ファッション業界に憧れる人は多いものですが、中でも企画やマーケティング、経営戦略に関心がある人におすすめなのが「ファッションビジネス能力検定」です。この記事ではファッションビジネス能力検定について、1級、2級、3級のレベル目安、試験の出題範囲、受験資格、受験料などを解説します。
ファッションビジネス能力検定とは、どんな資格?
ファッションビジネス能力検定とは、ファッションビジネスの企画や生産、経営などに関する知識を測定する検定試験です。試験は1級、2級、3級があり、1級が最も難易度の高いレベルです。
- 1級
- 教育機関などでファッションビジネスに関する専門教育を2年以上履修し、卒業後アパレル・リテール企業で実務経験を5~6年程度積んだレベル
- 2級
- ファッションビジネスに関する専門基礎教育を2年程度学び、企画や生産から流通にわたるファッションビジネスの業務を遂行する際に必要なファッションとビジネスの専門的な知識と技術を習得しているレベル
- 3級
- ファッションビジネスに関する専門基礎教育を1年程度学び、企画や生産から流通にわたるファッションビジネスの業務を遂行する際に必要なファッションとビジネスの専門的な知識と技術を習得しているレベル
学ぶ知識・技術
ファッションビジネス能力検定を取得するためには、試験に合格する必要があります。
1級
1級の出題範囲は、「マーケティング戦略」「マーチャンダイジング戦略」「流通戦略」「マネジメント知識」「ファッションビジネス知識」の5科目で構成されます。
- 試験方式
- 記述式及び選択式
- 出題範囲:マーケティング戦略
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- マーケティング理論、マーケティングリサーチなど
- ファッションメーカーやインポーターのマーケティング戦略など
- ファッション専門店のマーケティング戦略など
- 大型店やSC、無店舗販売企業のマーケティング戦略など
- 新業態開発、業態革新、全社的マーケティング、グローバルマーケティングなど
- 出題範囲:マーチャンダイジング戦略
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- ファッションMD理論、ファッション情報の収集・分析、新ブランドのMD、既存ブランドのMD再構築など
- ファッションメーカーブランドのMD、デザイン戦略、インポーターのMD戦略など
- アパレルメーカーの素材調達・生産管理、テキスタイル企業のMDなど
- 小売店舗のMD・バイイング、無店舗販売企業のMDなど
- VMD、ファッション店舗知識、商空間開発、ゾーニング、ディスプレイ知識など
- 出題範囲:流通戦略
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- アパレル企業の流通戦略、アパレル営業活動など
- 出店戦略、多店舗化戦略など アパレル企業、ファッションリテーラーのプロモーション戦略など
- 製造業、アパレル企業、小売業のロジスティクス戦略、SCMなど
- テキスタイル企業の流通戦略、ネット販売企業の流通戦略、異業種ミックスの流通など
- 出題範囲:マネジメント知識
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- 会計、財務など
- 企業経営の基礎知識、オペレーション戦略、予算、知的財産権など
- 人事管理、労務管理など
- 情報管理、IT活用、発想法など
- 事業計画(ショップ事業計画、ブランド事業計画)など
- 出題範囲:ファッションビジネス知識
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- 日本経済とファッション産業、ファッション消費など
- ファッション産業構造、ファッションビジネスの変遷など
- ファッション商品知識、ファッションスタイリング知識など
- 素材知識、色彩知識、柄の知識、生産技術知識、サイズ知識など
- ファッション史(レディス、メンズ)、ファッションとデザインの文化など
2級
2級の出題範囲は、「ファッションビジネス知識」と「ファッション造形知識」の2科目で構成されます。
- 試験方式
- マークシート方式
- 出題範囲:ファッションビジネス知識(170問)
-
- ファッションビジネスの特性
- ファッション消費・ファッション生活
- ファッション産業構造
- ファッションマーケティング
- ファッションマーチャンダイジング
- アパレル生産と物流
- ファッション流通とコミュニケーション
- キャリアプラン
- 出題範囲:ビジネス基礎知識(100問)
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- ファッション造形知識
- ファッション文化とデザイン文化
- ファッションコーディネート
- ファッション商品知識
- ファッションデザイン
- ファッションエンジニアリング
- 補足用語集
合格基準は、「ファッションビジネス知識」は全試験配点の60%以上、「ファッション造形知識」は65%以上です。2科目合格した受験者は「級合格」となります。1科目のみ合格した場合は、「科目合格」となります。
3級
3級の出題範囲は、「ファッションビジネス知識」と「ファッション造形知識」の2科目で構成されます。
- 試験方式
- マークシート方式
- 出題範囲:ファッションビジネス知識(180問)
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- ファッションビジネスの概要
- ファッション消費・ファッション生活
- ファッション産業構造
- ファッションマーケティング
- ファッションマーチャンダイジング
- ファッション流通
- ファッション産業の職種概要
- ビジネス基礎知識
- 補足用語集(ファッションビジネス知識)
- 出題範囲:ビジネス基礎知識(100問)
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- ファッション、デザイン、アパレル
- ファッションコーディネーション
- ファッション商品知識
- ファッションデザイン
- エンジニアリング・ファッション
- 補足用語集(ファッション造形知識)
合格基準は、「ファッションビジネス知識」は全試験配点の60%以上、「ファッション造形知識」は65%以上です。2科目合格した受験者は「級合格」となります。1科目のみ合格した場合は、「科目合格」となります。
ファッションビジネス能力検定で目指せる職業、就職先は?
ファッションビジネス能力検定を取得すると、アパレルや小売りなどファッション業界への就職・転職で自己アピールにつながるでしょう。
ファッションビジネス能力検定を取得するとどんな悩みが解決できる?
ファッションビジネス能力検定を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- ファッションビジネス能力検定が解決できること
-
- ファッション業界をビジネスの観点から盛り上げることができる
- ビジネス戦略とファッションセンスを掛け合わせて企画・販売などを展開できる
ファッションビジネス能力検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
ファッションビジネス能力検定の受験資格は、いずれの級においても制限はありません。
取得にかかる費用
ファッションビジネス能力検定の受験料は、各級で定められています。
- 1級:13,000円(税込)※科目受験は1科目につき4,500円(税込)
- 2級:6,500円(税込)
- 3級:6,000円(税込)
科目免除受験は、2級・3級いずれも3,500円(税込)です。
ファッションビジネス能力検定の日程
ファッションビジネス能力検定の1級は、年に1回実施されます。2級と3級は、年に2回試験が実施されます。2級と3級の試験は同日同時間で実施されますので、併願はできません。
なお、1級の試験は東京会場のみで実施されます。
ファッションビジネス能力検定はどんな人におすすめの資格?
ファッションビジネス能力検定は、ファッション業界への就職・転職を目指す人、経営戦略や企画などに携わる人におすすめの資格です。ファッションビジネスには、業界特有のマーケティング戦略やMD、流通戦略があり、収益向上など経営に関するスキルアップのためには知識も欠かせません。
営業担当や経営企画の職種の人や、ゆくゆくは起業・独立を考えている人にもおすすめの資格です。
- ファッションビジネス能力検定の資格取得がおすすめな人
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- ファッション業界への就職・転職を目指す人
- 小売や流通に携わる職種の人
- アパレルなどで独立を考えている人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ファッションビジネス能力検定を主催・運営しているのは、一般財団法人 日本ファッション教育振興協会です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:ファッション業界で収益向上や経営の知識を深めたい人におすすめ
ファッションビジネス能力検定は、誰でも受験できる検定試験。ファッション業界の中でも、収益向上や起業、経営に興味がある人におすすめの資格ですよ。
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