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自動車整備士の資格を取るとどんなメリットがある?

自動車の点検整備を行う自動車整備士 やりがい・夢を与える

「車のお医者さん」と呼ばれる専門技能職が、自動車整備士です。車の事故を防ぐために必要不可欠な存在ですが、一言で整備士といっても、実は複数の種類に分けられます。資格の特徴や取得の方法も含め、詳しく紹介していきます。

自動車整備士とは、どんな資格?

自動車整備士は、自動車を整備する人の整備技術の向上を目指す目的で設立された国家資格です。

道路運送車両法では、「安全性の確保及び公害の防止その他環境の保全並びに整備についての技術向上を図り、あわせて自動車の整備事業の健全は発達に資することにより、公共の福祉を増進することを目的とする」とあり、この法律に基づき、国家資格としての自動車整備士技能検定(国家試験)が実施されています。自動車の整備に携わる仕事に就きたいのであれば、検定合格と自動車整備士の資格取得が求められます。

自動車整備士の資格は、技能レベルに応じて次の4種類に分類されます。

1級自動車整備士

自動車整備士の資格の中で最上位の資格です。ガソリン車やジーゼル車のほか、ハイブリットや電気自動車、水素自動車などの特殊な自動車の整備業務を行うことができます。現状、1級自動車整備士の資格は「1級小型自動車整備士」となっていますが、厳密にいうと下記の2種類に分かれています。

1級小型自動車整備士
総重量8t以下、最大積載量2t未満、乗車定員11名以下の普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車の整備に関する高度な知識・技術を持ち、整備を行える上級資格です。
1級大型自動車整備士
バスやトレーラーなどの総重量8t以上、最大積載量2t超え、乗車定員11名以上の大型自動車、大型特殊自動車、普通自動車の整備に関する高度な知識・技術を持ち、整備を行える資格です(現在、1級大型自動車整備士の国家試験は行われていません)。

2級自動車整備士

自動車の一般的な整備が行える国家資格です。次の4種類があり、それぞれで行える整備業務の内容
が異なります。

2級自動車シャシ整備士
普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車のシャシ部分(自動車のボディやエンジンを除いた箇所)の一般的な整備を行える資格です。足回りの分解整備など、3級では行えない整備も担当できます。
2級ガソリン自動車整備士
ガソリンエンジンで動く普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車の一般的な整備を行える資格です。3級では行えない、足回りやエンジンの分解整備なども担当できます。
2級ジーゼル自動車整備士
ジーゼル(ディーゼル)エンジンで動く普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車の一般的な整備を行える資格です。3級では行えない、足回りやエンジンの分解整備なども担当できます。
2級二輪自動車整備士
二輪自動車(オートバイ)や原動機付自転車の一般的な整備を行える資格です。

3級自動車整備士

大学や専門学校などに通わず、無資格の状態で整備士資格取得を目指す場合、最初に取得できるのが3級自動車整備士の資格です。種類は以下の4種類に分けられます。

3級自動車シャシ整備士
普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車のシャシ部分(自動車のボディやエンジンを除いた箇所)の基本的な整備を行える資格です。
3級自動車ガソリン・エンジン整備士
ガソリンエンジンで動く普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車のエンジン部分の基本的な整備を行える資格です。
3級自動車ジーゼル・エンジン整備士
ジーゼル(ディーゼル)エンジンで動く普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車のエンジン部分の基本的な整備を行える資格です。
3級二輪自動車整備士
二輪自動車(オートバイ)や原動機付自転車の基本的な整備を行える資格です。

特殊整備士

専門分野に関する知識・技能に特化した整備士資格で、次の3種類に分けられます。

自動車電気装置整備士
自動車の電気装置部分(バッテリー、電子制御装置、冷暖房装置などの電気回路が関係する装置)の点検・修理・整備などを行う、電気システムのスペシャリスト資格です。
自動車車体整備士
自動車のフレームまたはボディ部分の点検・修理・整備などを行う、自動車の車体に関するスペシャリスト資格です。自動車の鈑金塗装をする際に役に立ちます。
自動車タイヤ整備士
タイヤの点検・修理・整備などを行うスペシャリスト資格です(現在、この国家試験は行われていません)。

学ぶ知識・技術

自動車整備士になるには、国家試験合格に向けて下記の知識・技術を習得しておく必要があります。

1級自動車整備士

学科試験
  • 構造、機能及び取扱い法
  • 点検、修理、調整及び完成検査の方法
  • 整備用機械に関する初等知識
  • 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法
  • 材料及び燃料油脂の性質及び用法
  • 図面に関する一般知識
  • 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
実技試験
  • 基本工作
  • 点検、分解、組立て、調整及び完成検査
  • 修理
  • 整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い

2級自動車整備士

学科試験
  • 構造、機能及び取扱い法に関する一般知識
  • 点検、修理、調整及び完成検査の方法
  • 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法に関する一般知識
  • 材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する一般知識
  • 図面に関する初等知識
  • 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
実技試験
  • 基本工作
  • 点検、分解、組立て、調整及び完成検査
  • 一般的な修理
  • 整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い

3級自動車整備士

学科試験
  • 構造、機能及び取扱い法に関する初等知識
  • 点検、修理、調整及び調整に関する初等知識
  • 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法に関する初等知識
  • 材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識
  • 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
実技試験
  • 簡単な基本工作
  • 分解、組立て、簡単な点検及び調整
  • 簡単な修理
  • 簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い

特殊整備士

学科試験
  • 構造、機能及び取扱い法
  • 点検、修理、調整及び完成検査の方法
  • 整備用機械に関する初等知識
  • 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法
  • 材料の性質及び用法
  • 図面に関する一般知識
  • 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
実技試験
  • 基本工作
  • 点検、分解、組立て、調整及び完成検査
  • 修理
  • 整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い

自動車整備士で目指せる職業、就職先は?

自動車整備士の資格取得後は、下記のような現場での就職が見込めます。

カーディーラー
トヨタや日産、ホンダなどの自動車メーカーが各地に展開する販売店です。最先端の技術に触れられるのが特徴で、給与や昇給の面でも比較的安定しています。
自動車整備工場
車の点検・整備、修理などを行う整備工場です。地方運輸局長などから分解整備を行える認証を受けた「認証工場」、自動車の車検を行うことができる民間の「指定工場」があります。
カーショップ
主に中古車を販売し、整備も請け負います。
その他
トラックメーカーやトラック販売店、レンタカーショップ、カーシェアリング会社、バス会社、運送会社など

自動車整備士になるとどんな悩みが解決できる?

自動車整備士になると、下記の悩み・問題の解決に貢献できるようになります。

自動車整備士が解決できること
  • 自動車の状態をチェックし、最良の状態にしておくことで事故を未然に防ぐ
  • 動けなくなってしまった自動車を整備し、安全に動くようにしたり、故障した箇所を修理したりする

自動車整備士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

自動車整備士の資格を取得するには、国家試験を受験し合格する必要があります。受験資格について、資格の種類ごとに以下で紹介していきます。

自動車整備士試験の受験資格

1級自動車整備士試験
  • 自動車整備系(1級整備士課程)以外の学校を卒業し、2級(シャシ以外)取得後、実務経験が3年以上ある人
  • 自動車整備系の専門学校、認定大学等を卒業した人
2級自動車整備士試験
  • 自動車整備系や機械工学科以外の学校を卒業し、3級取得後、実務経験が3年以上ある人
  • 機械工学科等の高校や整備士3級課程の高校・専門学校等を卒業し、3級取得後、実務経験が2年以上ある人
  • 大学、専門学校で機械工学科等を卒業し、3級取得後、実務経験が1年6ヶ月以上ある人
  • 自動車整備系の専門学校、認定大学等を卒業した人
3級自動車整備士試験
  • 自動車整備系や機械工学科以外の学校を卒業し、実務経験が1年以上ある人
  • 大学、専門、高校、または職業訓練で機械工学科等を卒業し、実務経験が6ヶ月以上ある人
  • 自動車整備系の高校、専門学校を卒業した人
特殊整備士試験
  • 自動車整備系や機械工学科以外の学校を卒業し、実務経験が2年以上ある人
  • 自動車整備系の専門学校、認定大学等を卒業し(2級整備士課程)、実務経験が1年以上ある人
  • 自動車整備系の専門学校、認定大学等を卒業した人(特殊整備士課程)

取得にかかる費用

自動車整備士試験の受験にかかる費用は、7,200円です。

自動車整備士はどんな人におすすめの資格?

自動車整備士は、次のような人におすすめの資格です。

自動車整備士の資格取得がおすすめな人
  • 車が好きな人
  • 難解な故障や整備作業に対応する集中力がある人

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

自動車整備士の資格を管理しているのは国土交通省の自動車局整備課で、試験を実施しているのは各都道府県の自動車整備振興会です。資格の取得に興味のある方は、お住まいの自治体の自動車整備振興会のHPからご確認ください。

まとめ:自動車整備士は就職先が多く、将来性の安定した専門職!

自動車整備士は就職先が幅広く、様々な現場で必要とされるニーズの高い専門職です。車好きを活かして国家資格を取得したいという方は、まずは3級の取得から目指してみてはいかがでしょうか。

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