建築業界・土木業界への就職・転職を希望している人におすすめの資格に「コンクリート技士・コンクリート主任技士」があります。この記事では、コンクリート技士とコンクリート主任技士の違い、試験科目、受験資格などを解説します。
コンクリート技士・コンクリート主任技士とは、どんな資格?
コンクリート技士・主任技士試験とは、コンクリートの製造、施工等に携わる技術者を認定する試験です。技術の向上やコンクリートに対する信頼性を高めることのほか、建設産業の進歩と発展に寄与することを目的とし、試験が実施されています。
- コンクリート技士とは
- コンクリートの製造、施工、配(調)合設計、試験、検査、管理および設計など、日常の技術的業務を実施する能力を有する技術者
- コンクリート主任技士とは
- コンクリート技士の能力に加え、研究および指導などを実施する能力のある、高度の技術を有する技術者
技士試験合格者が上位資格である主任技士試験に合格した場合、主任技士試験合格者となり、技士試験合格者からは削除されます。
コンクリート技士およびコンクリート主任技士は、下記それぞれの団体から次のように定義・位置づけられています。
- 国土交通省:土木工事共通仕様書等
- 「コンクリートの製造、施工、試験、検査及び管理などの技術的業務を実施する能力のある技術者」
- 土木学会「コンクリート標準示方書」、日本建築学会「建築工事標準仕様書 JASS 5 鉄筋コンクリート工事」
- 「コンクリート構造物の施工に関して十分な知識および経験を有する専門技術者」
学ぶ知識・技術
コンクリート技士・コンクリート主任技士になるには、試験に合格する必要があります。
- コンクリート技士試験
- 筆記試験(四肢択一式)
- コンクリート主任技士試験
- 筆記試験(四肢択一式および記述式)
試験は下記の範囲から出題されます。
- 土木学会コンクリート標準示方書(ただし、構造設計関連の内容は除く)、日本建築学会建築工事標準仕様書JASS5 鉄筋コンクリート工事
-
- コンクリート用材料の品質、試験および管理
- コンクリートの配(調)合設計
- コンクリートの試験
- プラントの計画管理
- コンクリートの製造および品質管理
- コンクリートの施工
- コンクリートに関わる環境問題
- その他
- 関係法令(たとえば建築基準法施行令のうちコンクリートの品質ならびに施工に関係する事項)およびコンクリート関係のJIS)
- 小論文
登録の有効期間は、試験に合格した年度の翌年度から4年間です。更新登録することで資格を更新できます。更新登録では研修を受講し、技術水準の維持・向上のために最新の技術・知識を習得します。
コンクリート技士・コンクリート主任技士で目指せる職業、就職先は?
コンクリート技士・主任技士の資格を取得すると、土木業界や建築業界への就職・転職が見込めます。
コンクリート技士は主に、現場でコンクリートの製造や施工、管理を担当します。コンクリート主任技士になると、現場仕事のほか、コンクリートに関する設計図やデザインの確認などにも携わるでしょう。
コンクリート技士・コンクリート主任技士の資格を取得するとどんな悩みが解決できる?
コンクリート技士・主任技士になると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- コンクリート技士・主任技士が解決できること
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- 建築物などに使用されるコンクリートの安全性や品質を保つ
- 建築かやデザイナーのアイデア実現をサポートする
コンクリート技士・コンクリート主任技士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
コンクリート技士・主任技士試験を受験するには、下記の要件を満たす必要があります。
コンクリート主任技士の受験資格
- A1~A7
- コンクリート診断士、一級建築士、技術士(建設部門・農業部門-農業土木)、(特別上級・上級・1級)土木技術者(土木学会)、RCCM(鉄鋼及びコンクリート)(建設コンサルタンツ協会)、コンクリート構造診断士(プレストレストコンクリート工学会)いずれかの有資格者
- A8
- 1級土木施工管理技士または1級建築施工管理技士
- B1
- コンクリートの技術関係業務の実務経験を7年以上有する者、またはコンクリート技士試験合格後2年以上の実務経験を有する者
- B2、B3
- 大学、高専(専攻科)、短大で、コンクリート技術に関する科目を履修して卒業した者で、コンクリートの技術関係業務の実務経験4年以上を有する者
- B4、B5
- 短大または高専で、コンクリート技術に関する科目を履修して卒業した者で、コンクリートの技術関係業務の実務経験4年以上を有する者
- B6
- 高校で、コンクリート技術に関する科目を履修して卒業した者で、コンクリートの技術関係業務の実務経験5年以上を有する者
コンクリート技士
- A1~A7
- コンクリート診断士、一級建築士、技術士(建設部門・農業部門-農業土木)、(特別上級・上級・1級)土木技術者(土木学会)、RCCM(鉄鋼及びコンクリート)(建設コンサルタンツ協会)、コンクリート構造診断士(プレストレストコンクリート工学会)いずれかの有資格者
- A8
- 1級土木施工管理技士または1級建築施工管理技士
- B1
- コンクリートの技術関係業務の実務経験を3年以上有する者
- B2、B3
- 大学、高専(専攻科)、短大で、コンクリート技術に関する科目を履修して卒業した者で、コンクリートの技術関係業務の実務経験2年以上を有する者
- B4、B5
- 短大または高専で、コンクリート技術に関する科目を履修して卒業した者で、コンクリートの技術関係業務の実務経験2年以上を有する者
- B6
- 高校で、コンクリート技術に関する科目を履修して卒業した者で、コンクリートの技術関係業務の実務経験2年以上を有する者
取得にかかる費用
コンクリート技士・コンクリート主任技士の資格を取得するためにかかる費用は下記の通りです。
- 受験願書
- 1部1,000円(税・送料込)
- 試験受験料
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- コンクリート主任技士:11,000円(税込)
- コンクリート技士:8,800円(税込)
- 更新登録の受講費用
- 8,800円(税込)
コンクリート技士・コンクリート主任技士試験の日程
コンクリート技士・主任技士試験は、年一回開催されます。試験は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄で開催されます。
コンクリート技士・コンクリート主任技士はどんな人におすすめの資格?
コンクリートは現代の建築に欠かせませんので、コンクリート技士・コンクリート主任技士が取得した知識・技術は今後も重宝されるでしょう。コンクリート技士・コンクリート主任技士の資格を取得すると、建築業界と土木業界への就職・転職に役立ちます。高収入を目指して大手企業への就職を目指すこともできます。
コンクリート技士・コンクリート主任技士の資格は、コンクリート診断士試験の受験資格要件の一つです。コンクリート診断士の資格取得を目指す人は、まずはコンクリート技士・主任技士の資格取得を目指すのもおすすめです。
- コンクリート技士・コンクリート主任技士の資格取得がおすすめな人
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- 安定した業界に就職・転職したい人
- 高収入の職に就きたい人
- コンクリート診断士試験の資格取得を目指す人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
コンクリート技士・コンクリート主任技士の資格を管理しているのは、公益社団法人 日本コンクリート工学会です。試験の詳細や申込については、下記HPから確認してください。
まとめ:コンクリート技士・コンクリート主任技士は将来性・安定性がある職種!
コンクリート技士・コンクリート主任技士は、建築業界や土木業界でコンクリートの専門家として働きます。コンクリートに関する専門知識・技術を習得していますので、これからの時代も重宝される存在です。大手企業に就職・転職できれば高収入も望めますので、興味がある人は資格取得を目指してみてはいかがでしょう。
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