住宅の売買を安全・安心に進めるには、建物の状態や品質の診断が重要。欧米では一般的とされるホームインスペクション(住宅診断)ですが、日本でも公認インスペクターの有資格者が信頼できる住宅診断を行うことができます。
住宅のお医者さんとも呼ばれるホームインスペクターの資格について、試験内容や受験資格、受験費用を解説していきます。
公認ホームインスペクターとは、どんな資格?
公認ホームインスペクターとは、住宅の状態を第三者的な立場から、目視の範囲で客観的に診断できる住宅診断士のことを指します。特定非営利活動法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)が掲げる「人と住まいのより幸せな関係を追求し、その思想を世の中に広めること」を目的に、同協会により資格試験が開始されました。
欧米諸国では、ホームインスペクション(住宅診断)は身近な職業とされています。
- ホームインスペクション(住宅診断)とは
- 住宅に関する専門的知識を持ったホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場また専門家の見地から、公正かつ中立的な観点から住宅の状態の診断を行うこと
住宅の状態を客観的に診断するホームインスペクターの存在によって、安全・安心な住生活のサポートが期待できます。ホームインスペクターは、下記の仕事などを行います。
- 住宅の状態や不具合の検査
- 必要なメンテナンスやリフォームの診断
- 住宅の診断に関する報告書の作成 など
学ぶ知識・技術
公認ホームインスペクターになるには、試験に合格する必要があります。試験はCBT方式50問の4肢択一試験で構成され、出題傾向は下記の通りです。
- 建築分野(15問前後)
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- 住宅を主とした建築関連の法規に関する知識(建築基準法、建築士法、住宅の品質確保の促進法・住宅瑕疵担保履行法他関連法規に関す
る知識) - 住宅を主とした建築技術に関する基礎知識(二級建築士試験・木造建築士試験程度)
- 住宅を主とした建築関連の法規に関する知識(建築基準法、建築士法、住宅の品質確保の促進法・住宅瑕疵担保履行法他関連法規に関す
- 診断分野(25問前後)
- 住宅を主としたホームインスペクション実務(劣化の判断・調査、診断方法・報告書の
作成)に関する知識 - 不動産分野(5問前後)
- 住宅を主とした不動産売買(取引の形態や契約に関すること)に関する知識
- 倫理分野(5問前後)
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- ホームインスペクションを行うにあたり必要な倫理観
- ホームインスペクションを行うにあたり必要と思われるビジネススキル(コンプライア
ンス、モラル、マナー)
合格基準は総合得点が合格点以上、かつ分野別得点が基準点以上です。
公認ホームインスペクターで目指せる職業、就職先は?
公認ホームインスペクターの受験生の内訳は、下記の職業などです。
- 不動産
- 建築
- リフォーム
- 調査・検査
- 設計
- 管理会社
- 商社
- メーカー
- 金融
これらの職業でホームインスペクターの知識が必要とされるでしょう。
公認ホームインスペクターを取得するとどんな悩みが解決できる?
公認ホームインスペクターになると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 公認ホームインスペクターが解決できること
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- 信頼できる診断がされた中古住宅の流通量を増やす
- 中古住宅の状態を的確に把握し、取引の安心・安全を支える
公認ホームインスペクターの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
公認ホームインスペクターの受験資格には、年齢、学歴、取得資格の制限はありません。
JSHI公認ホームインスペクター(住宅診断士)として名乗るには、手続きが必要です。試験の合格者はJSHIの活動目的に賛同し、「認定会員」となるための入会登録が必要です。
取得にかかる費用
公認ホームインスペクターの受験費用は、15,000円(税込)です。
公認ホームインスペクターはどんな人におすすめの資格?
公認ホームインスペクターの資格は、不動産や建築、メーカー、商社など幅広い職種で活かすことができます。仕事のスキルアップのために受験するのもおすすめです。
また、ホームインスペクターとして独立を目指す人が資格取得をすることで、実用的な知識を取得していることを証明できます。
- 公認ホームインスペクターの資格取得がおすすめな人
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- 住宅を扱う仕事に活かしたい人
- 住宅を扱う仕事でスキルアップを目指す人
- ホームインスペクターとして開業や独立を目指す人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
公認ホームインスペクターの資格は、特定非営利活動法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)が管理しています。
試験の詳細や申込については、下記HPから確認してください。
▼ 特定非営利活動法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)
まとめ:不動産や建築などさまざまな職種や独立開業にも活かせる資格!
ホームインスペクションは欧米では身近な職種で、日本でもその重要性が徐々に浸透してきています。ホームインスペクターの資格試験で得た知識は、住宅を取り扱う不動産や建築のほか、商社やメーカーなどさまざまな仕事で活かせます。将来的に独立や開業を目指している人も資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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