かわいい犬や猫などのペットと暮らすと、日々の癒しになりますよね。ペットショップや動物病院、トリミングなどペットに関する仕事やサービスも増えました。
この記事では、ペットに関する資格「愛玩動物飼養管理士」取得を目指す人向けに学習内容や認定試験の概要などを紹介します。
愛玩動物飼養管理士とは、どんな資格?
愛玩動物とは、犬や猫など人間に飼われるペットのことを指します。愛玩動物飼養管理士とは、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」に基づき、愛玩動物の愛護および適正飼養管理の普及啓発活動などを行うために必要な知識・技能を証明する資格試験です。
試験に合格するためには、動物に関連する法令や飼養管理、動物に関する疫病や栄養学などの知識を学びます。
ペットショップやブリーダー、トリミングサロン、ドッグトレーナーなどの業種は、第一種動物取扱業と呼ばれています。第一種動物取扱業は、事業所ごとに動物取扱責任者を置くことが動物愛護管理法によって定められています。第一種動物取扱業を開業するときは、「動物取扱責任者」の選任が必要です。動物取扱責任者の選任要件のうち「動物関係の資格」のひとつとして、愛玩動物飼養管理士の資格は国やたくさんの自治体から認められています。
学ぶ知識・技術
愛玩動物飼養管理士になるには、教材学習、スクーリングによるオンライン学習、課題報告問題の提出、認定試験への合格が必要です。
愛玩動物飼養管理士は1級と2級があります。
教材学習
- 1級の教材
-
- 1級愛玩動物飼養管理士教本 第1巻・第2巻
- 1級スクーリング資料
- 1級課題報告問題集
- 2級の教材
-
- 2級愛玩動物飼養管理士教本 第1巻・第2巻
- 副教材『ペットの飼養管理』
- 2級スクーリング資料
- 2級課題報告問題集
スクーリング
通信教育形式で課目を受講します。全科目の受講が修了しなかった場合、認定試験の受験資格が失効します。指定の受講期間である14日間中に、必ず全科目を受講します。
- 1級の講習内容
-
- 動物関係法令Ⅱ
- 人と動物の関係学Ⅱ
- 動物の行動と社会
- 犬と猫の栄養学
- 動物の疾病とその予防
- 動物の飼養管理と公衆衛生
- 2級の講習内容
-
- 愛玩動物飼養管理士
- 人と動物の関係学Ⅰ
- 動物関係法令Ⅰ
- 動物の飼養管理Ⅰ(総論、犬と猫の飼養管理)
- 動物の飼養管理Ⅱ(その他哺乳類・鳥類・爬虫類の飼養管理)
- 動物のしつけ
模擬試験形式の「課題報告問題」の提出
認定試験前に、模擬試験形式の課題報告問題が送付されます。提出すると、「実力判定表」が届きますので、認定試験に向けて弱点克服が可能です。提出期間内に課題報告問題の解答用紙の提出がない場合、認定試験を受験できません。
認定試験
試験は、試験時間75分間のマークシート方式全国一斉試験です。認定試験の合格者は認定登録手続きと認定登録料の支払いを行い、愛玩動物飼養管理士として登録されます。
愛玩動物飼養管理士で目指せる職業、就職先は?
愛玩動物飼養管理士を取得すると、ペットを取り扱う業種での就職や転職において自己アピールになります。第一種動物取扱業での開業や就職を考えている人にもおすすめです。
たとえば下記の業種での仕事に役立つでしょう。
- ペットショップ
- ペットホテル
- 動物病院
- ペットシッター
- トリマー
- ペットフードメーカー
- ペット用品メーカー
- ペットレンタル業者
- ペット用品を扱うドラッグストア など
また、さまざまな業界でペットに関するサービスが求められています。観光業界のペットツーリズムや介護・福祉業界でのアニマルセラピーのように、動物を相手とする仕事は多くあります。
行政機関でも、保健所や動物愛護センターなどに勤務する公務員などが愛玩動物飼養管理士を取得することで、習得した専門知識が問題解決に役立つことがあるでしょう。
愛玩動物飼養管理士になるとどんな悩みが解決できる?
愛玩動物飼養管理士になると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 愛玩動物飼養管理士が解決できること
-
- 家庭の事情や高齢によってペットを飼い続けられなくなった人のサポートをする
- ペットを取り扱う業種において、愛玩動物の健康を保つ
- ペットの飼育に関する近隣住民からの不満やトラブルを防ぐ
愛玩動物飼養管理士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
愛玩動物飼養管理士の資格取得には、1級2級でそれぞれ下記の要件を満たす必要があります。
- 1級
- 2級愛玩動物飼養管理士の資格を有する者(認定登録された者)
- 2級
- 満15歳以上の者(該当年度の4月1日時点)
上級愛玩動物飼養管理士の取得
1級愛玩動物飼養管理士の資格取得者は、上級愛玩動物飼養管理士の認定審査を受けることができます。上級愛玩動物飼養管理士認定には、申込書の提出およびプログラム参加料(5,000円)の納入が必要です。「管理士活動の実績記録簿4枚(4カ年間分)」に、年度ごとの活動実績を記入し、レポートと一緒に提出します。
審査は、下記の条件を満たす人が受けられます。
- 「マネージメント能力や協調性」、「適正飼養の普及啓発活動の実施経験」、「知識や情報の収集活動実績」、「意欲や熱意」の4種類の活動評価項目について、3年以上にわたる所定の実績があると認められること
- 愛玩動物(ペット)の愛護及び適正飼養管理の普及啓発活動の実施に関して、所定の思考力や倫理感を有していると認められること
- 上級愛玩動物飼養管理士の認定登録時に1級愛玩動物飼養管理士の資格を取得していること
- 公益社団法人日本愛玩動物協会の会員であること
審査の合格者は、認定登録手続き(認定登録料(1万円)の納入)をしてください。認定登録手続きが完了すると、上級愛玩動物飼養管理士の認定登録証とバッジが送付されます。3年ごとの更新では更新料5,000円が必要です。
取得にかかる費用
愛玩動物飼養管理士の資格認定には、下記の費用が必要です。
- 1級
-
- 受講受験料:34,000円
- 認定登録料:20,000円
- 2級
-
- 受講受験料:32,000円
- 認定登録料:8,000円
認定登録料支払い後に認定登録の手続きが完了すると、「愛玩動物飼養管理士名簿」に登録されます。手続きから1ヵ月前後で資格認定証が届きます。
愛玩動物飼養管理士試験の日程
愛玩動物飼養管理士の試験は春季と夏季で年2回開催されます。
愛玩動物飼養管理士はどんな人におすすめの資格?
愛玩動物飼養管理士は、ペットショップや動物病院など愛玩動物に関連する仕事に役立つでしょう。試験合格のための学習では、動物の健康を守るための知識や関係する法令などが身に付きます。
仕事ではなく、ペットと暮らす人にとっても愛玩動物飼養管理士の知識は役立ちます。ペットの健康を維持するための栄養学やしつけに関する知識を学べます。
- 愛玩動物飼養管理士の資格取得がおすすめな人
-
- ペットを取り扱う業種での開業や就職を考えている人
- ペットを飼っている・または飼うことを検討している人
- 動物愛護に興味・関心がある人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
愛玩動物飼養管理士の試験を管理しているのは、公益社団法人 日本愛玩動物協会です。試験の詳細や申込については、下記HPから確認してください。
まとめ:ペットの健康と安全を守る知識をしっかり身に付けられる資格
愛玩動物飼養管理士の資格を取得すると、ペットが健康的に安全に過ごすための知識が身に付きます。ペットを取り扱う業者やペットと暮らす人間がすべきこと、してはいけないことを学べます。動物愛護への貢献もできますので、興味がある人はチャレンジしてみてくださいね。
コメント