つかチェックしていきましょう。
世界遺産検定とは、どんな資格?
世界遺産検定とは、世界遺産の種類や楽しみ方、文化的背景や歴史など、世界遺産に関する知識を問う民間資格です。
世界遺産に関する理解を深めることで、国際的な教養を身に付けることもでき、知識以外にも習得できるものがあるのが特徴です。
世界遺産検定は2006年に始まり、2022年時点では累計30万人以上の受検者がいます。世界遺産検定は、小学生から90代まで幅広い年代の人が受験しています。
これまでに19万人以上が検定に合格し、世界遺産検定合格者として認定されました。2014年からは文部科学省の後援事業となっています。
世界遺産検定は、レベルに応じてマイスター、1級、2級、3級、4級があります。
- マイスター
- 世界遺産条約の理念や諸概念を理解し、世界遺産に関する諸事象について自分の意見を持っているレベル。出題対象は世界遺産全件。
- 1級
- 世界遺産条約の理念や諸概念、関係機関について理解し、世界の全遺産の普遍的価値を学んでいるレベル。出題対象は世界遺産全件。
- 2級
- 世界遺産条約の理念や関係機関について理解し、各地域を代表する世界遺産の多様性を学んでいるレベル。出題対象は日本の全遺産・世界の代表的な遺産300件。
- 3級
- 世界遺産条約の理念を理解し、地理や歴史に登場する代表的な世界遺産の価値を学んでいるレベル。出題対象は日本の全遺産・世界の代表的な遺産100件。
- 4級
- 世界遺産の見方を知り、日本を中心とする世界の有名な遺産を通して世界の広さを学んでいるレベル。出題対象は日本の全遺産・世界の有名な遺産32件。
学ぶ知識・技術
世界遺産検定を取得するには、試験に合格する必要があります。マイスターの試験は論述式で、1級から4級の試験はマークシート形式で出題されます。
マイスター(論述)
- 問題数:3題
- 試験時間:120分
- 合格基準:20点満点中12点以上
1級(選択式)
- 問題数:90題
- 試験時間:90分
- 合格基準:200点満点中140点以上
2級(選択式)
- 問題数:60題
- 試験時間:60分
- 合格基準:100点満点中60点以上
3級(選択式)
- 問題数:60題
- 試験時間:50分
- 合格基準:100点満点中60点以上
4級(選択式)
- 問題数:50題
- 試験時間:50分
- 合格基準:100点満点中60点以上
さらにレベルアップを目指す人は、1級リスタという受験制度を利用するのもおすすめです。
- 1級リスタ(Re-study)受検制度
- 1級以上の取得後に、再度知識レベルを確認するために設けられた受検制度。
世界遺産検定で目指せる職業、就職先は?
世界遺産検定を取得したことが、就職や転職を直接的に有利にすることはあまりありません。ただし、下記の業種への就職・転職で自己アピールにつながります。
- 旅行・観光業界
- 航空業界
- 商社
- マスコミ
- 文化・教育機関
- 国際機関
- 海外進出をしているメーカー など
また、世界遺産検定を社内推奨資格として採用している企業には下記が挙げられます。
- JTBグループ
- KNT-CTホールディングスグループ
- 阪急交通社
- 日本旅行
世界遺産検定を取得するとどんな悩みが解決できる?
世界遺産検定を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 世界遺産検定が解決できること
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- 世界遺産が所在する国や地域の歴史や文化の理解が促される
- 環境保護や景観保全の意識が高まる
世界遺産検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
世界遺産検定の受験資格は、マイスターと1級には制限がありますを
マイスターを受検する場合は1級を取得していることが条件となります。1級を受検する場合は、2級を取得していることが条件となります。
2級、3級、4級は受験資格の制限はありません。
取得にかかる費用
世界遺産検定の受検料は、各級で次のように定められています。
- マイスター
-
- 公開会場試験:19,400円
- CBT試験:CBTで実施なし
- 1級
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- 公開会場試験:9,900円
- CBT試験:10,900円
- 1級リスタ
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- 公開会場試験:4,100円
- CBT試験:5,100円
- 2級
-
- 公開会場試験:5,900円
- CBT試験:6,900円
- 3級
-
- 公開会場試験:4,900円
- CBT試験:5,900円
- 4級
-
- 公開会場試験:3,500円
- CBT試験:4,500円
- 2級・3級併願
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- 公開会場試験:10,300円
- CBT試験:CBTで実施なし
- 3級・4級併願
-
- 公開会場試験:8,200円
- CBT試験:CBTで実施なし
世界遺産検定試験の日程
世界遺産検定の公開会場試験は、年に4回開催されています。
また、世界遺産検定CBT試験の場合は、全国約280カ所のテストセンターで、受検者が試験日を選んで受検することができます。
世界遺産検定はどんな人におすすめの資格?
世界遺産検定は、学生や社会人などさまざまな人が受検している資格です。受検者の約7割が10~30代で、若い世代の受検者が多くチャレンジしています。10歳未満の子どもや90代の受検者もいるため、受検の目的もさまざまです。
世界遺産検定で得た知識や教養は、仕事に生かすことはもちろん、勉学やプライベートの充実にも役立つでしょう。
- 世界遺産検定の資格取得がおすすめな人
-
- 世界遺産が好きな人
- 国際的な感覚を身につけたい人
- 旅行・観光業界で働く人
- 歴史が好きな人
- 旅行が好きな人
- 世界史や地理の理解を深めたい学生
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
世界遺産検定を主催しているのは、NPO法人 世界遺産アカデミーです。文部科学省、(社)日本旅行業協会、(社)全国旅行業協会、日本観光学会、日本国際観光学会、ANTOR-Japan(駐日外国政府観光局協議会)の後援を受けています。
まとめ:歴史や建築の知識から国際感覚まで身につくのが世界遺産検定の魅力
世界遺産はさまざまな国や地域に存在しています。世界遺産検定にチャレンジすると、知識はもちろんですが国際的な教養も磨かれます。まずは4級から受検して、知識と教養をレベルアップさせていくのも楽しいでしょう。
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