エネルギー資源に乏しい日本において、社会的ニーズが高い国家資格が「エネルギー管理士」です。このエネルギー管理士とはどんな資格か、担当する仕事内容や、資格の取得方法、取得後のメリットなどを紹介していきます。
エネルギー管理士とは、どんな資格?
エネルギー管理士は、石油資源を元とした電気・ガス・油などのエネルギーを大量に消費する工場や事業所で、エネルギー使用量や使用方法の監視・改善を指揮する責任者です。省エネを推進するために設立された国家資格で、一定以上のエネルギーを消費する工場や事業所では、規模に応じた人数のエネルギー管理士を配置することが義務付けられています。
エネルギー管理士の主な仕事内容は、下記の通りです。
- 定期報告書と中長期計画書の作成
- 勤務先の各設備でどれだけエネルギーが使用されているのか、前年度の電気・燃料の使用状況を正確に集計し、国に報告・提出します。
- 省エネルギーに向けた指導・施策の推進
- 勤務先の各設備のエネルギーの使用方法を見直して改善し、工場の省エネ化を促進します。
学ぶ知識・技術
エネルギー管理士の国家資格の取得方法は、「国家試験による取得」と「認定研修による取得」の2種類があります。それぞれ合格するには、下記の知識を習得することが必要です。
エネルギー管理士国家試験で必要な知識
受験科目は「エネルギー総合管理及び法規」を共通科目として、「熱管理士科目」か「電気管理士科目」のいずれかを選択科目とします。
- 必須科目:エネルギー総合管理及び法規(80分)
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- エネルギー使用の合理化等に関する法律及び命令(1題)
- エネルギー総合管理:エネルギー情勢・政策、エネルギー概論(1題)+エネルギー管理技術の基礎(1題)
- 選択科目(★熱管理士科目を選択した場合)
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- 熱と流体の流れの基礎(110分):熱力学基礎(2題)+流体工学基礎(1題)+伝熱工学基礎(1題)
- 熱利用設備及びその管理(110分):計測及び制御(2題)+熱利用設備(4題中、2問を選択)
- 燃料と燃焼(80分):燃料及び燃焼管理(2題)+燃焼計算(1題)
- 選択科目(★電気管理士を選択した場合)
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- 電気設備及び機器(110分): 工場配電(2題)+電気機器(2題)
- 電力応用(110分):電動力応用(2題)+電気加熱・電気化学・照明・空気調和の4題中、2題を選択
- 電気の基礎(80分):電気及び電子理論(1題)+自動制御及び情報処理(1題)+電気計測(1題)
エネルギー管理士の認定研修で習得していく知識
認定研修も「熱分野専門区分」「電気分野専門区分」の2種類から選ぶ形式で、それぞれ下記の知識を習得していきます。
- エネルギー管理研修(★熱分野専門区分を選択した場合)
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- エネルギー総合管理及び法規
- 熱と流体の流れの基礎
- 燃料と燃焼
- 熱利用設備及びその管理
- エネルギー管理研修(★電気分野専門区分を選択した場合)
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- エネルギー総合管理及び法規
- 電気の基礎
- 電気設備及び機器
- 電気応用
- エネルギー管理研修修了試験(★熱分野専門区分を選択した場合)
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- エネルギー総合管理及び法規(80分):エネルギー使用の合理化等に関する法律及び命令(1題)+エネルギー総合管理(2題)
- 熱利用設備及びその管理(90分):計測及び制御(2題)+熱利用設備(4題中、2問を選択)
- 熱と流体の流れの基礎(110分):熱力学基礎(2題)+流体工学基礎(1題)+伝熱工学基礎(1題)
- 燃料と燃焼(80分):燃料及び燃焼管理(2題)+燃焼計算(1題)
- エネルギー管理研修修了試験(★電気分野専門区分を選択した場合)
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- エネルギー総合管理及び法規(80分):エネルギー使用の合理化等に関する法律及び命令(1題)+エネルギー総合管理(2題)
- 電気の基礎(90分):電気及び電子理論(1題)+自動制御及び情報処理(1題)+電気計測(1題)
- 電力応用(110分):電動力応用(1題)+電気加熱・電気化学・照明・空気調和の4題中、2題を選択解答
- 電気設備及び機器(80分):工場配電(1題)+電気機器(1題)
エネルギー管理士で目指せる職業、就職先は?
エネルギー管理士の主な職場は、「第1種エネルギー管理指定工場」(年間で原油換算3,000キロリットル以上のエネルギーを使用し、「省エネルギー法」で指定された工場のこと)です。
この第1種エネルギー管理指定工場の中でも、「製造業」「鉱業」「電気供給業」「ガス供給業」「熱供給業」の5業種に関しては、エネルギー管理士を1~4名置くことが義務付けられているため、これらの工場を対象として就職先を探していくのが良いでしょう。具体的には、自動車工場や電子機器工場、化粧品工場、食品工場などの電気・石油エネルギーの消費の多い企業が該当します。
エネルギー管理士になるとどんな悩みが解決できる?
エネルギー管理士になると、次のような悩み・問題が解決できるようになります。
- エネルギー管理士が解決できること
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- エネルギー資源の乏しい日本において、多くのエネルギーを使用する工場での節電を管理し、大災害時に備える
エネルギー管理士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
先ほども述べた通り、エネルギー管理士の国家資格の取得方法は、「国家試験による取得」と「認定研修による取得」の2種類があります。それぞれ受験・受講資格は下記の通りです。
エネルギー管理士国家試験・認定研修の受験・受講資格
エネルギー管理士の国家試験は、年齢や学歴、職歴を問わずどなたでも受験できますが、免状の申請を行うには、受験の前後に1年以上の実務経験を積むことが必要です。
一方の認定研修は、「エネルギー使用の合理化に関する実務に3年以上従事した人」でないと受講できません。
取得にかかる費用
エネルギー管理士の国家試験・認定研修にかかる費用は、それぞれ下記の通りです。
- エネルギー管理士国家試験
- 17,000円
- エネルギー管理士認定研修
- 70,000円
エネルギー管理士はどんな人におすすめの資格?
エネルギー管理士は、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- エネルギー管理士の資格取得がおすすめな人
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- 電力・エネルギー会社での就職・転職を有利に進めたい人
- 年収の高い仕事に就きたい人(平均年収は500〜600万円。キャリアを積めば、1000万円代での転職も目指せる)
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
エネルギー管理士の資格を管理しているのは、「一般財団法人 省エネルギーセンター(ECCJ)」です。試験や認定研修の日程や申し込みについては、下記のHPからご確認ください。
まとめ:電気・燃料等のエネルギー業界でキャリアアップするなら、エネルギー管理士はおすすめの資格!
エネルギー管理士の資格を取得すると、製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業と幅広い業界での活躍が見込めるようになります。一般的なエネルギー系技術専門職よりも高い年収が期待できるので、この業界でキャリア形成をしたい人はぜひ資格の取得を。
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