子どもをサポートする仕事はたくさんありますが、「放課後児童支援員」をご存知ですか? この記事では放課後児童支援員の仕事や認定資格研修の内容、研修の受講資格などを解説します。
放課後児童支援員とは、どんな資格?
放課後児童支援員認定資格とは、放課後児童クラブで働くために必要な資格です。2015年に創設された資格制度で、児童(小学生)が放課後に安心して過ごせる場を提供し、児童を見守る役割を担います。
まずは、放課後児童クラブとは何かをチェックしましょう。
こども家庭庁によると、「児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図るもの」と定められています。
▼ 参考:こども家庭庁「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」
放課後に保護者が仕事などで家にいない場合、児童が遊びや自学習などをする居場所を求められています。放課後児童クラブでは、そうした居場所づくりを担っており、学童保育と呼ばれることもあります。
放課後児童支援員は、認定を受けた人材として、適切に子どもの安全や遊び、学びをサポートします。
学ぶ知識・技術
放課後児童支援員を取得するためには、放課後児童支援員都道府県認定資格研修を受講・修了する必要があります。認定されると修了証が交付されます。
研修では、6分野16科目を24時間(1科目90分)で受講します。保有資格によっては一部科目の免除を受けられます。
- 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の理解
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- 放課後児童健全育成事業の目的及び制度内容
- 放課後児童健全育成事業の一般原則と権利擁護
- 子ども家庭福祉施策と放課後児童クラブ
- 子どもを理解するための基礎知識
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- 子どもの発達理解
- 児童期の生活と発達
- 障害のある子どもの理解
- 特に配慮を必要とする子どもの理解
- 放課後児童クラブにおける子どもの育成支援
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- 放課後児童クラブに通う子どもの育成支援
- 子どもの遊びの理解と支援
- 障害のある子どもの育成支援
- 放課後児童クラブにおける保護者・学校・地域との連携・協力
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- 保護者との連携・協力と相談支援
- 学校・地域との連携
- 放課後児童クラブにおける安全・安心への対応
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- 子どもの生活面における対応
- 安全対策・緊急時対応
- 放課後児童支援員として求められる役割・機能
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- 放課後児童支援員の仕事内容
- 運営管理と運営主体の法令遵守
放課後児童支援員で目指せる職業、就職先は?
放課後児童支援員を取得すると、放課後児童クラブに就職することができます。なお、研修を修了して認定を受けた放課後児童支援員は、全国共通の「認定者名簿管理システム」に登録されます。
放課後児童支援員を取得するとどんな悩みが解決できる?
放課後児童支援員を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 放課後児童支援員が解決できること
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- 児童のための安心・安全な環境を提供する
- 保護者の育児・仕事を間接的にサポートする
- 児童を見守り、小学校教員の負担を減らす
放課後児童支援員の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
放課後児童支援員の研修の受講資格は、下記のいずれかを満たす人です。
- 放課後児童支援員になれる人
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- 保育士の有資格者
- 社会福祉士の有資格者
- 教諭(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校いずれか)の有資格者
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業し、二年以上児童福祉事業に従事した人
- 大学もしくは大学院で、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学、体育学を専修する学科・研究科、またはこれらに相当する課程を修めて卒業した人
- 大学で上記の学科で単位を修得し、大学院への入学が認められた人
- 高等学校を卒業し、二年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事し、市町村長が適当と認めた人
また、研修の受講地は原則として受講者が住んでいる地域です。すでに放課後児童クラブに従事している場合はその勤務地となります。
取得にかかる費用
東京都の場合は研修受講料は無料です。教材費用が徴収される自治体もあります。お住まいの自治体のHPなどで確認しましょう。なお、交通費や食事代は自費です。
放課後児童支援員の研修の日程
放課後児童支援員の研修は、原則として2~3か月以内で実施されます。日程の詳細は、お住まいの地域の自治体HPで確認しましょう。
放課後児童支援員はどんな人におすすめの資格?
共働き世帯や核家族世帯が増え、放課後に家庭に保護者がいないという状況も多くなりました。子どもが安全・安心に過ごせる場所の確保は、社会的なニーズといえます。
放課後児童支援員は、研修を修了した貴重な人材です。児童のために適切に環境を提供し、見守りをすることができます。教員も多忙な中、今後も放課後児童支援員のニーズが見込まれます。
資格取得までには2~3か月がかかるため、研修参加の時間を確保する必要があります。放課後児童支援員として活躍するシルバー人材もいますので、幅広い年代の人でもチャレンジできる資格です。
- 放課後児童支援員の資格取得がおすすめな人
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- 教育や育児に貢献したい人
- 教育関連の資格を活かしたい人
- 小学校の放課後の時間帯に働きたい人
- シルバー人材の仕事を探している人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
放課後児童支援員を主催・運営しているのは、東京都の場合は東京福祉局です。お住まいの自治体によって主催・運営は異なりますので、各地域の主催者を調べましょう。
試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:子どもや保護者のために貢献したい人におすすめ!
放課後児童支援員は、全国で需要のある仕事です。子どもが安心して過ごせる場所づくり、保護者の仕事の育児の両立をサポートする大切な役割を担うことができますよ。
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