企業分析やリスクマネジメントは、スキルアップやキャリアアップを目指すビジネスパーソンにとってメリットの大きい能力です。この記事では「ビジネス実務与信管理検定試験」について、1級、2級、3級の対象目安や合格率、受験科目免除に該当する資格などを解説します。
ビジネス実務与信管理検定試験とは、どんな資格?
ビジネス実務与信管理検定とは、与信管理に関わる実務能力を測定する検定試験です。与信管理に関わる実務能力は、リスクマネジメントの基本ともいえます。ビジネスにおけるリスクを評価し、問題点を解決する能力につながる能力です。審査部門や審査業務に携わる人はもちろん、企業分析にも役立つスキルが磨かれるでしょう。
ビジネス実務与信管理検定には、1級、2級、3級の級数があります。1級が最も難易度の高い級数です。
3級
3級の対象目安や求められる能力は下記の通りです。
- 対象目安
- 1~2年程度の業務経験を有する社会人全般
-
- ビジネスパーソンとして業務上理解しておくべき基礎的な与信管理知識
- リスクの発見と評価能力
- 一般的なリスクマネジメント手法に関する理解
2級
2級の対象目安や求められる能力は下記の通りです。
- 対象目安
- 1~3年程度の業務経験を有する審査部門のスタッフ、営業及びその他の部門で3~5年程度の業務経験を有する社会人全般
-
- ビジネス全般にわたる、業務上必要な与信管理実務知識
- リスクの評価を行い、リスクに応じたリスクマネジメント手法を選択する能力
1級
1級の対象目安や求められる能力は下記の通りです。
- 対象目安
- 3~5年程度の業務経験を有する審査部門のスタッフ、営業及びその他の部門における管理職
-
- ビジネス全般にわたる、高度な与信管理知識
- 多面的な観点からリスクの評価を行い、自社の実態を踏まえた、多様なリスクマネジメントの方策を立案・遂行する能力
- リスクマネジメント方策および経営戦略を実現するための実務対応力
学ぶ知識・技術
ビジネス実務与信管理検定試験を取得するためには、試験に合格する必要があります。
3級
3級の試験概要は下記の通りです。不合格になった場合でも、1つのIDにつき合格するまで最大3回受験できます。
- 試験形式
- CBTによる4択
- 試験時間
- 30分
- 出題数
- 40問
- 合格基準
- 100点満点の70点以上
- 出題範囲
-
- 与信管理の基礎
- 信用情報の収集
- 財務分析・定性分析
- 与信管理制度の構築と運用
- 契約法
- 債権保全と債権回収
2級
2級の試験概要は下記の通りです。
- 試験形式
- 4肢択一、記述問題
- 試験時間
- 60分
- 出題数
- 50問
- 合格基準
- 100点満点の70点以上
- 出題範囲
-
- 与信管理の基礎
- 信用情報の収集
- 財務分析・定性分析
- 与信管理制度の構築と運用
- 契約法
- 債権保全と債権回収
1級
1級の試験概要は下記の通りです。
- 試験形式
- 4肢択一、記述問題
- 試験時間
- 60分/科目
- 出題数
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- 与信管理の基礎(40問)
- 経理・財務分析(29問)
- 債権保全・改修に関する法務(40問)
- 合格基準
- 100点満点の70点以上
- 出題範囲
-
- 与信管理の基礎
- 経理・財務分析
- 債権保全・改修に関する法務
ビジネス実務与信管理検定試験で目指せる職業、就職先は?
ビジネス実務与信管理検定試験を取得すると、審査部門への就職のほか財務や法務などへの就職・転職で自己アピールにつながるでしょう。
ビジネス実務与信管理検定試験を取得するとどんな悩みが解決できる?
ビジネス実務与信管理検定試験を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- ビジネス実務与信管理検定試験が解決できること
-
- 商取引におけるリスクを多面的に評価できる
- 財務知識を企業分析に役立てられる
- 販売戦略や経営戦略の立案・遂行ができる
ビジネス実務与信管理検定試験の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
ビジネス実務与信管理検定の受験資格に制限はありません。また、下記の科目においては所定の資格所有者は受験免除を受けられます。
- 経理・財務分析
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- 公認会計士(会計士補含む)
- 税理士
- 中小企業診断士
- 簿記1級合格者
- 債権保全・回収に関する法務
-
- 弁護士
- 司法書士
- ビジネス実務法務1級合格者
取得にかかる費用
ビジネス実務与信管理検定の各級の受験費用は、下記のように定められています。
- 3級:無料
- 2級:3,300円(税込)
- 1級:科目6,600円(税込)
ビジネス実務与信管理検定試験の日程
ビジネス実務与信管理検定試験は、2級は年2回、1級は科目ごと年2回のスケジュールで試験が実施されます。
ビジネス実務与信管理検定試験はどんな人におすすめの資格?
与信管理は審査部門の職種の人に求められるスキルですが、その他の職種にも役立ちます。企業評価やリスクマネジメント能力は、管理職や経営陣にも必要です。高度な知識や分析力を習得することで、戦略立案や経営改善にも役立つでしょう。
2級は新入社員など、審査業務の入門の基礎固めに活用することができます。3級から2級、1級へとステップアップすることで、キャリアアップに役立つ知識を着実に習得できます。
2級・3級の合格率は約40~65%が目安です。1級の合格率は約8~14%で、難易度の高い資格試験となります。1級合格を目指す場合、しっかりと試験対策をしましょう。
- ビジネス実務与信管理検定試験の資格取得がおすすめな人
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- 司法書士
- 公認会計士
- 税理士
- 中小企業診断士
- 簿記1級合格者
- 弁護士
- ビジネス実務法務検定1級合格者
- 審査業務に携わる人
- 管理職に就いている人
- 会社の経営改善に関心がある人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ビジネス実務与信管理検定試験を主催・運営しているのは、リスク管理情報研究所です。リスクモンスターが協賛しています。
試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:高難度の1級合格で与信管理のスペシャリストになろう!
ビジネス実務与信管理検定試験は、審査部門で働く人はもちろんですがマネジメント職や経営に関心がある人にもおすすめの資格です。3級から受験して、1級合格を目指すと知識がしっかりと身に付くでしょう。
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