日々ニュースの天気予報コーナーで、その日や次の日の天気・気温などを伝える「気象予報士」は、私たちにとって非常に身近な存在です。今回はこの気象予報士の資格を取るにはどんな知識が必要か、また取得後はどんなところで働くのか、仕事内容などを詳しく紹介していきます。
気象予報士とは、どんな資格?
気象予報士は、気象庁から提供された情報を分析し、天気を予測する職業です。日々、気象庁から送られてくる多くの気象観測データ、気象衛星、レーダー、地域ごとにある気象観測システムの観測データなどを観察し、計算をした上で天気を予報していきます。
気象予報士は国家試験に合格し、気象庁長官の登録を受けた者だけがなれる国家資格で、合格率はなんと4%ほどの狭き門です。ただ、晴れて合格し登録されれば、下記のような仕事に携われます。
学ぶ知識・技術
気象予報士の試験に合格するには、下記のような知識・技術を習得する必要があります。
学科試験(多肢選択式)
- 予報業務に関する基礎知識
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- 大気の構造
- 大気の熱力学
- 降水過程
- 大気の力学
- 気象現象
- 気候の変動
- 気象業務法その他の気象業務に関する法規など
- 予報業務に関する専門知識
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- 数値予報
- 短期予報・中期予報
- 長期予報
- 局地予報
- 短時間予報
- 気象災害など
実技試験(記述式)
- 気象概況およびその変動の把握
- 局地的な気象の予報
- 台風等緊急時における対応
気象予報士で目指せる職業、就職先は?
気象予報士の資格取得後に目指せる主な就職先は、以下のとおりです。
- マスメディア
- テレビやラジオに出演する、いわゆるお天気キャスターです。気象予報士やタレントが所属する事務所に入り、放送局に派遣される形で仕事をします。
- 公的機関(気象庁、自衛隊)
- 気象予報士の資格を活かして、気象庁で働くのも選択肢の一つです。また、中には自衛隊の「予報官」として入隊する人もいます。自衛隊の活動には気象情報の把握が欠かせないので、気象に関する専門知識を存分に発揮できます。
- 民間の気象会社
- 民間の気象会社には、多数の気象予報士が所属しています。特にビールなどのアルコール類・清涼飲料水のメーカーは売り上げが大きく気象に左右されるため、夏がどのくらい暑くなるのか、冷夏になるのかの情報をこれらのメーカーに提供することで、商品開発のリスクマネジメントに貢献します。
- 一般企業(農産物関連)
- 農産物の出来は天候にかなり左右されるので、穀物や飼料作物などを取り扱う商社に就職し、気象予報を提供するのも活躍の形の一つです。
- 航空業界
- 航空業界では気象予測が非常に重要なため、気象予報士の資格を取得し働いている人がたくさんいます。航空機の離着陸を管理する「航空管制官」、運行管理者である「ディスパッチャー」なども資格保有者が多数です。
気象予報士になるとどんな悩みが解決できる?
気象予報士の知識や技術があると、下記のような悩みを解決できます。
- 気象予報士が解決できること
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- 正確な気象予報をすることで、人々の暮らしを安定させる(洗濯物を干すか、通勤方法をどうするかなど)
- 気象学の観点から、地球上の環境問題にいち早く軽傷を鳴らす
- 台風やゲリラ豪雨、猛暑などの気象災害を予報することで、人々の命を守る
- その年の気候を予測することで、商品メーカーなどの大きな損失を防ぐ(清涼飲料が売れないなど)
気象予報士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
気象予報士の試験には、受験資格がありません。年齢・性別・学歴・職歴などの制限はなく、どなたでも受験できます。実際、気象予報士に転職した人の中には、サラリーマンやOLから転職した人、公務員や主婦から転職した人などさまざまです。
取得にかかる費用
気象予報士の国家試験の受験にかかる費用は、11,400円です(全科目受験の場合)。
気象予報士はどんな人におすすめの資格?
「気象予報士=お天気キャスター」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実際の仕事のほとんどは、膨大な気象データの解析です。また、気象情報は生命に関わるため、責任感を持って正確なデータを割り出さなければいけません。
こういった点から、下記のような人が気象予報士に向いているといえるでしょう。
- 情報の分析が得意な人
- 気象に関する興味や関心が旺盛で、学び続けるのが好きな人
- 責任感の強い人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
気象予報士試験を実施しているのは、「一般財団法人 気象業務支援センター」です。例年1月と8月の年2回、試験が開催されますが、その年の試験日程や受験に必要な申請手続き、試験会場などについては、下記の公式HPからご覧ください。
まとめ:気象予報士は、私たちの生活を守る天気のスペシャリスト!
気象予報士の国家試験合格率はわずか4%と狭き門ですが、資格を取得すれば活躍の場はかなり広く、専門知識を活かして長く働き続けることができます。気象学が好きな人は、ぜひ取得に向けてチャレンジを!
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