日本人ゴルファーの世界ツアー活躍のニュースもあり、ゴルファーへの関心が高まっています。ツアーに参加するプロのゴルファーになるためには、プロテストに合格しなければいけません。
この記事では、ゴルフのトーナメントプレーヤー(ツアープロ)とティーチングプロの違いやプロテストの概要を紹介します。
ゴルフのトーナメントプレーヤー(ツアープロ)とは、どんな資格?
プロゴルファーになるためのステップは、男女で異なります。まず、男子のプロゴルファーについて紹介します。
男子のプロゴルファー
公益社団法人 日本プロゴルフ協会(PGA)は、プロのゴルファーの資格認定を行う、日本唯一のプロゴルファー認定団体です。
PGAが認定しているプロゴルファー資格には、「トーナメントプレーヤー・ツアープロ(TP)」と「ティーチングプロ(TCP)」の2種類があります。
- トーナメントプレーヤー・ツアープロ(TP)
- ゴルフ技能に特に優れ、トーナメントに出場するための技能及び知識を有したゴルファー。トーナメントに参加し、賞金を稼ぐ
- ティーチングプロ(TCP)
- ゴルフの指導技能に特に優れ、広範にわたるゴルフ知識及び、PGA指導要領を取得したゴルファー。ゴルフ教室などに勤め、ゴルフの普及と発展を目的として活動する
女子のプロゴルファー
女子の場合も、「トーナメントプレーヤー・ツアープロ(TP)」と「ティーチングプロ(TCP)」の2種類があります。女子のTP・TCPの認定は、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が実施しています。
学ぶ知識・技術
トーナメントプレーヤー・ツアープロとしてトーナメントに参加するには、基本的にプロテストに合格する必要があります。
男子のプロテスト(TP)
トーナメントを目指すTPとなるためには、「PGA資格認定プロテスト」という実技テストを受験します。
PGA資格認定プロテストは4段階で構成されています。
- 男子のプロテストの流れ
-
- プレ予選
- 1次プロテスト
- 2次プロテスト
- 最終プロテスト
- 合格基準
-
- プレ予選、1次プロテスト、2次プロテストをそれぞれ成績上位で通過する
- 最終プロテストの競技成績で、上位50位タイまでに入っている
プロテストの合格者は、セミナーを経てTPの資格が付与されます。
- 新人TCPセミナー
- 入会セミナー
- PGA入会
- トーナメントプレーヤー資格取得
女性のプロゴルファー試験(TP)
女子のTPのプロテストには、プレ予選はありません。1次プロテスト、2次プロテスト、最終プロテストを受験し、最終プロテストで上位20位タイまでの人が合格となり、プロゴルファーになります。
- 女子のプロテストの流れ
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- 1次プロテスト
- 2次プロテスト
- 最終プロテスト
- 合格基準
-
- 最終プロテストの競技終了時点の成績で、上位20位タイまでに入っている
プロテストを受験せずにトーナメントプレーヤー(ツアープロ)になる方法
アマチュアゴルファーからプロになるには、プロテストを受験しない方法もあります。
対象となるのは、アマチュアゴルファーとしてトーナメントに参加し、プロと同程度の実力を持つとみなされるような成績を残した人です。対象者はプロ宣言をすることでトーナメントプレーヤー(ツアープロ)として認定されます。
ただしこの方法でプロとして認定されるケースは非常に稀です。プロのゴルファーの多くはプロテストを受験し、プロとして認定されています。
トーナメントプレーヤー(ツアープロ)で目指せる職業、就職先は?
プロテストに合格すると、トーナメントプレーヤー(ツアープロ)として国内外のトーナメントに参加できます。
ただし、合格した時点ではトーナメントへの出場権利を得ることはできません。男子の場合はPGA以外が主催するトーナメントに参加するためには、「クォリファイングトーナメント(QT)」に出場する必要があります。
- クォリファイングトーナメント(QT)とは
- クォリファイングトーナメントは、日本ゴルフツアー機構が実施する予選会。トーナメントへの出場権を争う試合で、成績上位者が次年度のトーナメント出場権を獲得する
トーナメントプレーヤー(ツアープロ)になるとどんな悩みが解決できる?
トーナメントプレーヤー(ツアープロ)になると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- トーナメントプレーヤー(ツアープロ)が解決できること
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- プロとしてトーナメントに参加し、賞金獲得を目指すことができる
- ゴルファーを職業とすることができる
トーナメントプレーヤー(ツアープロ)の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
ゴルフのプロテストの受験資格は、男女それぞれで次のように定められています。
- 男子の受験資格
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- 必須条件:申込年度に満16歳以上の男性
- 女子の受験資格
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- 必須条件:最終プロテストが開催される年度の4月1日時点で、満17歳以上の女性
- 推奨条件:JGA/USGA HDCP インデックス5.0以下の人
取得にかかる費用
ゴルフのプロテストの受験費用や諸費用は、まとまったお金が必要になります。
男子のプロテスト受験に必要な費用
プレテスト、1次テスト、2次テスト、最終プロテストそれぞれに受験費用がかかります。受験費用だけでも総額で200,000~300,000万円はかかります。また試験合格後、公益社団法人 日本プロゴルフ協会に入会するには、入会登録料として460,000円、保険料その他約45,000円、年会費が45,000円かかります(2021年度の受験料)。総額で100万円ほどは受験から合格までに支払うことになります。
女子のプロテスト受験に必要な費用
LPGAプロテストでは、受験料は200,000円ほどかかります。試験合格後は、一般社団法人 日本女子プロゴルフ協会への入会登録料として600,000円、年会費72,000円を支払います。合計するとやはり100万円ほどはかかる見込みです。
なお、受験料は年度によって金額が異なることがあります。
上記のほか、大会参加のための移動費や宿泊費、練習のためのラウンド費用、ゴルフで使用する道具の購入費用などもかかります。
トーナメントプレーヤー(ツアープロ)のプロテスト日程
プロテストのスケジュールの例を紹介します。時期に従い、宿泊場所や異動のためのチケットの確保が必要となりますので、受験年度は主催する協会の要項を確認し、計画的に受験を検討しましょう。
- 男子のプロテストスケジュール例
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- プレ予選:5月中旬
- 第1次プロテスト:6月中旬
- 第2次プロテスト:7月中旬
- 最終プロテスト:9月上旬
- 女子のプロテストスケジュール例
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- 第1次プロテスト:8月下旬から9月中旬
- 第2次プロテスト:10月中旬
- 最終プロテスト:11月上旬
トーナメントプレーヤー(ツアープロ)はどんな人におすすめの資格?
プロテストの合格率は男女ともに数%です。子どもの頃からトレーニングを積んできた経験者が腕を競いますので、念入りな準備や練習は必要でしょう。練習や受験はひとりの力でできるものではありません。日々の練習やプロテストにはまとまった費用が必要になります。自分自身の努力のほか、コーチや家族など周囲の人の協力も不可欠といえるでしょう。
プロテストはもちろん、プロのゴルファーとしてトーナメントデビューしてからも、技術を磨かなくてはいけません。ゴルフはメンタルの強さや高い集中力も求められます。海外のトーナメント出場も目指す場合、英語力など国際コミュニケーションのスキルを身に付けておくのがおすすめです。
トーナメントに出場するようになると、収入は実力によって決まります。海外のメジャーツアーで結果を残すプロは億単位の賞金を獲得することがあります。実力や人気が高くなると、スポンサーがついたりCM出演のオファーがあるなど、収入源が増えるでしょう。
- トーナメントプレーヤー(ツアープロ)の資格取得がおすすめな人
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- プロのゴルファーとしてトーナメントに参加したい人
- 競技における集中力が高い人
- トレーニングや練習を積み重ねる継続力がある人
- 受験費用や練習費用を用意できる人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ゴルフのトーナメントプレーヤー(ツアープロ)のプロテストを実施しているのは、男子が公益社団法人 日本プロゴルフ協会、女子が一般社団法人 日本女子プロゴルフ協会です。
試験の詳細や申込については、下記HPから確認してください。
まとめ:ゴルフのツアープロになるには、地道なトレーニングとまとまった費用が必要!
ゴルフのトーナメントプレーヤー(ツアープロ)は、実力次第で高額の賞金を獲得することができます。ただしプロへの道は簡単ではありません。トレーニングを積み重ね、ライバルと競う必要があります。プロテストの受験費用は100万円ほどで、その他練習費用などがかかります。プロのゴルファーを職業としたい人は、計画的に準備するのがおすすめですよ。
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