パティシエなどお菓子作りに携わる人にとって、身近な国家資格の一つが「菓子製造技能士」です。この菓子製造技能士とはどんな資格か、資格の取得方法や必要な知識・技術、取得によるメリットなどをお伝えしていきます。
菓子製造技能士とは、どんな資格?
菓子製造技能士は、和洋それぞれのお菓子の製作技術・知識を証明する国家資格です。この資格を取得するには「菓子製造技能検定」に合格する必要があり、検定は「洋菓子製造作業」と「和菓子製造作業」の2種類、さらに1級・2級に分けられています。
なお、受検するには一定の実務経験が必要なので、パティシエなどの職種の人が取得するのが一般的です。
学ぶ知識・技術
菓子製造技能士検定に合格するには、下記の知識・技術を習得しておく必要があります。
- 必要な知識(学科試験の科目)
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- 食品一般
- 菓子一般
- 関係法規
- 安全衛生
- 洋菓子製造法または和菓子製造法:製菓機械の使い方、性能など
- 必要な技術(実技試験の科目)
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- 材料の選定
- 生地の調整
- 成形加工:モンブランやトリュフ、まんじゅうや練り切り製品の製造など
- 熱加工
- 仕上げ:デコレーションケーキの仕上げなど
- 製品検査(1級のみ)
- デザイン(1級のみ)
- 積算及び見積もり(1級のみ)
菓子製造技能士で目指せる職業、就職先は?
菓子製造技能士の資格を取得すると、下記のような現場での就職・転職が見込めます。
- 製菓店
- 洋菓子店、和菓子店など
- ホテル
- 洋菓子やベーカリー部門など
- レストラン
- お菓子教室や製菓学校の講師や助手
- 製菓メーカー
- 商品開発部門など
菓子製造技能士になるとどんな悩みが解決できる?
菓子製造技能士になると、下記のような悩み・問題を解決できます。
- 菓子製造技能士が解決できること
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- お菓子作りのプロフェッショナルとして、知識やスキルを向上させる
- お菓子作りに関する高い技術を証明する
菓子製造技能士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受検資格)
菓子製造技能士の資格を取得するには、菓子製造技能検定を受検し、合格する必要があります。検定を受けられるのは、下記の条件を満たす人です。
菓子製造技能検定の受検資格
- 菓子製造技能検定(2級)
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- 2年以上の実務経験者
- 専門高校、短大、高専、高校専攻科にて、受検する職種に相当する学科を専攻した者
- 厚生労働大臣指定の専修学校、各種学校卒業者で800時間以上の修了者
- 菓子製造技能検定(1級)
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- 7年以上の実務経験者
- 職業訓練終了者で、2年以上の実務経験がある者
取得にかかる費用
菓子製造技能検定の受検料は、各都道府県の指定協会によって異なりますが、標準金額は実技試験17,900円、学科試験3,100円です。
菓子製造技能士はどんな人におすすめの資格?
菓子製造技能士は、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- 菓子製造技能士の資格取得がおすすめな人
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- パティシエとして働いており、高い製菓技術と知識があることを証明したい人
- 資格保有者として、就職や昇給・昇進などを有利に進めたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
菓子製造技能士の資格を管理しているのは各都道府県知事で、菓子製造技能検定は各都道府県の都道府県職業能力開発協会で実施しています。受験方法や試験日程、試験会場については、下記のHPからご確認ください。
まとめ:高い製菓技術をアピールしたいなら、菓子製造技能士の資格取得を!
菓子製造技能士の資格は、お菓子作りのプロフェッショナルであることの証明になります。検定の合格率は約40〜50%と比較的難易度が高いですが、合格すれば高い製菓技術を有しているアピールになり、就職や昇給に有利になるので、将来的には1級の取得を目指していきましょう。
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