ビルや建物に設置された広告に目が引き付けられることはありませんか? こうした屋外広告物の製作や適切な設置、行政や地域との調整役として、「屋外広告士」という職種の人たちが活躍しています。この記事では屋外広告士の仕事内容や受験資格、試験の免除制度などについて解説します。
屋外広告士とは、どんな資格?
屋外広告とは、屋外に設置された広告を指し、講習に対して一定期間表示されるものです。広告塔やビルの壁面などに設置された広告などが、屋外広告と呼ばれます。
屋外広告士とは、屋外広告物の製作・施工などについて、屋外広告物法に基づいた専門的かつ総合的な知識及び技術を有している専門家です。試験の合格者には「屋外広告士」の称号が付与されます。
屋外広告は、屋外広告物法や屋外広告物条例で設置に関するルールが定められています。屋外広告士の資格は、営業所ごとに選任される業務主任者の資格要件に該当する資格です。また、都道府県・市の屋外広告物条例のモデルとなる「屋外広告物条例ガイドライン」において、屋外広告物の管理及び点検を行うための資格として明記されます。
- 屋外広告士の仕事
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- 屋外広告物の提出者と地方公共団体の間に立つ
- 屋外広告物に関して適切な助言を行う
- 屋外広告物の製作、掲出を行う
- 法令の規定遵守
- 業務の適正な実施
学ぶ知識・技術
屋外広告士の資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。試験には学科試験と実技試験があります。
- 学科試験A(択一式):関係法規
- 屋外広告物法、屋外広告物法に基づく条例、その他関係法令に関して必要な知識を有すること
- 学科試験B(択一式):広告デザイン
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- 屋外広告物に係る色彩、意匠、素材等の構成要素に関して専門的知識を有すること
- 都市景観とくに広告景観に関して専門的知識を有すること
- 学科試験C(択一式):設 計・施 工
- 屋外広告物の構造設計及び設置工事に関して一般的な知識を有すること
- 実技試験
- 屋外広告物の設計またはデザイン:屋外広告物の構造設計またはデザインに関して必要な専門的知識を有すること
合格基準は、学科受験科目の合計点、実技得点についてそれぞれ60%の合格基準以上であることです。一部合格は、学科A、学科B、学科C、実技のうち、得点が60%以上の科目と定められています。一部合格科目は、翌年度の試験に限り受験が免除されます。
ただし、学科試験の得点が1科目でも当該科目の満点の40%の最低基準(15問出題の場合は6問、20問出題の場合は8問の正答)に満たない場合、受験した科目の合計点が60%以上でも学科試験は合格とならない場合があります。
合格基準及び最低基準は、それぞれの試験における難易度、平均点などの状況が考慮され、その基準が決定される場合があります。
試験の免除制度
保有する資格に対して免除される試験科目は、下記のように定められています。
- 1級建築士または2級建築士
- 学科試験C及び実技試験
- 1級・2級建築施工管理技士または1級・2級土木施工管理技士
- 学科試験C
屋外広告士で目指せる職業、就職先は?
屋外広告士の資格を取得すると、広告業界や広告の施工会社への就職・転職に役立ちます。
屋外広告士を取得するとどんな悩みが解決できる?
屋外広告士の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 屋外広告士が解決できること
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- 適切な屋外広告によって、企業のイメージアップや認知度アップをサポートできる
- 屋外広告設置による景観への悪影響を防ぐ
- 屋外広告の倒壊事故などを防ぐ
屋外広告士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
屋外広告士試験の受験資格は、下記を満たすことです。
- 受験年の10月1日現在で、屋外広告業等に従事した満18歳以上の実務経験が、3年以上ある者(受験できる最低年齢は21歳)
- 実務経験とは施工等に従事した経験を指し、屋外広告工事とは広告板、広告塔、ネオンサイン、ディスプレイ等、屋外広告物の製作・設置を行う工事を指す
取得にかかる費用
屋外広告士の受験料は、17,824円(税込)です。
屋外広告士試験の日程
屋外広告士試験は、年に一回実施されます。
屋外広告士はどんな人におすすめの資格?
屋外広告は、企業の認知度アップや商品・サービスの訴求のために活用されています。一方で、地域の景観との調和、法令や条例の遵守なども重要です。屋外広告士は専門知識を活かし、広告物の提出者の目的も理解しながら、行政や地域住民に対する影響も考慮します。
会社によっては屋外広告士の有資格者に資格手当を支給することがあります。キャリアアップや収入アップを目指し、資格取得にチャレンジするのもおすすめです。
- 屋外広告士の資格取得がおすすめな人
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- 1級建築士・2級建築士の資格保有者
- 1級・2級建築施工管理技士の資格保有者
- 1級・2級土木施工管理技士の資格保有者
- キャリアアップ・収入アップを目指す人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
屋外広告士の試験を主催しているのは、一般社団法人 日本屋外広告業団体連合会です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:建築士等の資格保有者のダブルライセンスにおすすめ
屋外広告士の資格を取得するためには実務経験が必要ですので、経験を活かしたスキルアップにつながります。建築士や建築施工管理技士、土木施工管理技士の有資格者は、試験免除を受けられますのでダブルライセンスを目指して受験するのもおすすめですよ。
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