衛生工学衛生管理者の資格は、工場や鉱業、建築業などで役立つといわれていますが、どのような業務に携われるようになるのでしょうか。また、資格を取るとどのようなメリットがあるのでしょうか。
こちらでは、衛生工学衛生管理者の仕事や資格取得の条件、どんな悩みが解決できる仕事かなど、衛生工学衛生管理者の魅力について解説していきます。
衛生工学衛生管理者とは、どんな資格?
衛生工学衛生管理者とは、講習と終了考査のみで取得できる、比較的取りやすい資格です。
有毒ガスや粉塵、蒸気などが発生するようなところの作業環境を見直すために、点検や指導を行うために必要になってきます。
学ぶ知識・技術
- 衛生工学・衛生工学技術に関する知識
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- 衛生管理体制
- 作業環境要素
- 職業性疾病
- 作業環境管理
- 作業管理
- 健康管理
- 健康の保持増進対策
- 労働衛生教育
- 労働衛生管理統計
- 救急処置
- 人体組織と機能について
- 環境条件で人体の機能がどう変化するか
- 労働の影響で人体機能がどう変化するか
- 疲労とは何か、疲労を予防する方法
- 職業適性
- 関係法令
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- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 作業環境測定法
- じん肺法
- 命令中の関係条項(関係法令に基づくもの)
衛生工学衛生管理者で目指せる職業、就職先は?
いわゆる作業現場に関わる仕事ばでのニーズが高いです。
- 衛生工学衛生管理者の就職先の例
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- 林業
- 鉱業
- 建設業
- 製造業
- 清掃業
- 自動車整備業
- 機械修理業 など
鉛やクロム、水銀などの有害な粉塵や蒸気、ガスが発生しやすい工場や、高熱や異常気圧が発生しやすい工場、土や石・動物の毛を扱う工場や作業場、有害な放射線を扱う工場や作業場での求人が多いようです。
ちなみに、常に50人以上の労働者がいる環境の事業場は、衛生管理責任者を選任することが法律で定められています。
衛生工学衛生管理者になるとどんな悩みが解決できる?
有毒ガスや粉塵、火や熱、放射線など、工場や作業場に発生する可能性がある危険から働く人の安全を守る役割を持つのが衛生工学衛生管理者です。
常時問題が起こるわけではありませんが、働く人が健康を損なったりケガをする可能性がある環境や設備、作業方法などを発見したら、対策をとって危険を回避する必要があります。
また、働く人がより安全に働きやすい環境を整えたり、健康を維持しやすいように安全や健康を管理する役割も持っています。
一般的には、週1回以上の頻度で作業場を確認し、必要なチェックやアドバイスをするようです。
- 衛生工学衛生管理者が解決できること
- 工場や作業場で働く人に襲いかかる危険を回避し、安全と健康を守る
資格取れる人はどんな人(取得条件・受講資格)
衛生工学衛生管理者を取るには、厚生労働大臣が定めた講習を受け、試験に合格する必要があります。反対に言えば、受講資格があれば、講習受講後に試験を突破すれば資格が取れるということです。
衛生工学衛生管理者講習の受講資格
衛生工学衛生管理者講習を受講するには、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 大学や高専で工学や理学についてのカリキュラムとを履修していた
- 職業能力開発総合大学校で指導員訓練(長期課程)を修了した
- 第1種衛生管理者免許に合格済(ただし、保健師・薬剤師の資格からの免許取得は除く
- 指定された大学で保健衛生関係の学科を専攻し、労働衛生に関係した講座(科目)を履修し、卒業をしている
- 保健衛生や労働衛生工学の労働衛生コンサルタントの試験に合格済
- 作業環境測量士になる資格を持っている
持っている資格等によっては、受講科目の一部が免除されるため、講習の日程は半日〜5日間と個人差があります。
衛生工学衛生管理者講習はどんな人におすすめの資格?
衛生工学衛生管理者の資格を取ると、担当業務の幅が広がり、資格手当を貰えることもあります。また、ある程度大きな規模の事業場の場合は、衛生工学衛生管理者を置くことが必要になるので、自社内、転職時のキャリアアップにもつながるでしょう。
また、衛生工学衛生管理者の資格があると、転職活動や就職活動においても有利なことが多く、選択肢が広がります。
- 衛生工学衛生管理者の取得がおすすめな人
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- 衛生工学衛生管理者講習の受講資格がある人
- 林業、工業、製造業などに携わる仕事に就いている人、就きたいと思っている人
- すでに林業、工業、製造業などで働いていて、キャリアップを目指している人
- 該当の職種への転職を有利に進めたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
衛生工学衛生管理者講習は、東京都と大阪で受講できます。中央労働災害防止協会(中災防)が行っています。受講を考えている人や質問などがある場合は、東京安全衛生教育センターもしくは東京安全衛生教育センターのどちらかに問い合わせましょう。
まとめ:衛生工学衛生管理者とは作業場で働く人の安全を守るキャリアアップを目指す人におすすめの資格です
衛生工学衛生管理者とは、有害物質や放射線、粉塵、水蒸気や熱など、健康を害したりケガをしたりするリスクを避け、働く人の安全と健康を管理をする立場に就くのに必要な資格です。
講習受け試験に合格すれば資格取得となるので取りやすい資格と言えますが、受講資格があるので誰もが受けられるわけではありません。製造業など該当する職場で働く人や該当の職業への就職、転職を検討する人は、採用されやすい傾向にあり、話を有利にやすいです。
キャリアアップを目指す人、仕事の幅を広げたいと思う人は、一度取得を検討してみてもいいでしょう。
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