情報化社会の現代、私たちの生活に不可欠になっているのが電気通信ですが、そんな電気通信設備の工事・運用などの監督を行うのが「電気通信主任技術者」です。今回はこの電気通信主任技術者とはどんな国家資格か、資格取得の方法や取得のメリットなどをお伝えしていきます。
電気通信主任技術者とは、どんな資格?
電気通信主任技術者とは、事業用の電気通信設備(有線や無線といった「伝送路」を有する一定規模の通信設備)の工事と設備の維持・運用をする監督者です。事業用電気通信設備を、総務省令で定める技術基準に適合するよう維持するために、電気通信事業者が選任します。
電気通信主任技術者は資格に応じて、次の2種類に区分されます。それぞれで業務内容も異なります。
- 伝送交換主任技術者
- 伝電気通信事業に必要な送交換設備、およびこれに附属する設備の工事・維持・運用を行う。
- 線路主任技術者
- 線路設備およびこれに附属する設備の工事・維持・運用を行う。
学ぶ知識・技術
電気通信主任技術者になるには、国家試験に合格する必要があります。「伝送交換主任技術者」「線路主任技術者」それぞれで試験が分けられ、問われる知識・技術も下記のように異なります。
伝送交換主任技術者
- 電気通信システム
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- 電気通信工学の基礎
- 電気通信システムの大要
- 専門的能力
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- 伝送、無線、交換、データ通信及び通信電力のうちいずれか一分野に関する専門的能力
- 伝送交換設備及び設備管理
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- 伝送交換設備の概要、ならびに当該設備の設備管理及びセキュリティ管理
- 法規
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- 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)及びこれに基づく命令
- 有線電気通信法(昭和28年法律第96号)及びこれに基づく命令
- 電波法(昭和25年法律第131号)及びこれに基づく命令
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)並びに電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)に基づく命令
- 国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の大要
線路主任技術者
- 電気通信システム
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- 電気通信工学の基礎
- 電気通信システムの大要
- 専門的能力
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- 通信線路、通信土木及び水底線路のうち、いずれか一分野に関する専門的能力
- 線路設備及び設備管理
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- 線路設備の概要、当該設備の設備管理及びセキュリティ管理
- 法規
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- 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)及びこれに基づく命令
- 有線電気通信法(昭和28年法律第96号)及びこれに基づく命令
- 電波法(昭和25年法律第131号)及びこれに基づく命令
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)並びに電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)に基づく命令
- 国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の大要
電気通信主任技術者で目指せる職業、就職先は?
電気通信主任技術者の資格があると、下記のような業種での就職・転職が有利になることが期待できます。
- ネットワーク事業(電話会社、無線会社、電気通信会社など)
- 無線LANシステムや高速通信の通信設備の建設工事・維持・運用、無線機据付や調整・試験運転などの監督業務、電波測定、調査、分析、エリア分析などの業務を行います。
- 家電メーカー
- 回線ジャンパーなどの電気通信工事の監督などを行います。
電気通信主任技術者になるとどんな悩みが解決できる?
電気通信主任技術者になると、下記のような悩み・問題の解決に役立ちます。
- 電気通信主任技術者が解決できること
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- 電気通信ネットワークを維持・監督することで、電気通信事故の発生を防ぐ
- 自身の電気通信に関する技術力・知識が向上することで、より適切なネットワーク事業を提案できる
電気通信主任技術者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
電気通信主任技術者の資格を取るには、国家試験を受ける必要がありますが、試験に学歴・職歴・年齢等の制限はなく、どなたでも受験できます。
なお、大学や短大で電気通信工学に関する学科を修めて卒業した人などであれば、実務経験の年数によって一部試験科目が免除されるのでお得です。詳しくは、「一般財団法人 日本データ通信協会」のHPからご参照ください。
取得にかかる費用
電気通信主任技術者の受験にかかる費用は、18,700円です(科目免除数ごとに700円ずつ差し引かれます)。
電気通信主任技術者はどんな人におすすめの資格?
電気通信主任技術者試験は電気通信系資格の中では比較的取得難易度が高く、事業場は有資格者を選任しなければなりません。そのため需要が高い資格に思えますが、都道府県に選任者が1人でもいれば全ての事業所での兼任が可能になっているため、あまり求人数が多くないのが現状です。
ただ、下記のような人は資格取得がおすすめです。
- 電気通信主任技術者の資格取得がおすすめな人
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- 電気通信事業者や工事会社、それに関係する会社に勤務予定の人
- 電気通信工事や通信関連の実務経験のある人
- 大規模な電話会社で働く人
- 資格取得による給与&キャリアアップを目指す人(30代の平均年収は約400~600万円程度)
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
電気通信主任技術者の資格を管理し、国家試験を実施しているのは「一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター」です。試験日程や会場、受験申請に必要な手続きなどは、下記の公式HPからご確認ください。
▼ 一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター
まとめ:電気通信主任技術者は、電気通信工事・通信関連企業で勤める人におすすめの資格!
電気通信主任技術者は求人数があまり多くはない専門の国家資格ですが、電気通信工事や通信関連の企業に勤める人であれば、資格取得によって昇給やキャリアアップが見込めます。合格率は20%と難易度の高い国家試験なので、しっかり準備をして挑みましょう。
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