競馬・競輪・ボートレースと並び「公営競技」のひとつであるのがオートレースです。賞金獲得を目指して競い合うオートレース選手(オートレーサー)は、実力次第で1,000万以上の賞金を獲得できます。
トップ選手は年収1億円とも言われるオートレース選手になるには、どんな知識やスキルが必要なのでしょう。オートレース選手になるための試験や養成所で学ぶこと、受験費用などを紹介します。
オートレース選手(オートレーサー)とは、どんな資格?
オートレース・競馬・競輪・ボートレースの4種類の競技スポーツは「公営競技」で、国が認め、法律に基づいて実施される賭博です。公営競技の利益は、選手に支払われる賞金として使用されるほか、統括組織の運営費や地方自治体に配分されるなど、さまざまに活用されています。
オートレース選手は、8台のバイクが一周500mのレースコースを周回して競い合うオートレースのプロ選手のことを指します。
オートレース選手になるには、試験に合格してオートレース選手養成所に入り、選手資格検定に合格する必要があります。
学ぶ知識・技術
オートレース選手になるには、試験に合格し、オートレース選手養成所に入所する必要があります。入所試験の募集定員は男女合わせて10~20名程度ですので、合格は簡単ではありません。
試験は第1次試験と第2次試験があります。
- 第1次試験
- 適性検査(性格・心理・運動機能)
- 第2次試験
- 第1次試験の合格者及び特例受験者を対象とした試験
- 適性検査(性格・心理・運動機能)※第1次試験合格者は性格・心理の試験は実施なし
- 面接
- 身体精密検査
- 体力検査
- 技能検査
- 人格・素行検査
試験の合格者は、オートレース選手養成所に入所します。
- オートレース選手養成所
- 茨城県下妻市の筑波サーキットの敷地内にある、日本で唯一のオートレーサー養成機関全寮制で、養成期間は9ヵ月間。バイク走行に関する知識や技術、マシンの整備などを学びます。
- 養成内容
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- 養成期間前半:基礎体力づくり、エンジン、競走車等の分解組立、基本操縦技術の訓練
- 養成期間後半:基本操縦技術を発展させた応用操縦技術、模擬レースの訓練
- 学科
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- オートレースの概要
- 小型自動車競走法並びに関係諸法規
- 競走用2輪車工学
- 競走ルール及びレースに関する事項
- 自動車工学
- その他選手として必要な事項
- 教養
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- 一般社会常識及び選手心得
- 精神修養
- メンタルトレーニング
- 実科
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- 競走車の操縦実技(基本操縦、応用操縦、模擬レース)
- 競走車の整備実技(競走車の特性及び構造、整備並びに修理の要領)
- その他
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- オートレースの見学
- 体育実技
- フィジカルトレーニング
- ヨガ、体幹トレーニング
- 選手資格検定
- 所定の教育課程の修了認定を受けた人は選手資格検定を受験。合格者は選手として登録されます。
オートレース選手(オートレーサー)で目指せる職業、就職先は?
オートレース選手養成所の選手資格検定に合格すると、日本に5か所(川口・伊勢崎・浜松・山陽・飯塚)あるレース場のいずれかに配属され、オートレーサーとしてデビューします。
オートレース選手は成績順で、S級(第1位~第48位)、A級(第49位~第280位)、B級(第281位~最下位)の3つのランクに属します。新人選手はB級でデビューし、その後はレースの成績でランクが決定していきます。
オートレース選手(オートレーサー)になるとどんな悩みが解決できる?
オートレース選手になると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- オートレース選手(オートレーサー)が貢献できること
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- レースを盛り上げて集客し、集まった利益が地方の活性化や過疎化対策に活用される
- オートレースを通してスポーツ振興につながる
オートレース選手(オートレーサー)の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
オートレース選手の試験の受験資格は、下記の条件を満たす人が対象です。
- 試験を受験する年の所定の日において、満16歳以上の人
- 中学校卒業以上の学力を有する人
- 運転免許証を有する人(原付免許も可)
- 体重60㎏以下の人
- 両眼とも裸眼視力0.6以上または矯正視力1.0以上で、色覚が正常である人
- 公営競技関係法規の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられた者でない人
- 禁固以上の刑に処せられた者でない人
- 小型自動車競走選手であって、登録を消除された者でない人
オートレース選手(オートレーサー)の特例および試験の一部免除
所定の期間に、以下①~④の競技実績を有する人、または応募受付開始日より過去2年間に以下⑤の競技実績を有する人は、特例試験の対象となります。
- 国際モーターサイクリズム連盟(FIM)公認のロードレース世界選手権、モトクロス世界選手権、トライアル世界選手権、またはエンデューロ世界選手権出場者
- (一財)日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)主催又は公認の全日本ロードレース選手権シリーズもしくは全日本モトクロス選手権シリーズ(IAクラス)における年間ランキングが、いずれかのクラスで10位以内の人
- (一財)日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)主催のMFJカップJP250クラスもしくは全日本モトクロス選手権シリーズ(レディースクラス)における年間ランキングが、いずれかのクラスで5位以内の女性の人
- (一財)日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)主催又は公認のトライアル(IAスーパークラス)、スノーモビル(SX-Proクラス)、スーパーモト(S1PROクラス)、エンデューロ(IAクラス)競技の全日本選手権における年間ランキングが、いずれかのクラスで5位以内の人
- 各種スポーツ競技(モータースポーツ(四輪競技)、陸上、サッカー、野球、レスリング、ボクシング等)で世界規模の大会またはそれに準ずる大会及び日本国内で行われる全国規模の大会において、ベスト8以上の成績を収めた人で、本財団が認める人
- 特例試験対象者への特例措置
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- 体重65kg以下の人
- 第1次試験を免除
- 受験料無料
取得にかかる費用
オートレース選手になるためには、オートレース選手養成所の試験受験秘湯と養成所の諸経費の支払いが必要です。
- オートレース選手養成所入所試験の受検費用
- 10,000円(特例受験者は無料)
- 養成に要する諸費用
- 養成所に入所した選手候補生は、養成期間中の諸経費の一部120万円を入所の際に納付します。一括納付または一部分割納付(選手登録後も納付できる)が可能です。
- オートレース選手(オートレーサー)の資格取得がおすすめな人
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- バイクやオートレース、メカニックが好きな人
- 体力、気力、協調性を兼ね揃えた人
- 実力を磨き、高収入を目指したい人
- 勝負の世界でプレッシャーに打ち勝つことができる人
- スポーツの力で社会貢献したい人
オートレース選手(オートレーサー)試験の日程
オートレース選手養成所の入所試験は、これまでは試験は2年に一回実施されていましたが、36期(2021年度)以降は毎年実施されることになりました。第1次試験である適性検査は10月に東京、静岡、大阪、福岡で開催されます。第2次試験は12月に2泊3日の日程で、オートレース選手養成所で実施されます。
オートレース選手(オートレーサー)はどんな人におすすめの資格?
オートレースが好きな人やレース用のバイクが好きな人が、オートレース選手の道に進むことが多いでしょう。オートレース選手の人口は全国で約400人でその内19人が女性選手です(2021年時点)。年齢は最年少選手が18歳、最年長が70代と幅広いのも特徴です。平均引退年齢は58歳であり、アスリートとしては比較的長く現役として活躍しています。
選手になるまでには養成所で9か月間過ごさなくてはいけません。寮での集団生活では、規則正しい生活や勉強、トレーニングの日々が待っています。体力、気力、協調性が求められるでしょう。
選手デビュー後は、プロの選手としてレースに参戦することとなります。レースで好成績を収めるほど、収入アップが見込めます。2021年実績では、オートレース選手の平均年収は1,200万円と発表されています。最高年収は1億円を超えますので、成績次第では高収入も期待できます。
ただしレースにはケガなど危険が伴います。また成績不振となれば収入も減りますので、トレーニングは欠かせないでしょう。
レース以外の日は基本的にオフで、レース参加日数の目安は年間100~160日です。一般的な会社員と比べると自由な時間を多く持てますが、レースに勝つためにはトレーニングやマシンのメンテナンスの必要があります。
オートレースは利益が地方の活性化の解決などに役立てられることがありますので、社会貢献
にもつながります。スポーツとしての達成感のほか、社会貢献というやりがいも感じられるでしょう。
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
オートレース選手養成所の試験を実施しているのは、公益財団法人JKAです。試験の詳細や申込については下記HPから確認してください。
まとめ:オートレース選手は高収入の夢があり、社会貢献もできる仕事
公営競技のひとつであるオートレースは、バイクやメカニックが好きな人、レーサーになってレースに参加したい人におすすめの資格です。選手として力を磨いて競技を盛り上げれば、地方活性化など社会貢献にもつながります。狭き門ではありますが、オートレース選手になるという夢を抱いている人は是非チャレンジしてみてくださいね。
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