幼稚園教諭や保育士、司書、図書ボランティアなどにおすすめの資格が「読み聞かせ検定」です。この記事では読み聞かせ検定について、初級・中級・上級の目安、試験の課題図書や試験内容、受験料などを解説します。
読み聞かせ検定とは、どんな資格?
読み聞かせ検定は、絵本の読み聞かせに関するスキルや知識を測定する民間資格です。保育園や幼稚園、小学校、図書館などで読み聞かせを実施する人におすすめの資格です。
読み聞かせ検定には初級、中級、上級の3つのレベルがあります。最も難易度が高い級は上級です。
- 初級の目安
- 絵本の読み方の基礎力、マナー、著作権を守って読み聞かせする意識
- 中級の目安
- 絵本の多様性に対応できる表現、観客への意識
- 上級の目安
- 自分が思った通りの表現、絵本の多様性に対応できる表現、観客への意識
読み聞かせ検定の課題図書
読み聞かせ検定の課題図書の試験では、各級ごとに課題図書が設定されています。
- 初級
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- 『松谷みよ子 赤ちゃんの本 のせてのせて』松谷みよ子・文 東光寺啓・絵(童心社刊)
- 『ノンタンあそぼうよ② ノンタンおやすみなさい』キヨノサチコ・文・絵(偕成社刊)
- 『あめ ぽぽぽ』東直子・文 木内達郎・絵(くもん出版刊)
- 中級
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- 『ともだちや』内田麟太郎・文 降矢なな・絵(偕成社刊)
- 『ともだちひきとりや』内田麟太郎・文 降矢なな・絵(偕成社刊)
- 『よろしくともだち』内田麟太郎・文 降矢なな・絵(偕成社刊)
- 『めっきらもっきら どおん どん』長谷川摂子・文 降矢なな・絵(福音館書店刊)
- 上級A
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- 『100年たったら』石井睦・文 あべ弘・絵(アリス館刊)
- 『ぶたばあちゃん』マーガレット・ワイルド・文 ロン・ブルックス絵 今村葦子・訳(あすなろ書房刊)
- 『くまとやまねこ』湯本香樹実・文 酒井駒子・絵(河出書房新社刊)
- 上級B
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- 『まり』谷川俊太郎・文 広瀬弦・絵(クレヨンハウス刊)
- 『もいもい』市原淳・文 開一夫・監修(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)
- 『るるるるる』五味太郎・作(偕成社刊)
学ぶ知識・技術
読み聞かせ検定の試験では、市販の絵本が試験課題として設定されます。試験では試験課題となった絵本を使用しながら、絵本の読み方、取り扱い方の技術などが審査されます。
初級
読み聞かせ検定の初級試験の認定条件と試験内容は下記のように定められています。
- 認定条件
- 採点項目の合計100点満点中、80点以上を獲得すること
- 「マナー・絵本の取り扱い」(合計60点)
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- 服装等への配慮(10点)
- 本の準備(10点)
- 本の支え方(10点)
- 絵を邪魔しない扱い(10点)
- 絵を見せる間(10点)
- 本文以外の扱い(10点)
- 「読み方」(合計40点)
-
- 声量(10点)
- 発音(10点)
- 読む速度と間(10点)
- 正確さ(10点)
中級
読み聞かせ検定の中級試験の認定条件と試験内容は下記のように定められています。
- 認定条件
- 採点項目の合計100点満点中、80点以上を獲得すること
- 「初級検定内容の定着」(合計45点)
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- 服装等への配慮(5点)
- 本の準備(5点)
- 本の支え方・めくり方(10点)
- 絵を見せる間(5点)
- 本文以外の扱い(6点)
- 声量(5点)
- 読む速度(4点)
- 正確さ(5点)
- 「観客への意識」(5点)
-
- 観客の反応への意識(5点)
- 「表現技術」(合計50点)
-
- 読み分け(20点)
- 台詞表現 擬音表現(20点)
- ページのめくり方の工夫(10点)
上級
読み聞かせ検定の上級試験の認定条件と試験内容は下記のように定められています。
- 認定条件
- 採点項目の合計100点満点中、80点以上を獲得すること
- 筆記試験課題(A検定)
- 試験課題の「表現計画」を提出
- 筆記試験課題(B検定)
- 作文「読み聞かせ活動を通じて実現したいこと」(30点)
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- 書き出し(10点)
- 構成(10点)
- 誤字脱字(10点)
- 上級A検定 実技試験課題「中級検定内容の定着」(合計30点)
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- マナー・本の準備(5点)
- 本の支え方・めくり方(5点)
- 絵を見せる間・本文以外の扱い(5点)
- 声量・発音・速度(5点)
- 正確さ(5点)
- 観客への意識(5点)
- 上級A検定 実技試験課題「長文の絵本を朗読の技術で表現」(合計70点)
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- 区切り(5点)
- 抑揚(10点)
- 緩急・強調(15点)
- 読み分け(10点)
- 台詞表現 擬音表現(15点)
- ページのめくり方の工夫(15点)
- 上級B検定 実技試験課題「中級検定内容の定着」(合計30点)
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- マナー・本の準備(5点)
- 本の支え方・めくり方(5点)
- 絵を見せる間・本文以外の扱い(5点)
- 声量・発音・速度(5点)
- 正確さ(5点)
- 観客への意識(5点)
- 上級B検定 実技試験課題「擬音だけの絵本を楽しく表現」(合計40点)
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- 擬音表現(20点)
- ページのめくり方の工夫(10点)
- 楽しさ(10点)
読み聞かせ検定で目指せる職業、就職先は?
読み聞かせ検定を取得したことが、就職や転職に直接的に役立つことはあまりありません。司書や司書教諭の業務、ボランティアの読み聞かせに役立つでしょう。
上級試験の合格者で「読み聞かせ講師認定講座」を修了した場合、一般社団法人日本朗読検定協会認定「読み聞かせ講師」を目指すことができます。
読み聞かせ検定を取得するとどんな悩みが解決できる?
読み聞かせ検定を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 読み聞かせ検定が解決できること
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- 子どもの感受性を育むサポートにつながる
- 子どもがまだ自分では読めない絵本や本の理解を促す
- 著作権に関する注意点を理解した上で、読み聞かせを実施できる
読み聞かせ検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
読み聞かせ検定の受験資格は、各級ごとに定められています。
- 初級
- 受験資格に制限はありません
- 中級
- 読み聞かせ検定初級合格者
- 上級
- 読み聞かせ検定中級合格者
取得にかかる費用
読み聞かせ検定の試験料は、各級ごとに定められています。
- 初級
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- 一般:8,800円(税込)
- 学割:7,700円(税込)
- 中級
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- 一般:9,900円(税込)
- 学割:8,800円(税込)
- 上級
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- 一般:11,000円(税込)
- 学割:9,900円(税込)
上記は試験料ですので、課題図書の購入には別途費用が発生します。
読み聞かせ検定はどんな人におすすめの資格?
読み聞かせ検定は、絵本を子どもたちに読む機会がある人のスキルアップにおすすめです。幼稚園や保育園、小学校で働く人は、読み聞かせをする機会があるでしょう。司書や司書補は図書館のお話し会で読み聞かせをする担当者になることもあります。また、図書ボランティアに参加した場合、子どもたちにイベントなどで読み聞かせをすることもありえます。
絵本の読み聞かせをするためには、発声や本の持ち方、著作権の知識が必要です。安心して子どもたちに絵本を読み聞かせをするためにも、たしかなスキルと知識を習得するのがおすすめですよ。
- 読み聞かせ検定の資格取得がおすすめな人
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- 幼稚園教諭・保育士の有資格者
- 司書教諭
- 司書・司書補の有資格者
- 図書ボランティアの人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
読み聞かせ検定を主催しているのは、 一般社団法人 日本朗読検定協会です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:子どもを楽しませる読み聞かせを叶えるために♪
読み聞かせ検定の資格を取得することのメリットについてイメージは湧いてきましたか? 絵本の読み聞かせは子どもたちを楽しませ、心の成長のサポートにもつながりますので、気になる人は資格取得にチャレンジしてみてくださいね。
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