業界それぞれで仕事の進め方に特徴はあるものですよね。この記事では建設業界に特化した経理スキルに関する「建設業経理検定」を紹介。建設業経理検定の1級・2級・3級・4級の目安、試験項目、受験資格や受験料、簿記とのダブルライセンスがおすすめな理由などを解説します。
建設業経理検定とは、どんな資格?
建設業経理検定試験とは、建設業経理に関する知識と処理能力の向上を図ることを目的として創設された資格試験です。経理に関する資格といえば簿記ですが、建設業経理検定試験では建設業界で求められる経理知識を磨くことができます。
建設業経理検定試験は1級、2級、3級、4級のレベル分けがされています。
- 1級
- 上級の建設業簿記、建設業原価計算及び会計学を修得し、会社法その他会計に関する法規を理解しており、建設業の財務諸表の作成及びそれに基づく経営分析が行える
- 2級
- 実践的な建設業簿記、基礎的な建設業原価計算を修得し、決算等に関する実務を行える
- 3級
- 基礎的な建設業簿記の原理及び記帳並びに初歩的な原価計算を理解しており、決算等に関する初歩的な実務を行える
- 4級
- 初歩的な建設業簿記を理解している
1級と2級は、建設業法施行規則第18条の3に基づく「登録経理試験」として実施されています。3級と4級は一般財団法人 建設業振興基金独自の試験として実施されています。
1級及び2級建設業経理士検定試験の合格者は、合格した日から5年を経過する日が属する年度の年度末までは、経営事項審査における「公認会計士等の数」において評価されるのも特徴です。この期間を経過した後は、「登録経理講習」を修了することで評価対象となります。
学ぶ知識・技術
建設業経理検定を取得するためには、試験に合格する必要があります。1級の試験は3科目で構成されており、3科目全てに合格することで1級を取得できます。各級の試験項目は下記のように定められています。
- 1級
- 建設業原価計算、財務諸表、及び財務分析
- 2級
- 建設業の簿記、原価計算及び会社会計
- 3級
- 建設業の簿記、原価計算
- 4級
- 簿記のしくみ
1級の試験では科目合格の制度が設けられています。有効期限は合格通知書の交付日から5年間です。有効期間内に3科目全てに合格できなかった場合は、科目合格が消滅します。
建設業経理検定で目指せる職業、就職先は?
建設業経理検定を取得すると、建設業界の経理としての就職・転職に有利に働くでしょう。
建設業経理検定を取得するとどんな悩みが解決できる?
建設業経理検定を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 建設業経理検定が解決できること
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- 建設業界の会計処理に対応するための基礎知識が身に付く
- 建設業界の経理として働くためのスキルアップになる
建設業経理検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
建設業経理検定の受験資格に制限はありません。どの級からでも受験できます。ただし、1級と他の級を同日受験することはできません。同日での1級の複数科目受験はできます。
取得にかかる費用
建設業経理検定の受験料は、各級で次のように定められています。
- 1級(1科目):8,120円
- 1級(2科目同時):11,420円
- 1級(3科目同時):14,720円
- 2級:7,120円
- 3級:5,820円
- 4級:4,720円
- 2級・3級(同日受験):12,620円
- 3級・4級(同日受験):10,220円
建設業経理検定試験の日程
建設業経理検定試験は、上期(1級、2級)と下期(1級~4級)があります。
建設業経理検定はどんな人におすすめの資格?
建設業経理検定は建設業界への就職・転職で自己アピールにつながる資格です。そのため、建設業界以外の職種ではそれほどプラスの要素になるとはいえません。
汎用性の高い経理系資格として簿記取得を目指しつつ、建設業界に特化した知識を磨きたい人は建設業経理検定にチャレンジするのもおすすめです。
- 建設業経理検定の資格取得がおすすめな人
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- 建設業界の経理として働きたい人
- 簿記とのダブルライセンスを目指す人
- 経理としてスキルアップしたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
建設業経理検定を主催しているのは、一般財団法人 建設業振興基金です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:簿記とのダブルライセンスで建設業界の経理のスキルアップも!
建設業経理検定は建設業界に特化した知識を磨くことができる民間資格。経理としての幅広い知識を身に付けたい人は簿記とのダブルライセンスを目指すことで、知識のバランスを取ることもできますよ。
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