「秘書検定」は、秘書以外の人にもおすすめの資格です。社会人が身に付けておきたい基本的な一般常識やビジネスマナーを問われる試験であり、世間からも広く認知されています。
この記事では秘書検定について各級のレベル、出題内容、資格取得のメリットなどを紹介します。
秘書検定とは、どんな資格?
秘書検定とは、社会人が働く上で身に付けておくべき基本的な常識を有していることを証明する資格です。公益財団法人 実務技能検定協会が運営・実施する「ビジネス系検定」のひとつであり、知名度の高い検定です。
秘書検定という名称が使用されていますが、秘書を目指す人や秘書としてキャリアアップを目指す人以外にも役立つ資格です。就職活動を控えた高校生や大学生、若手の社会人が受験することが多数で、基本的なマナーや常識の習得を目的とした受験者が多くいます。
秘書検定は、3級、2級、準1級、1級に級が分かれています。
- 3級
- 基本的な職場常識を有していることを証明するレベル。上司が効率よく仕事を遂行するためにどんな気遣いや対応が必要か、感じがよいと思ってもらえる対応などについて出題されます。高校生の受験者が多く、初心者向けレベルです。
- 2級
- 上司の身の回りの世話、上司のサポートなどを行うための効率的な仕事の進め方が問われます。就職を控えた大学生の受験者が多いです。
- 準1級
- 中堅の秘書レベルの能力が求められます。感じのよさや効率的な仕事の進め方のほか、物事の判断力や対応力が必要となります。準1級から筆記試験に加えて面接試験があり、面接では人柄の表現力が問われます。受験者は大学生と社会人が多くなってきます。
- 1級
- 上級の秘書レベルの能力が求められます。上司の仕事を理解した上で何をすべきか判断する能力、上司が動きやすいように先読みしてサポートする能力が求められます。受験者は現役秘書、社会人が多いです。
学ぶ知識・技術
秘書検定を取得するためには、試験に合格する必要があります。試験は2級・3級は筆記試験のみ、準1級・1級は筆記試験と面接試験が設けられています。
筆記試験の出題内容
- 必要とされる資質
- 秘書の仕事で心掛けること、来客対応、仕事の指示の受け方 など
- 職務知識
- 文書・書類の取り扱い、上司への対応 など
- 一般知識
- 敬語の正しい使い方、ビジネス用語の理解 など
- マナー・接遇
- 名刺の取り扱い、不祝儀袋の使い方 など
- 技能
- 伝言メモの書き方、あいさつ状の書き方 など
準1級・2級・3級の筆記試験は、選択問題(マークシート方式)と記述問題です。1級はすべて記述問題で出題されます。
また、上記の出題範囲は「理論」と「実技」として分類されます。合格基準は、理論と実技それぞれ60%以上の得点です。
- 理論
-
- 必要とされる資質
- 職務知識
- 一般知識
- 実技
-
- マナー・接遇
- 技能
1級・準1級には筆記試験に合格すると、二次試験の面接試験に進みます。面接試験は下記のように構成されています。
面接試験の内容
- ロールプレイング
- 審査員の指示に従い、「報告」と「応対」のロールプレイングを行い、審査を受けます。
- 報告:課題の指示に従い、上司役に報告する
- 応対:課題の指示に従い、来客役に応対する
- 審査のポイント
-
- 態度
- 振る舞い
- 話し方の調子
- 言葉遣い
- 物腰
- しぐさ
- 身なり など
- 合格の基準
-
- 審査のポイントの事項をきちんとしているか
- 丁寧であるか
- 明るく生き生きしているか
秘書検定で目指せる職業、就職先は?
秘書を目指す人が必ず秘書検定を取得しなければいけないというわけではありません。秘書になるために特別な資格は不要ですので、無資格でも秘書として働くことが可能です。
ただし秘書には一般常識やビジネスマナー、秘書としての基礎が求められますので、秘書検定の資格取得者は就職や転職で自己アピールにつながるでしょう。
秘書検定取得を就職や転職における採用条件とする職業や職種は、基本的に多くはありません。秘書検定に合格していると、社会人として身に付けておきたい一杯常識やビジネスマナーを習得している、または習得しようという意欲があることをアピールするのに役立ちます。
秘書検定を就職活動や転職活動で自己アピールとするには、2級以上の取得がおすすめです。
秘書検定を取得するとどんな悩みが解決できる?
秘書検定を取得すると、次の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 秘書検定が解決できること
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- 一般的なマナー、ビジネスマナーを習得し、実務に活かせる
- 上司など周囲の人の業務サポートをスムーズに行う
秘書検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
秘書検定の受験資格に年齢や性別などの制限はありません。誰でも受験可能です。
取得にかかる費用
秘書検定の試験受験費用は、級によって異なります。
- 1級 :6,500円
- 準1級:5,300円
- 2級 :4,100円
- 3級 :2,800円
秘書検定試験の日程
秘書検定は、3級・2級が年3回、準1級・1級は年2回実施されます。その年によって変更の可能性がありますので、HPで確認してください。
秘書検定は全国各地で実施されていますが、2級と3級はCBT試験受験が可能です。
秘書検定はどんな人におすすめの資格?
秘書検定の受験者は、大学生36.8%、短大生5.3%、専修・各種学校生10.9%、高校生23.2%、会社員等16.9%、秘書1.6%、その他5.3%という内訳になっています(参考:公益財団法人 実務技能検定協会HP)。
就職に向けて学生が秘書検定にチャレンジし、社会人として必要な一般知識やマナーを身に付けることが多いです。
就職の際に秘書検定が有利に働くのは、2級からと考えられています。準1級、1級を取得すればさらに有利になるでしょう。
社会人にとっても、一般知識やビジネスマナーの学び直しにおすすめです。業種や職種、社風次第で身につく知識やマナーには偏りが生まれることがありますが、秘書検定取得を通して基礎をしっかりと身に付けることができます。
- 秘書検定の資格取得がおすすめな人
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- 秘書業務のスキルアップを目指す人
- 就職に向けて社会人としての準備をしたい学生
- 一般知識や敬語、ビジネスマナーの学び直しをしたい社会人
- サポート業務を円滑に行うためのスキルを身に付けたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
秘書検定を管理・実施しているのは、公益財団法人 実務技能検定協会です。秘書検定は文部科学省の後援を受けており、一般的に広く認知されています。
試験の詳細や申込については、下記HPから確認してください。
まとめ:秘書検定は社会人としての基礎を身に付けるのにおすすめ
秘書検定は、秘書以外の職種を目指す人も多く受験しています。特に、これから社会人デビューする学生が、一般知識や敬語、ビジネスマナーの基礎を習得するのにおすすめの資格といえます。秘書検定を取得しておくと、職場に馴染んだり先輩社員のサポートをしたりするのに役立ちますので、社会人になるための準備として取得しておくと安心ですよ。
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