ビルや工場、病院などの冷暖房はボイラーが必要ですが、ボイラーの安全性を保つ「ボイラー整備士」という国家資格をご存知でしょうか。
この記事ではボイラー整備士とはどんな資格か、ボイラー整備士とボイラー技士の違い、仕事内容や試験で問われる知識、ボイラー整備士の平均年収、免許交付に必要な実務経験などをお伝えしていきます。
ボイラー整備士とは、どんな資格?
ボイラー整備士とは、蒸気や温水を作り出すボイラー(一定規格以上)や第一種圧力容器の掃除や整備業務を手掛ける専門職です。お風呂を沸かす給湯システム、大型建物の暖房・冷房の熱源など、ボイラーは私たちの生活に密接に関係しており、これらの機器に不備や故障が見られたときにボイラー整備士が活躍します。
具体的な仕事内容は、以下の通りです。
- ボイラーや第一種圧力容器の点検・交換
- ボイラーや第一種圧力容器の内部を分解し、清掃する
- ボイラーや第一種圧力容器の整備をし、安全動作を確保する(ボイラーを停止させて水を出すなど)
学ぶ知識・技術
ボイラー整備士になるには、資格試験に合格するために、下記の知識を習得しておく必要があります。
- ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に関する知識
- ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に使用する器材、薬品等に関する知識
- 関係法令
- ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識
ボイラー整備士で目指せる職業、就職先は?
ボイラー整備士の資格があると、主にメンテナンス会社での就職が有利に進みやすくなります。
近年はボイラーの稼働状態をPCで常時監視するスタイルのため、異常を感知した時にメンテナンス会社に通知が届き、工場、ホテル、病院、学校などのボイラー設備がある場所に駆けつけることになります。
ボイラー整備士とボイラー技士の違い
ボイラー整備士とボイラー技士ではできる仕事が異なりますが、両方の資格を取得するメリットがあります。
- ボイラー整備士ができること
- 一定規格以上のボイラーや第一種圧力容器に関する点検・整備をすることができる。ボイラーの内部を分解し清掃することも可能。
- ボイラー技士ができること
- ボイラーの管理や取扱、運転ができ、ボイラーによって水に熱を加え、温水や蒸気を供給できる状態に保つ。
ボイラー技士の資格だけでは、ボイラーの整備や清掃はできません。ボイラー整備士の資格だけでは、ボイラーの運転はできません。つまり、ボイラーの運転に加えてボイラーの整備や清掃を行う仕事に就くためには、両方の資格を取得しなければなりません。
ボイラー技士の資格を取得した場合、「ボイラー取扱作業主任者」へのキャリアパスも描けます。ボイラー技士の資格については、下記の記事で詳しくまとめていますので参考にしてください。
ボイラー整備士になるとどんな悩みが解決できる?
ボイラー整備士になると、下記のような悩み・問題の解決に役立てるようになります。
- ボイラー整備士が解決できること
-
- ボイラー技士が点検時に不備を発見した際、代わりに整備作業を行い、ボイラー技士が安全の業務を遂行できるようサポートする
- 工場やビル、病院、施設などメンテナンスの業務請負をしている現場で、ボイラー関連の異常が起きた時、速やかに駆けつけ対処し、事故を未然に防ぐ
ボイラー整備士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
ボイラー整備士の国家資格を取得するには、試験に合格する必要があります。この試験は、年齢や学歴、職歴を問わずどなたでも受験できます(受験には本人確認証明書の添付が必要)。
ただし、試験に合格して免許交付を受けるためには、所定の実務経験が必要です。ボイラー整備士の免許交付要件は下記のように定められています。
- 一定規模以上のボイラーまたは第一種圧力容器の整備の補助業務を6ヶ月以上経験した者
- 小規模ボイラーまたは一定規模未満の第一種圧力容器の整備業務を6ヶ月以上経験した者
- 職業能力開発促進法による職業訓練の内ボイラー運転科を修了した者
取得にかかる費用
ボイラー整備士試験の受験にかかる費用は、6,800円です。
ボイラー整備士はどんな人におすすめの資格?
ボイラー整備士は、下記のような人におすすめの資格です。
- ボイラー整備士の資格取得がおすすめな人
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- ボイラー技士(特級、一級、二級)免許を取得している人(試験科目が一部免除されます)
- ボイラー整備のプロとしてキャリアや年収をアップさせたい人
- 求人数の多い専門職に就きたい人
- 几帳面な性格で、機械いじりが好きな人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ボイラー技士の国家資格を管理し、試験を実施しているのは「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」です。試験は例年2月、6月、10月に行われますが、その年の試験日程や試験会場、申請に必要な手続きについては、下記の公式HPからご確認ください。
まとめ:ボイラー整備士は中高年以降でも就職が見込める資格!
ボイラー整備士の平均年収は約400万円と、一般的なサラリーマンとそこまで変わりませんが、他業種と比べて年齢制限が比較的ゆるく、中高年以降になっても就職が見込める職種です。資格試験は誰でも受けられるので、興味のある人はぜひ取得に向けてチャレンジを。
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