ITシステムの開発やプロジェクトの成功に向けて、必要不可欠な役割を担うのが「プロジェクトマネージャ」です。このプロジェクトマネージャとはどんな仕事をする職種か、資格の取得方法や取得のメリットなどを紹介していきます。
プロジェクトマネージャとは、どんな資格?
ITシステムの開発は、クライアントの要望をヒアリングし、どれくらいの規模のシステムを開発するか決めるところから始まります。「プロジェクトマネージャ」は、システムの構造や機能に応じて、予算やスケジュール、開発に必要なメンバーを決定し、チームを結成してプロジェクトを遂行するマネジメント職です。期日までに成果物を完成させ、クライアントに納品することが役割となります。
プロジェクトマネージャの仕事内容はかなり幅広いですが、大まかに以下の5つに分類できます。
- システム開発計画の策定
- プロジェクトマネージャは、プロジェクトの準備段階から必要となる人材や資材、費用を想定して確保する必要があります。そこでクライアントの要望をヒアリングし、どのようなITシステムを開発するか決定します。さらにシステムの構造や主要な機能を決めるとともに、規模や予算、スケジュールを決定し、必要な人員や工数を明確化していきます。
- プロジェクトチームの編成
- 必要な人材を集めてプロジェクトチームを編成し、システム開発環境を整えます。
- プロジェクトの推進・管理
- システム開発の目的やスケジュール、納期などを説明し、チーム全体で共有します。クライアントの要望や決定事項、変更が生じた場合は、メンバーに随時伝えていくとともに、各セクションの進行をチェックし、プロジェクトが予定どおり進行するよう管理します。さらに、クライアントと開発チームとの調整役を担う他、他部門との連携や情報共有を行い、チーム内のトラブルを解消することで、プロジェクトの進行をサポートします。
- 問題発生時の対応
- プロジェクトの進行に問題が発生しそうな場合、先回りして問題解決策を講じる必要があります。現場のみで解決が難しい場合は、プロジェクトマネージャ自身がクライアントと交渉し、開発部署へ対応する業務も担います。
- プロジェクト終了後の評価・レビュー
- 完成したプロジェクトに対するレビューや、そこで見えた課題・問題の解決、評価をまとめた「プロジェクト完了報告書」を作成するのもプロジェクトマネージャの仕事です。
学ぶ知識・技術
プロジェクトマネージャになるために必須の資格はありませんが、多くの知識・技術が求められる職種です。「プロジェクトマネージャ試験」などの資格試験に合格し、下記の知識を有していることを証明する必要があるでしょう。
- 組織戦略及びシステム全般に関する基本的な事項への理解
- 個別システム化構想・計画及びステークホルダの期待を正しく認識し、実行可能なプロジェクト全体計画を作成できる
- 前提・制約の中で、変化に適応して、プロジェクトの目標を確実に達成できる
- スコープ・要員・資源・予算・スケジュール・品質・リスクなどを管理し、プロジェクトチームの全体意識を統一して、プロジェクトをマネジメントできる
- プロジェクトの進捗状況や将来見込まれるリスクを早期に把握し、変更を管理して、適切に対応できる
- プロジェクトの計画・実績を適切に分析・評価できる。また、その結果をプロジェクトのその後のマネジメントに活用し、他のプロジェクトの参考に資することができる
プロジェクトマネージャで目指せる職業、就職先は?
プロジェクトマネージャは、IT業界の中でニーズが高く、就職が有利に見込める職種です。おおまかに、下記のような現場での活躍が期待できます。
- 自社でプロジェクト開発を行っている企業
- ここに就職したプロジェクトマネージャは、自社内のシステムを開発するプロジェクトを指揮します。おおよそ3年以上のシステム開発経験、保守・運用経験、SEやプログラマーに適切な指示を行うスキルなどが求められます。
- 外販を主とする企業
- 他社からITプロジェクトの導入を請け負う企業では、自社内システムを開発するITプロジェクトに比べ、営業力や折衝能力が求められます。
基本的に企業は即戦力を求めているので、採用ハードルは高く、就職や転職の難易度は高めです。
プロジェクトマネージャになるとどんな悩みが解決できる?
プロジェクトマネージャになると、下記のような悩み・問題の解決に貢献できます。
- プロジェクトマネージャが解決できること
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- ITシステムの制作に必要な人材・資材・費用を計画的に確保し、プロジェクトを遂行することで、期日までに要望通りの成果物を提出する
- クライアントと開発チームをつなぐ窓口として働くことで、顧客の信頼を得る
- システム開発中で生じたトラブルに迅速に対応する
プロジェクトマネージャの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
先ほども述べた通り、プロジェクトマネージャとして働くのに、必ず取得しなければならない資格はありません。しかし現実的には、知識やスキルを客観的に証明するものとして、「プロジェクトマネージャ試験」に合格し、資格を取得しておくのがおすすめです。
プロジェクトマネージャー試験は、組織運営、プロジェクトの計画立案、予算や工程、品質の管理、リスクの把握など幅広い内容が問われる難関試験です。この試験を受験するには、下記の要件を満たす必要があります。
プロジェクトマネージャ試験の受験資格
プロジェクトマネージャ試験は、27歳以上であればどなたでも受験できます。ただし、プロジェクトマネージャはいわばシステム管理・管轄の責任者のため、IT業界でのシステム開発プロジェクトに長年携わったことのある人でなければ、合格は難しいでしょう。
取得にかかる費用
プロジェクトマネージャ試験の受験にかかる手数料は、7,500円です。令和3年秋季試験から受験料が改定されています。
プロジェクトマネージャはどんな人におすすめの資格?
プロジェクトマネージャは、下記のような人に取得がおすすめの資格です。
- プロジェクトマネージャの資格取得がおすすめな人
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- IT業界で、基本設計以上の上流工程を経験している人(現場で経験を積んだベテランのエンジニアなど)
- 将来的に、ITコンサルタントやマネジメントコンサルタントへのキャリアアップを目指している人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
プロジェクトマネージャの資格は、経済産業省が所管する「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」が管理しています。その年の試験日程や試験会場、受験申請に必要な手続きについては、下記の公式HPからご確認ください。
まとめ:IT業界でのキャリアアップ&年収アップを狙うなら、プロジェクトマネージャを目指そう!
プロジェクトマネージャ試験の合格率は例年15%前後と、難関の試験になります。しかし、合格すれば開発分野の知識やスキルが非常に高いことが示せるため、就職・転職で有利に働く資格といえるでしょう。平均年収は20代で約400万、30代で約500〜600万と高収入が見込めるのも魅力です!
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