マンションやアパートなどの賃貸物件の退去時に、敷金や保証金の返還トラブルが起こることがあります。貸主・借主ともにこうしたトラブルは円満解決が望ましいものですよね。そんなときに頼りになるのが「敷金診断士」の有資格者です。この記事では敷金診断士の試験概要や受験資格、受験料を解説します。
敷金診断士とは、どんな資格?
敷金診断士とは、不動産賃貸における退去時の敷金・保証金返還などのトラブルについて、解決のためのサポートを行う有資格者です。敷金診断士の行動基準は、経済産業省の「住生活エージェントのガイドライン」に基づいています。
全国に敷金診断士の支部組織が7か所配置されており、各地域で専門知識を習得した敷金診断士が活躍しています。
学ぶ知識・技術
敷金診断士の資格を取得するためには、敷金診断士試験に合格し、登録講習を受講します。その後に登録を受けた合格者は、日本住宅性能検査協会で敷金診断士として公認されます。
- 試験時間
- 1時間30分
- 出題形式
- 4肢択一形式(50問)
- 出題範囲(法令系科目)
- 民法、借地借家法、消費者契約法、区分所有法、宅建業法、品確法、民事訴訟法、標準賃貸契約書、その他建物賃貸に関わる法令及び判例
- 出題範囲(建築系科目)
- 建築物の構造及び概要、建築物に使用されている主な材料の概要、建築物の部位の名称等、建築設備の概要、建築物の維持保全に関する知識及びその関係法令、建築物の劣化、修繕工事の内容及びその実施の手続きに関する事項
- 合格基準
- 7割の正答
試験の合格者は、登録講習を受講します。登録講習では、敷金診断業務において業務上必要となる知識を習得するための講習(法令編、実務編)を学習します。
敷金診断士で目指せる職業、就職先は?
敷金診断士の資格を取得したことで、就職や転職に役立つとは言えません。ただし、不動産業界において敷金に関するトラブルや問い合わせが発生したときに役立つでしょう。
敷金診断士を取得するとどんな悩みが解決できる?
敷金診断士の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 敷金診断士が解決できること
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- 敷金に関する疑問や不安に対して、法令などに基づいた対処を考えることができる
- 敷金や保証金の返還に関する、不当な請求に対応できる
- 不動産トラブルにおけるADRの調停人として、紛争解決をサポートする
敷金診断士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
敷金診断士の受験資格に制限はありません。
取得にかかる費用
敷金診断士試験の受験料は、7,800円(非課税)です。試験の合格者が受講する講習の登録講習料18,000円(非課税))です。また、日本住宅性能検査協会に敷金診断士として登録されるための登録手数料は15,000円(非課税)です。なお、2年毎の更新では登録更新手数料5,000円(非課税)を支払います。
敷金診断士試験の日程
敷金診断士試験は、年末年始を除いて全国200か所のCBT試験会場で随時実施されています。
敷金診断士はどんな人におすすめの資格?
敷金診断士は誰でもチャレンジできる不動産系資格であり、合格率は60~70%程度です。不動産系資格の中では、難易度が比較的易しい部類に入ります。敷金に関する法律トラブルは賃貸借契約において発生することが少なくありません。専門知識を取得した敷金診断士が活躍することで、借主や貸主の権利を守ることにつながります。
敷金診断士は、ADR(裁判外紛争解決手続)における調停人の基礎資格として認定されています。そのため、敷金診断士としてトラブルの早期解決に貢献することもできるでしょう。
- 敷金診断士の資格取得がおすすめな人
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- 不動産業界で働く人
- 不動産投資に関心がある人
- 賃貸借契約に関する知識を習得したい人
- 法律トラブルの解決に貢献したい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
敷金診断士の資格を認定しているのは、日本住宅性能検査協会です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:不動産関連の資格取得で敷金トラブルのスペシャリストに!
敷金や保証金に関するトラブルは、不動産管理や運営でもたびたび発生する問題。敷金診断士のような専門家には、トラブルを最適なかたちで解決することが期待されます。居住者にとっても企業や大家さんにとっても頼れる存在になれるでしょう。
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