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建築物環境衛生管理技術者の資格を取るとどんなメリットがある?

ビル管理業務を行う建築物環境衛生管理技術者 不動産

ビル管理のスペシャリストと呼ばれる「建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)」は、ビルの円滑な運営に欠かせない人材です。シニア世代も活躍するこの職種は、経験や国家試験合格が必要とされます。

この記事では、建築物環境衛生管理技術者について国家試験受験資格や就職が期待できる業界などについて説明します。

建築物環境衛生管理技術者とは、どんな資格?

建築物環境衛生管理技術者は「ビル管理士」とも呼ばれる資格です。面積が3,000平方メートル以上(学校施設の場合は8,000平方メートル以上)の施設には、建築物環境衛生管理技術者の設置が必須です。

建築物環境衛生管理技術者は、建築物の環境衛生上の維持管理に関する業務を全般的に監督し、次のような仕事を行います。

  • 管理業務計画の立案
  • 管理業務の指揮監督
  • 建築物環境衛生管理基準に関する測定または検査結果の評価
  • 環境衛生上の維持管理に必要な各種調査の実施

衛生管理といっても清掃を指すのではありません。たとえば、電気設備、空調設備、ボイラー設備の点検、廃棄物処理の業者との連携、害虫駆除などが主な仕事です。

学ぶ知識・技術

建築物環境衛生管理技術者として働くには、国家試験に合格する必要があります。

国家試験の受験科目
  1. 建築物衛生行政概論
  2. 建築物の構造概論
  3. 建築物の環境衛生
  4. 空気環境の調整
  5. 給水及び排水の管理
  6. 清掃
  7. ねずみ、昆虫等の防除
試験時間
午前180分、午後180分
解答形式
五肢択一(全問マークシート)
出題数
180問(全問解答)
開催地
札幌市、仙台市、東京都、愛知県、大阪市、福岡市

試験の合格率は12%~20%前後となっており、けっして易しい試験ではありません。しっかりと準備してのぞみましょう。

建築物環境衛生管理技術者で目指せる職業、就職先は?

建築物環境衛生管理技術者の資格を取得すると、主にビル管理会社やビルメンテナンス会社への就職が見込めます。

建築物環境衛生管理技術者になるとどんな悩みが解決できる?

建築物環境衛生管理技術者になると、次のような問題や悩みの解決に貢献できます。

建築物環境衛生管理技術者が解決できること
  • 電気や空調の設備管理の計画を立て、建物のトラブルを防ぐ
  • 害虫発生や水質の異常に適切に対処する
  • 下請け業者と連携し、トラブル発生に対応する

建築物環境衛生管理技術者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するには国家試験に合格する必要があります。ただし、次の項目を満たす人が受検資格を有します。

建築物環境衛生管理技術者試験の受験資格

建築物環境衛生管理技術者試験の受験資格を有するのは、次の用途に供される「建築物の当該用途」部分において、「環境衛生上の維持管理に関する実務」に業として2年以上従事した経験がある人です(従事期間は、実務従事証明書の証明日現在で2年以上が必要)。

建築物の用途
  • ア)興行場(映画館、劇場等)、百貨店、集会場(公民館、結婚式場、市民ホール等)、図書館、博物館、美術館、遊技場(ボーリング場等)
  • イ)店舗、事務所
  • ウ)学校(研修所を含む)
  • エ)旅館、ホテル
  • オ)その他アからエまでの用途に類する用途(多数の者の使用、利用に供される用途であって、かつ、衛生的環境もアからエまでの用途におけるそれと類似しているとみられるもの)

受験資格に該当する用途には、共同住宅、保養所、寄宿舎、保育所、老人ホーム、病院等が該当します。一方、もっぱら倉庫、駐車場、工場(浄水場、下水処理場、清掃工場、製造工場等)等の用途に供されるものや、その他特殊な環境(通信施設、発電所等)にあるものは受験資格に該当しません。

建築物における環境衛生上の維持管理に関する実務とは、次に記載されている業務をいいます。

空気調和設備管理
  1. 給水、給湯設備管理 (貯水槽の維持管理を含む。浄水場の維持管理業務を除く)
  2. 排水設備管理 (浄化槽の維持管理を含む。下水処理場の維持管理業務を除く)
  3. ボイラ設備管理
  4. 電気設備管理 (電気事業の変電、配電等のみの業務を除く)
  5. 清掃及び廃棄物処理
  6. ねずみ、昆虫等の防除

なお、上記の条件については

  • 1~5の「設備管理」とは、設備についての運転、保守、環境測定及び評価等を行う業務
  • 修理専業、アフターサービスとしての巡回サービスなどは、「建築物における環境衛生上の維持管理に関する実務」には該当しない
  • 建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則第21条第2項に規定する環境衛生監視員として保健所の環境衛生担当部署に勤務した経験は、受験資格に該当する実務に含む

と規定されています。

取得にかかる費用

受験手数料は、13,900円です。受験申込は5月上旬~6月中旬(令和3年度の場合)、試験が10月実施、結果発表は11月と予定されています。

建築物環境衛生管理技術者はどんな人におすすめの資格?

都市開発などに伴い、ビルメンテナンスをできる建築物環境衛生管理技術者の需要は高まっていきます。都心に限らず、地方創生や大型ショッピングモールの新設・移転、企業誘致などによって、地方や郊外でも建築物環境衛生管理技術者の求人が生まれています。

ビルメンテナンス業界は未経験者でも入社できますが、資格保有者は優遇される傾向があります。収入・スキルアップを目指す人はチャレンジを検討してみてはいかがでしょう。合わせて「第二種電気工事士」「二級ボイラー技士」「危険物取扱者乙種」「第3種冷凍機械責任者」の資格を取得しておくと、ビルメンテナンスのスペシャリストとして仕事の幅が広がり、キャリアアップにつながります。

また、定年後の再就職先として建築物環境衛生管理技術者の資格を活かし、シニア人材として活躍されている人もいます。

建築物環境衛生管理技術者の資格取得がおすすめな人
  • 建築物の維持管理に関わる業務経験を活かしたい人
  • ビルメンテナンス業界でキャリアアップを考えている人
  • シニアライフの就職先としてビルメンテナンス業界を考えている人
  • 人との円滑なコミュニケーションを築くことができ、幅広い業種の人と連携できる

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

建築物環境衛生管理技術者の国家試験を管理・実施しているのは「公益財団法人日本建築衛生管理教育センター 国家試験課」です。試験概要や受験資格詳細、受験願書、受験申込などについては下記のHPを確認しましょう。

▼ 公益財団法人日本建築衛生管理教育センター 国家試験課

まとめ:長期的な人生プランも含めてチャレンジを検討しよう

建築物環境衛生管理技術者は、ビル管理のスペシャリストとしてキャリアアップしたい人におすすめの資格です。関連資格を取得することでより幅広い業務に携われます。シニアライフを考えたときに、建築物環境衛生管理技術者として仕事をするプランを描いている人は、是非チャレンジしたい国家資格ですね。

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