建造物の鉄骨を組み立てたり解体したりする現場は、作業員の怪我や事故のリスクが高いのがネックですが、それを未然に防ぐために「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者」が活躍します。どんな国家資格か、仕事内容や取得方法などを紹介していきます。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者とは、どんな資格?
建築にあたって鉄骨の組立て作業を行うには、経験豊富かつ十分な技能を持つ人が現場指揮を取らないと、作業を安全に進められず、また完成した建築物の安全性も確保されない恐れがあります。そこで必要とされる、現場監督・安全指導技術者が「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者」です。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は建築系の国家資格の一つで、高さ5m以上の建築物の骨組みや、塔で金属製の部材によって構成されるものの組立て・解体・変更作業をする際には、事業者は「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習」を修了した者の中から作業主任者を選任し、その者の直接の指揮に基づいて作業方法や労働者の配置の決定、保護具の使用状況の監視等の業務を行わせることが法令で義務付けられています。
仕事内容としては、おおまかに下記の3つに分けられます。
- 建築物等の鉄骨の組立て作業の方法を決定し、直接指揮する
- 材料の欠点の有無ならびに器具・工具を点検し、不良品を取り除く
- 作業中、安全帯や保護帽の使用状況を監視する
学ぶ知識・技術
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の国家資格を取得するには、都道府県労働局長の登録を受けた機関・団体が実施する「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習」を受講し、修了試験に合格する必要があります。講習期間は2日間(12時間)で、次のような知識を習得していきます。
- 施業の方法に関する知識
- 建築物及び塔の種類・材料・構造・設計図や工作図、建築物等の鉄骨の組立て等の作業方法・点検
- 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識
- 工事用設備及び機械の取り扱い
- 作業に対する教育等に関する知識
- 関係法令
- 労働安全衛生法、労働安全衛生規則、クレーン等安全規則など
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者で目指せる職業、就職先は?
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の主な就職先は、工務店などの土木・建築企業です。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者になるとどんな悩みが解決できる?
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者になると、次のような悩み・問題が解決できるようになります。
- 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者が解決できること
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- 建築物の骨組みの組み立て・解体作業の現場で、安全面の監督・指導をすることで、労働災害を防止する
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受講資格)
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の資格を取得するには、技能講習を受講し、修了試験に合格する必要があります。講習を受講できるのは、下記の条件を満たした人です。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習の受験資格
- 満21才以上で、当該作業に3年以上従事した経験を有する者
- 満20才以上で、大学・高専・高校・中学において土木・建築に関する学科を専攻して卒業し、その後当該作業に2年以上従事した経験を有する者
取得にかかる費用
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習の受講にかかる費用は、受講先の機関によって異なりますが、相場はおおよそ1万円です(テキスト代数千円も別途かかります)。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者はどんな人におすすめの資格?
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の資格取得がおすすめな人
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- とび職の仕事をしており、資格取得によって就職や転職を有利に進めたい人
- 体力と現場をまとめるコミュニケーション能力に自信があり、責任感の強い人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の資格を管理し、講習を開催している主要な機関は、「建設業労働災害防止協会」です。資格講習は全国で実施されており、それぞれの支部で講習日程は異なるので、詳しくは下記のHPからご確認ください。
まとめ:とび職としてのキャリアアップを目指すなら、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の資格取得を
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の国家資格は、技能講習を受ければほぼ100%の人が取得できます。とび職をしており、将来的なキャリアアップや現場監督業などを目指している人は、ぜひ受講の申し込みを。
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