大規模な図書館で働きたい人にとって、「国立国会図書館」は魅力的な就職先候補の一つでしょう。今回はこの国立国会図書館職員とはどんな仕事を担うのか、どうすれば職員になれるのかなどを詳しく紹介していきます。
国立国会図書館職員とは、どんな仕事?
国立国会図書館職員とは、国会図書館のスタッフとして司書業務や一般事務などを担当する仕事です。国会図書館は国会に属する施設なので、国立国会図書館職員は特別職の国家公務員として扱われます(勤務条件は、一般職国家公務員とほぼ同様)。国会図書館職員採用試験に合格すればこの職に就くことができますが、近年は財政状況が厳しく、国会図書館職員の定員は削減されているため、実際の採用は非常に狭き門です。
国立国会図書館職員の主な仕事内容は、次の通りです。
- 調査業務
- 国会議員からの依頼を受け、国政審議に関連する「依頼調査」や、国会での議題を予測して調べる「予測調査」を行います。
- 司書業務
- 国内外から集めた資料の整理、蔵書検索システムを通じての資料公開、利用者の資料探しの手伝いなどが該当します。このほか、国内の図書館に向けた資料検索サービス・電子情報提供サービスを運用し、国内の図書館の業務効率向上をサポートします。
- 一般事務
- 国会図書館の方針案のまとめ、建物の管理、人事にかかわる事務、関係機関や国会との連携などが該当します。
なお、上記は総合職・一般職の職員の仕事内容ですが、次のような専門職員も国会図書館で働いています。
- 資料保存専門職員
- 資料保存に関して計画を策定し、保存修復業務(製本実務を含む)や、資料保存(マイクロ資料、電子情報など紙媒体以外の資料の保存を含む)に向けての調整、企画・調査研究を担当します。
- 情報システム・設備専門職員
- 情報システム及び設備機器に関わる企画・調達・維持・管理業務、図書館システムに関わる調査研究業務などを担当します。
学ぶ知識・技術
国立国会図書館職員になるには、「国会図書館職員採用試験」に合格する必要があります。試験は総合職、一般職、資料保存専門職員、情報システム・設備専門職員それぞれで分けられ、下記の知識が問われます。
総合職、一般職、資料保存専門職員
- 一次試験
- 一般教養(多肢選択式)
- 二次試験
-
- 英語の長文読解(記述式)
- 専門知識(記述式/右記のうち、受験者が選択した1科目):法学(憲法、民法、行政法、国際法から2科目)、政治学、経済学、社会学、文学、史学(日本史、東洋史、西洋史から1科目)、図書館情報学、物理学、化学、数学、工学、情報工学(工学全般、情報工学から1科目)、生物学
- 時事的課題についての小論文(総合職のみ)
情報システム・設備専門職員
- 一次試験
- 一般教養(多肢選択式)
- 二次試験
- 専門知識(記述式/右記のうち、受験者が選択した1科目):電気、機械、建築
二次での専門試験の出題レベルは、大学卒業程度です。採用試験は三次まであり、ここでは個別面接や集団面接などを行います。
国立国会図書館職員の勤務先や勤務時間は?
国会図書館職員採用試験に最終合格した人は、常勤職員として採用され、次のいずれかの施設で勤務することになります。
- 東京本館(東京)
- 関西館(京都)
- 国際子ども図書館(東京)
基本的な勤務時間は、平日の9:00〜17:45、休日は土曜・日曜日、国民の祝日・休日、年末年始です。
国立国会図書館職員は年収・待遇が良い?
国立国会図書館は国会に属する施設なので、国立国会図書館職員の給与は、国会職員の給与に関する規程に基づいて支払われます。また給与に加え、地域手当、期末手当、勤勉手当、住居手当、通勤手当など手厚く手当が加算されるので、一般の民間企業よりも高い年収が見込めるでしょう。初任給は総合職で約21万円、一般職で約20万円です。
なお、男性・女性職員がほぼ同数在籍しており、女性管理職が多いため、産休・育休、介護休業を取りやすい職場ともいわれています。
国立国会図書館職員になるとどんな悩みが解決できる?
国立国会図書館職員になると、次のような悩み・問題の解決に貢献できます。
- 国立国会図書館職員が解決できること
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- 国内の図書館に向けた資料検索サービスを運用することで、全国各地の図書館業務の効率を向上させる
- 国会議員の立法活動のサポート
- 資料や情報を、国の資産として収集・保存・公開する
国立国会図書館職員として就職できるのはどんな人?
国立国会図書館職員として就職するには、主に年齢や学歴の条件を満たす必要があります。総合職、一般職、資料保存専門職員、情報システム・設備専門職員それぞれの受験資格は下記の通りです。
国立国会図書館職員採用試験の受験資格(令和2年度)
(下記は、令和2年度試験の受験資格です。各年の受験条件については、国立国会図書館の公式HPからご確認ください)
総合職試験
- 昭和61年4月2日から平成12年4月1日までに生まれた者
- 平成12年4月2日以降に生まれた者で次に掲げるもの
-
- 学校教育法による大学を卒業した者、または令和3年3月までに卒業する見込みの者
- 館長が1と同等の資格があると認める者
一般職、資料保存専門職員、情報システム・設備専門職員試験
- 昭和61年4月2日から平成12年4月1日までに生まれた者
- 平成12年4月2日以降に生まれた者で次に掲げるもの
-
- 学校教育法による大学を卒業した者、または令和3年3月までに卒業する見込みの者
- 学校教育法による短期大学もしくは高等専門学校を卒業した者、または令和3年3月までに卒業する見込みの者
- 館長が1または2と同等の資格があると認める者
国立国会図書館職員はどんな人におすすめの仕事?
国立国会図書館職員は、次のような人におすすめの仕事です。
- 国立国会図書館職員になるのがおすすめな人
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- 読書が好きな人
- 資料やインターネットなどを使って調べ物をするのが得意な人
- 必要な情報を得られるまで、粘り強く仕事を続ける忍耐力がある人
- 国会議員や一般利用者まで、幅広い立場の人の調べ物をサポートすることにやりがいを感じる人
求人はどこで見られる?問い合わせ先は?
国立国会図書館の職員募集は、「国立国会図書館」の公式HPで毎年行われます。採用試験についての詳細は、下記からご確認ください。
▼ 国立国会図書館
まとめ:国立国会図書館職員は好待遇だが、求人倍率が高く、非常に狭き門!
国立国会図書館職員の採用試験の倍率は数10倍〜100倍以上とかなりの狭き門ですが、合格して正規職員として採用されれば、安定した年収が見込めます。資料の管理や調査に携わる幅広い業務に興味があり、年齢条件をクリアできている方は、ぜひチャレンジを。
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