風邪や怪我で病院に行ったとき、診察と治療を行ってくれる「医師」は、私たちの健康な生活に欠かせない存在です。今回はこの「医師」とはどんな仕事を行う国家資格か、資格取得に必要な条件や取得によるメリット、就職先などをお伝えしていきます。
医師とは、どんな資格?
医師とは、怪我や病気に苦しんでいる人を診察し、治療(診療)する専門職です。これらは医師にだけ許される行為で、国家資格である「医師免許」を取得し、病院で2年以上臨床研修医としての経験を積んだ人が、医師になることができます。
医師は下記の2種類に大別され、それぞれで仕事内容が異なります。
- 臨床医
- 患者と向き合い、診療を行う医師。内科・小児科・整形外科など、専門とする分野(診療科)ごとに分かれて診療を行う。
- 研究医
- 大学や研究所に在籍し、薬剤や治療法、生理的反応といった基礎研究を行う医師。新しい医療技術や新薬の開発に携わる。
学ぶ知識・技術
医師になるには、例年春に行われる医師国家試験に合格する必要があります。
試験内容は、「臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知能」で、人体や病理に関する様々な分野の知識が問われます。基礎医学・臨床医学・社会医学など、医学関連科目のすべてが出題範囲です。近年の出題傾向としては、特に次の10科目が重要になっています。
- 消化器
- 循環器
- 内分泌・代謝
- 呼吸器
- 神経
- 救急
- 小児科
- 産科
- 医学総論
- 公衆衛生
なお、医師国家試験では、下記の3タイプで問題が出題されます。
- 臨床問題(各1点・計200問)
- 症例文を読んだ上で、その症例への対応や疾患についての知識が問われる問題。
- 一般問題(各1点・計100問)
- 短文でピンポイントな知識を問う問題(疾患の知識など)。
- 必修問題(必修臨床各3点・必修一般各1点・計100問
- 医師として必ず知っておくべき知識を問う問題。倫理・法規などの社会的なテーマ、プライマリケアに関するテーマ,チーム医療や患者の心理的側面に関するテーマなどが含まれ、一般教養や医学英語も出題される。
医師国家試験の合格率は例年90%以上と高く、6年間医学部でしっかり学んだ人であれば、問題なく合格できる傾向にあります。
医師で目指せる職業、就職先は?
医師免許を取得後に目指せる、具体的な就職先は以下の通りです。
- 医療施設(病院・診療所)
- 大きな病院では、「内科」「外科」「産婦人科」「泌尿器科」「小児科」「産婦人科」「麻酔科」「眼科」「耳鼻科」「皮膚科」「整形外科」「形成外科」「精神科」など細かく専門科が分けられ、自分の希望する診療科で診察を行うことになります。ただ、小規模な病院や診療所では、一人の医師が色々な病気や怪我を診る場合もあります。
- 研究機関
- 大学などの研究機関に所属し、実験や症例などのデータの収集をして学会で発表することで、医学の発展に貢献します。
- 企業
- 特定の会社で社員の健康を守るために働く「産業医」の道もあります。
医師になるとどんな悩みが解決できる?
医師になると、下記のような悩みや問題の解決に貢献できます。
- 医師が解決できること
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- 診察や治療を通じて病気を治し、人々の心と体の健康を支える
- 病院や公共セミナーでの講演、メディアなどで健康に関する情報を伝え、人々が病気になるのを未然に防ぐ
医師の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
医師免許を取得するには、まず国家試験に合格する必要がありますが、試験を受けられるのは下記の条件を満たした人のみです。
医師国家試験の受験資格(次のいずれかに該当する)
- 学校教育法に基づく大学において、医学の正規の課題を修めて卒業した者
- 医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療および公衆衛生に関する実地訓練を経た者
- 外国の医学校を卒業し、または外国で医師免許を得た者で、1・2と同等の学力・技能を有している者
- 沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第17条第1項の規程により、医師法の規定による医師免許を受けたとみなされる者、かつ厚生労働大臣が認定した者
国家試験に合格し、医師免許を取得した後は、2年間研修医として臨床経験を積むことで、正式に医師として医療行為を行えるようになります。
取得にかかる費用
医師国家試験の受験手数料は、15,300円です。
医師はどんな人におすすめの資格?
医師になるには難関の医学部受験を突破し、国家試験の合格に向けて勉強を続けなければなりません。また臨床医を目指す場合、人と接する機会が多く多忙のため、下記のような素質を持っている人が向いていると言えます。
- 医師の資格取得がおすすめな人
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- 学ぶことを苦にしない人
- 他人に寄り添う思いやりの心がある人
- 心身ともにタフな人
- 人の健康や命を担うことに対する責任感が持てる人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
医師の資格を管理し、国家試験を実施しているのは「厚生労働省」です。試験は例年春、3日間にわたって行われますが、その年の試験日程や試験会場、必要な受験申請手続きなどについては、下記のHPからご確認ください。
まとめ:医師は難関の国家資格だが、やりがいも将来性も抜群!
医師になるには、6年間医大で学び、国家試験に合格した後、2年の研修期間を積む必要があります。長い道のりの上に膨大な知識が必要ですが、晴れて医師免許を取得した後は、医療現場や一般社会など様々な場所で活躍することができます。医師になりたい人は、地道に勉強を重ねて試験合格を目指しましょう。
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