私たちが日々生活する上で欠かせないエネルギーを供給しているのが原子炉ですが、原子炉は安全に管理しないと大災害をもたらす恐れがあるため、専門の技術者が保安・監督をする必要があります。そこで活躍する「原子炉主任技術者」について、役割や資格取得のメリットなどを紹介していきます。
原子炉主任技術者とは、どんな資格?
原子炉主任技術者とは、電力会社や原子力発電所など、原子炉が運転している現場で保安・監督を務める国家資格です。原子力災害は人体にも自然にも甚大な被害をもたらすものなので、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づき、原子炉の設置者は原子炉主任技術者を選任し、原子炉の監督を行わせることが義務づけられています。
学ぶ知識・技術
原子炉主任技術者になるには、国家試験に合格する必要があります。一次試験は筆記、二次試験は口頭形式で、それぞれ次の知識が問われます。
- 筆記試験
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- 原子炉に関する法令
- 原子炉理論
- 原子炉の設計
- 原子炉の運転制御
- 原子炉燃料及び原子炉材料
- 放射線測定及び放射線障害の防止
- 口答試験
- 原子炉の運転を行うために必要な実務的知識が問われます
原子炉主任技術者で目指せる職業、就職先は?
原子炉主任技術者の主な就職先は、原子炉を扱う電力会社や原子力発電の研究所です。原子炉を設置する会社では必ず有資格者を配置するよう法律で決められているため、資格を取得している人は就職や転職が有利に進みやすいでしょう。
原子炉主任技術者になるとどんな悩みが解決できる?
原子炉主任技術者になると、次のような悩み・問題が解決できるようになります。
- 原子炉主任技術者が解決できること
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- 原子炉を運転する現場で保安・監督を徹底することで、原子力災害を未然に防ぎ、人命や自然、国家を危機から守る
- 原子炉の安全性を保ち、核燃料によるエネルギー供給を存続させる
原子炉主任技術者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
原子炉主任技術者の資格を取得するには、原子炉主任技術者試験に合格する必要がありますが、試験は年齢や学歴を問わずどなたでも受験できます。ただし、筆記試験合格後に口答試験を受けるには、下記の条件を満たさなくてはなりません。
- 原子炉の運転に関する業務に6ヵ月以上従事した者
- 経済産業大臣および文部科学大臣が指定した講習機関等で原子炉の運転に関する課程を修了した者
取得にかかる費用
原子炉主任技術者試験の受験にかかる費用は、52,100円です。
原子炉主任技術者はどんな人におすすめの資格?
原子炉主任技術者は、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- 原子炉主任技術者の資格取得がおすすめな人
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- 強い責任感がある人
- 高い注意力を持って、正確に仕事ができる人
- 電力会社や原子力関連企業でのキャリアアップ、年収アップを目指したい人(中堅クラスの平均年収は600万円前後)
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
原子炉主任技術者の資格を管理し、試験を実施しているのは、「原子力規制委員会」です。試験は例年東京のみで開催され、筆記試験は3月上旬、口述試験は7月上旬頃に行われますが、その年の試験日程や申し込みについては下記の公式HPからご確認ください。
▼ 原子力規制委員会
まとめ:原子炉主任技術者は、関連企業で重宝される&高い年収を見込める資格!
原子炉主任技術者は多くの専門知識が必要であり、責任が重い職種な分、関連業界では求人・給与面で優遇されやすいです。電力会社や原子力企業で安定したキャリアパスを形成したい人は、ぜひ取得に向けてトライを。
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