コンクリートの舗装に関するスペシャリストを目指す人におすすめの資格が「舗装診断士」です。2017年に創設された比較的新しい民間資格ではありますが、高い信頼性を得ることができます。
この記事では舗装診断士の資格について、試験概要や受験資格、受験費用などを解説します。
舗装診断士とは、どんな資格?
舗装診断士とは、「舗装の診断に関する一連の作業ができる高い専門知識を保有する技術者を認定する資格」と定義されています。日本道路建設業協会が2017年に創設した新しい民間資格です。合格者は合計で1,715人(令和3年までの合計)となりました。
舗装診断士は、国土交通大臣の登録を受けた資格(国土交通省登録技術者資格)でもあります。比較的新しい資格ですが、高い信頼性を得ることができ、これからも活用されていくことが予想されます。
舗装診断士は、下記の仕事を行います。
- 既設舗装の調査や評価
- 既設舗装の維持
- 既設舗装の修繕工法の選定・設計
- 補修計画策定の支援 など
舗装診断士は、必要に応じてネットワークレベルでの補修計画策定支援も含めて行います。
学ぶ知識・技術
舗装診断士の資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。
試験は、択一式(マークシート方式)と記述式(経験記述と専門記述)で出題されます。
- 択一試験
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- 舗装に関する基礎知識
- 舗装の管理
- 点検・評価
- 補修の計画・設計
- 補修工事に関する知識および技術者倫理 など
- 記述試験
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- 経験記述:経験した業務経歴を基に業務の概要、その中で果たした役割、技術的問題点や課題と解決策、その評価等を簡潔に記述できる能力を問う
- 専門記述:舗装の破損の写真、当該箇所の交通量、地域、気象、地形等の条件から推定される破損原因と根拠、実施すべき調査・試験、補修方法や道路建設時のデータ、供用年数、交通量のデータ等から破損の状況等を簡潔に記述できる能力を問う
出題範囲は下記のように定められています。
- 基礎知識
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- 舗装技術の変遷
- 舗装の管理
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- アセットマネジメント
- 舗装マネジメントシステム
- 点検・評価
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- 舗装性能とその評価
- 舗装の点検・調査技術
- 評価判定
- 安全・環境管理
- 補修の計画・設計
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- 要求性能の設定
- 路面・構造設計
- 排水設計
- 維持・修繕工法
- 補修工事に関する知識
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- 使用材料
- 施工方法
- 倫理
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- 技術者倫理
舗装診断士資格試験の合格者は、日本道路建設業協会会長宛に登録申請をすることで資格者証の交付を受けられます。
舗装診断士資格の登録の有効期間は5年間で、5年ごとに更新が必要です。更新時には、登録者の知識および技術の維持向上のための技術講習の受講が義務付けられています。
舗装診断士で目指せる職業、就職先は?
舗装診断士の資格を取得すると、土木業界や建設業界への就職・転職が見込めます。
舗装診断士を取得するとどんな悩みが解決できる?
舗装診断士の 資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 舗装診断士が解決できること
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- 道路の舗装の安全性を確保し、事故を未然に防ぐ
- 老朽化した道路などの危険性を診断し、事故を見せんに防ぐ
舗装診断士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
舗装診断士試験を受験するには、下記の要件を満たす必要があります。
以下のいずれかの資格保有者で、7年以上の舗装関連業務(計画、調査、設計、監理・監督、工事、試験、評価、技術開発等)の業務経歴があり、さらにその中で、舗装の計画、調査、評価に関する1年(または3件:期間は問わない)以上の実務経験が求められます。
- 必要保有資格(いずれか)
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- 1級舗装施工管理技術者
- 技術士(部門:建設部門)
- 特別上級・上級等土木学会認定資格
- RCCM
②~④の資格については、「2級舗装施工管理技術者」資格を有している者が受験資格を得られます。
なお、舗装の工事等において、補修工事の施工前調査(機器を用いた調査の他、目視調査も含む)、舗装の調査・診断により補修工法提案を行った業務や、補修工事の実施段階で調査等の提案・実施を行い設計変更された業務などは実務経験として取り扱い、また、これらに類する業務(新設・改築も含む)も同様とみなされます(実務経験は、原則、公印をお持ちの受験者の上長に証明してもらう必要があります)。
取得にかかる費用
舗装診断士の資格取得にかかる費用は、下記のように定められています。
- 択一試験・記述試験
- 区分①、②の受験者:16,500円(税込)
- 記述試験のみ
- 区分③の受験者(択一試験免除申請者): 8,250円(税込)
合格後は、登録料、更新手数料の支払いが必要となります。
- 登録料:6,600円
- 更新手数料:6,600円
舗装診断士試験の日程
舗装診断士の試験は年一回開催されます。試験は、札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇で開催されます。
舗装診断士はどんな人におすすめの資格?
舗装診断士の試験の合格率は15~20%ほどで、試験の難易度は高いといえます。道路などコンクリートの舗装の安全性確保の需要は高く、専門知識を有する有資格者は重宝されるでしょう。
土木業界や建築業界への就職・転職を目指す人は、舗装診断士の資格取得を目指してみるのもおすすめです。
- 舗装診断士の資格取得がおすすめな人
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- 道路などの安全性の確保に貢献したい人
- 土木業界や建築業界への就職を目指す人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
舗装診断士の資格を管理しているのは、 一般社団法人 日本道路建設業協会です。試験の詳細や申込については、下記HPから確認してください。
まとめ:舗装診断士試験の難易度は高め!入念に準備をして合格を目指そう
舗装診断士は、コンクリートの舗装に関する安全性や品質の維持を担う職種です。試験の難易度は高めですので、合格するのは簡単ではありません。舗装診断士を目指す人は、試験合格に向けてしっかりと勉強をしましょう。
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