私たちの身の周りには、木でできた家具や道具などがたくさん溢れていますが、それらの木々は森林で伐採されたものです。そして伐採した原木を安全に運搬する際に欠かせない役割を果たすのが、「林業架線作業主任者」です。以降では、林業架線作業主任者とはどんな仕事をする資格か、どうすれば資格を取得できるのかなどをお伝えしていきます。
林業架線作業主任者とは、どんな資格?
森林で伐採した原木を、山の斜面に設置した機械集材装置や運材索道を使って木材加工場まで運び出すことを「林業架線作業」といいます。「林業架線作業主任者」は、その作業の際に装置の組み立てや解体・修理、集材・運材といった作業方法、支柱や主要機器・労働者の配置を指揮決定し、作業指示・監督を行う責任者です。
伐採した木材は、山から麓に降ろされた後に加工されますが、足場の悪い山の斜面で伐採した原木を運搬する作業は危険を伴うので、作業の安全をはかるために林業架線作業主任者を選任することが労働安全衛生法により義務付けられています。林業架線作業主任者は、国家資格の一種です。
学ぶ知識・技術
林業架線作業主任者になるには、免許試験に合格する必要があります。試験は五肢択一式の筆記試験で、下記の知識が問われます。
- 機械集材装置及び運材索道に関する知識
- 林業架線作業に関する知識
- 関係法令
- 林業架線作業に必要な力学に関する知識
林業架線作業主任者で目指せる職業、就職先は?
林業架線作業主任者の資格取得後は、下記のような現場での就職が見込めます。
- 森林組合
- 林業関連会社
- 木材を取り扱う会社 など
中でも林業就業人口の多くを占めるのが森林組合で、体力的に問題がない人であれば、中高年でも就職先が見つかるでしょう。
林業架線作業主任者になるとどんな悩みが解決できる?
林業架線作業主任者になると、次のような悩み・問題の解決に役立てます。
- 林業架線作業主任者が解決できること
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- 伐採した原木を運び出したり、設備を組み立てたりといった作業の安全性を保つ
- 適切な作業指示を出し、現場を統括することで事故や労働災害を防ぐ
林業架線作業主任者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
林業架線作業主任者の資格を取得するには、林業架線作業主任者免許試験に合格し、免許を申請する必要があります。この試験の受験資格に制限はなく、年齢や学歴、職歴を問わずどなたでも受験できますが、試験合格後に免許を申請する際には、3年以上の林業架線作業の業務経験を証明する書類が必要です。
取得にかかる費用
林業架線作業主任者免許試験の受験にかかる費用は、6,800円です。
林業架線作業主任者はどんな人におすすめの資格?
林業架線作業主任者は、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- 林業架線作業主任者の資格取得がおすすめな人
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- 体力に自信があり、林業に従事したい人
- 資格を取得することで、時給や年収を上げたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
林業架線作業主任者の資格を管理し、免許試験を実施しているのは、「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」です。試験は例年年に1回行われますが、その年の試験日程や会場、受験申請に必要な手続きについては、下記の公式HPからご確認ください。
まとめ:林業架線作業主任者は、林業でのキャリア形成を考える人におすすめの資格!
近年は林業に従事する人の数が減っているため、林業架線作業主任者は重宝される資格です。免許試験の合格率は約60%と難易度も低めなので、自然に囲まれた環境で働きたいという方はぜひ前向きにトライを!
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