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東京都公害防止管理者の資格を取るとどんなメリットがある?

東京都公害防止管理者の資格取得法 やりがい・夢を与える

環境保護は世界的に関心の高い問題であり、企業や行政は環境にやさしい事業活動を行うことが求められています。東京都では、「東京都公害防止管理者」という資格を定め、公害を未然に防ぎ、住民などに対して適切な対応を取ることを義務付けています。

この記事では、東京都公害防止管理者について資格取得の方法や講習の内容、受講資格を解説していきます。

東京都公害防止管理者とは、どんな資格?

東京都公害防止管理者は、東京都の公害防止管理者制度によって定められた資格で、公害防止の管理や地域の住民の窓口などを行う管理者です。

企業や行政の事業活動には、環境に対する負荷が発生するものもあります。ひとたび公害が発生すると、環境や人体に悪影響を及ぼしかねません。公害の防止は事業者が解決すべき課題のひとつで、事業活動に伴って発生する環境への負荷を適切に管理・減少していくことが求められます。

東京都の公害防止管理者制度とは
特に公害発生の可能性が高いと考えられる工場において、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づき、公害防止管理者の選任と設置を義務付けた制度。公害防止管理者は、公害の防止を管理させるとともに、行政及び地域住民の窓口業務を行う。

事業者が公害防止管理者を選任すべき事由には、

  1. 対象工場になったとき
  2. 選任した者を解任したとき
  3. 選任したものが死亡したとき

です。

東京都公害防止管理者は、下記の仕事を行います。

  1. 公害発生施設の使用方法の監視
  2. 測定及び記録
  3. 緊急時の措置
  4. 処理施設の維持管理
  5. 作業方法の監督
  6. 付近住民に対する応接
  7. 行政庁に対する報告

公害防止管理者は、条例と法律で公害防止管理者の選任と配置が規定されています。

  • 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)
  • 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(管理者法)

東京都の公害防止管理者制度は、条例に基づいています。法律に基づく公害防止管理者制度では、公害防止管理者の国家資格を取得している者あるいは講習を受講した者が、公害防止管理者になれます。

学ぶ知識・技術

東京都公害防止管理者講習(認定講習)を受講して、修了テストに合格すると、東京都公害防止管理者になれます。認定講習の内容は、一種と二種に分かれています。一種と二種では、管理できる工場または施設が異なります。

一種講習 (期間3日間)

一般科目
  • 東京都の環境の現況と対策(2時間)
  • 環境保全に関する法令の概要(3時間)
  • 環境確保条例等の解説(3時間)
  • 企業における環境管理のあり方 及び公害防止管理者の職務(1時間)
専門科目
  • 大気汚染対策(3時間)
  • 水質汚濁対策(2時間)
  • 有害化学物質対策(3時間)
  • 騒音振動対策(2時間)
  • 修了テスト(三肢択一)30問(1時間)

二種講習 (期間2日間)

一般科目
  • 東京都の環境の現況と対策(1時間30分)
  • 環境保全に関する法令の概要(2時間)
  • 環境確保条例等の解説(2時間)
  • 企業における環境管理のあり方 及び公害防止管理者の職務(1時間)
専門科目
  • 大気汚染対策(2時間)
  • 水質汚濁対策(1時間30分)
  • 有害化学物質対策(2時間)
  • 騒音振動対策(1時間)
  • 修了テスト(正誤式)20問(30分)

東京都公害防止管理者で目指せる職業、就職先は?

東京都公害防止管理者の資格を取得すると、さまざまな製造工場や都市ガス製造施設、都市ごみ焼却施設への就職が見込めます。

東京都の公害防止管理者制度、下記の工場または施設に公害防止管理者の選任を義務付けています。

  1. 金属の精練又は無機化学工業品の製造の用に供する焙ばい燃炉、焼結炉若しくは煆か焼炉で、原料の処理能力が一施設一時間当たり一トン以上のものを有する工場
  2. 金属の精製又は鋳造の用に供する溶解炉で羽口面断面積が0.5平方メートル以上のもの又は液体燃料用バーナーの燃焼能力が一時間当たり五十リットル以上のものを有する工場
  3. 製鋼、合金鉄又は非鉄金属の製造の用に供する電気炉で変圧器の定格容量が千キロボルトアンペア以上のものを有する工場
  4. 動物質臓器を原料とする物品の製造を行う工場
  5. 動物質廃棄物の焼却作業を行う工場
  6. レディミクストコンクリート又はアスファルトコンクリートの製造を行う工場
  7. 金属の厚板又は形鋼の工作で原動機を使用するはつり作業、鋲びよう打ち作業又は孔あな埋め作業を伴うものを行う工場
  8. 金属の鍛造で重量が0.5トン以上の落下錘を使用するものを行う工場
  9. 無機化学工業品若しくは有機化学工業品の製造若しくは精製又はこれらの工業品を用いる製造、加工若しくは作業を行う工場でアンモニア、塩化水素、塩素、窒素酸化物、二酸化いおう、硫酸(三酸化いおうを含む。)、硫化水素、弗ふつ素化合物、臭素化合物、シアン化水素、塩化スルホン酸、クロム化合物、ホルムアルデヒド、アクロレイン、ホスゲン、ベンゼン、トルエン、アセトン、メタノール、トリクロロエチレン若しくはテトラクロロエチレンを発生させるもの
  10. 発電施設、都市ガス製造施設、都市ごみ焼却施設及びパルプ製造施設を有する工場

東京都公害防止管理者になるとどんな悩みが解決できる?

東京都公害防止管理者になると、下記の悩みや問題の解決に貢献できます。

東京都公害防止管理者が解決できること
  • 都内の工場や施設の事業活動による公害を未然に防ぐ
  • 有害物質による周辺の環境汚染を防ぐ
  • 公害による地域住民や従業員の健康被害を防ぐ

東京都公害防止管理者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

東京都公害防止管理者の資格を取得するには、下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 東京都一種・二種公害防止管理者講習(認定講習)修了合格者
  2. 法律の公害防止管理者または公害防止主任管理者の資格取得者(東京都一種公害防止管理者に登録)

東京都公害防止管理者試験の受講資格

東京都の公害防止管理者講習(認定講習)の受講資格は、一種と二種それぞれで以下の通りです。

一種講習の受講資格

下記の各号のいずれかに該当する方は受講資格を満たしています。

  1. 電気事業法第四十四条第一項に定める第一種電気主任技術者免状、第二種電気主 任技術者免状、第三種電気主任技術者免状、第一種ボイラー・タービン主任技術者免状又は第二種ボイラー・タービン主任技術者免状を有する者
  2. ガス事業法第二十六条第一項に定める甲種ガス主任技術者免状又は乙種ガス主任技術者免状を有する者
  3. 技術士法第三十四条第一項に定める技術士登録証を有する者
  4. 高圧ガス保安法第二十九条第一項に定める甲種化学責任者免状又は甲種機械責任 者免状を有する者
  5. 医師法第二条に定める免許を有する者
  6. 薬剤師法第二条に定める免許を有する者
  7. ボイラー及び圧力容器安全規則第九十七条第一号に定める特級ボイラー技士免許を有 する者
  8. 火薬類取締法第三十一条第一項に定める甲種火薬類製造保安責任者免状又は同条 第二項に定める甲種火薬類取扱保安責任者免状を有する者
  9. 毒物及び劇物取締法第八条第一項に定める毒物劇物取扱責任者となることができる者
  10. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二十一条第二項に定める技術管理者となる資格を有する者
  11. 消防法第十三条の二第一項に定める甲種危険物取扱者免状を有する者
  12. エネルギーの使用の合理化等に関する法律第九条第一項に定めるエネルギー管理士免状を有する者
  13. 東京都二種公害防止管理者の資格を有する者
  14. 工場等において公害防止若しくは環境管理の業務に従事し、若しくは従事することを予定する者

二種講習の受講資格

下記の各号のいずれかに該当する方は受講資格を満たしています。

  1. 前項資格要件の欄一(一)から(十二)までのいずれかに該当する者
  2. 消防法第十三条の二第一項に定める乙種危険物取扱者免状を有する者
  3. 高圧ガス保安法第二十九条第一項に定める乙種化学責任者免状又は乙種機械責任 者免状を有する者
  4. ボイラー及び圧力容器安全規則第九十七条第二号に定める一級ボイラー技士免許又は 同条第三号に定める二級ボイラー技士免許を有する者
  5. 火薬類取締法第三十一条第一項に定める乙種火薬類製造保安責任者免状若しくは丙 種火薬類製造保安責任者免状又は同条第二項に定める乙種火薬類取扱保安責任者状を有する者
  6. 工場等において公害防止若しくは環境管理の業務に従事し、若しくは従事することを予定する者

講習の受講時間数を満たし、かつ、修了テストに合格した場合、東京都公害防止管理者となることができます。修了テスト合格後に「東京都公害防止管理者登録証交付申請書」を提出すると、東京都から登録証が交付されます。この手続きを行わなければ、東京都公害防止管理者の資格が有効となりませんので注意してください。

取得にかかる費用

東京都公害防止管理者の講習の受講料は、一種と二種で下記の通りです。

一種公害防止管理者講習
8,200円(非課税)
二種公害防止管理者講習
5,700円(非課税)

また、修了テスト合格後の登録証交付手数料は1,400円です。

東京都公害防止管理者はどんな人におすすめの資格?

東京都にはさまざまな製造業など工場があり、公害防止は事業者が必ず取り組むべき課題であるため、東京都公害防止管理者はニーズが高い職種と言えます。

企業や施設によっては資格手当が付きますので、収入アップが見込めるでしょう。管理者としてのキャリアアップを目指す人にもおすすめの資格です。

東京都公害防止管理者の資格取得がおすすめな人
  • 環境保全に関心がある人
  • 従業員や地域住民の安全を守る意識が高い人
  • 管理者としてキャリアアップを目指す人
  • 資格を活かして収入アップを目指す人

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

東京都公害防止管理者の資格や講習を管理しているのは、東京都環境局環境改善部計画課です。講習のスケジュールや申込については下記のHPから確認してください。

▼ 東京都環境局環境改善部計画課

まとめ:公害を防止し、周辺地域の住民と事業活動を守る仕事

東京都公害防止管理者は、工場や施設の事業活動に伴う公害リスクを防ぐ役割を果たします。地域の住民の健康を守り、環境にやさしい事業活動を支えるため、これからの時代においてニーズが高い職種です。管理者としてのキャリアアップ・収入アップにもつながるでしょう。

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