ラジオ体操は運動効果や健康効果が期待でき、子どもから高齢者まで幅広い年代が取り組むことのできる運動です。ただし運動は正しい方法で実践することが重要。運動や健康に興味がある人におすすめの資格「ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員」について、1級・2級の違いや 認定試験の受験資格などを解説します。
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員とは、どんな資格?
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員とは、「ラジオ体操・みんなの体操」の理論を理解し、正しい実技と適切な指導方法を習得した人に付与される資格です。ラジオ体操指導士となるには、「NPO法人全国ラジオ体操連盟公認指導者資格認定試験」に合格する必要があります。
認定試験はNPO法人全国ラジオ体操連盟が主催し、株式会社かんぽ生命保険、NHKなど関係機関の協力のもと実施されています。
試験の合格者は、地域や職場においてラジオ体操の普及や推進を図ることができます。認定試験では、3種類の資格が設けられています。
- 1級ラジオ体操指導士
- ラジオ体操等の優れた技能と指導力を持ち、従来から継続的に普及推進活動に当たり、多方面にわたる活動を行い、かつ高い実績を有し、原則として全国地域を対象に普及推進活動ができる者
- 2級ラジオ体操指導士
- ラジオ体操等の優れた技能を持ち、従来から継続的に普及推進活動に当たり、かつ高い実績を有し、原則として都道府県内を対象に普及推進活動ができる者
- ラジオ体操指導員
- ラジオ体操等の技能を有し、原則として居住している近隣地域を対象に普及推進活動ができる者
学ぶ知識・技術
ラジオ体操指導士になるには、各資格の認定試験に合格する必要があります。
1級ラジオ体操指導士
- 実技試験(ラジオ体操第1・第2及びみんなの体操の実技・指導)
-
- 各運動のポイントを把握して実技ができるか
- 各運動の指導上のポイントを把握し、指導ができるか
- 対面動作における各動作の指示、指導ができるか
- 1級ラジオ体操指導士として必要な要素
- 筆記試験
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- ラジオ体操(第1・第2及びみんなの体操の目的、沿革、現状)
- ラジオ体操(第1・第2及びみんなの体操の各運動・各基本動作の目的、運動効果、指導上の留意点等)
- ラジオ体操会等での指導、普及活動の状況
2級ラジオ体操指導士
- 実技試験(ラジオ体操第1・第2及びみんなの体操の実技・指導)
-
- 各運動のポイントを把握して実技ができるか
- 各運動の指導上のポイントを把握し、指導ができるか
- 対面動作における各動作の指示、指導ができるか
- 筆記試験
-
- ラジオ体操(第1・第2及びみんなの体操の目的、沿革、現状)
- ラジオ体操(第1・第2及びみんなの体操の各運動・各基本動作の目的、運動効果、指導上の留意点等)
- ラジオ体操会等での指導、普及活動の状況
筆記試験の問題は、全国ラジオ体操連盟発行のテキスト『ラジオ体操・みんなの体操』の内容を中心に出題されます。
ラジオ体操指導員
ラジオ体操指導員になるには、「ラジオ体操等春季・秋季指導者講習会(対面形式)」に参加する必要があります。講習会の所要時間は1時間半程度です。
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員で目指せる職業、就職先は?
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の資格が、直接的に就職や転職に役立つことはあまりありません。ただし資格を取得することで、幼稚園や保育園、小学校、体操教室などでラジオ体操の指導に役立つでしょう。近年は高齢化社会が進んでおり、介護施設などにおける運動不足解消としてもラジオ体操が取り入れられることもあります。
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の資格を取得するとどんな悩みが解決できる?
ラジオ体操指導士の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- ラジオ体操指導士(ラジオ体操指導員)が解決できること
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- 年齢や性別を超えて、人々の健康増進をサポートする
- ラジオ体操を普及・推進することで、病気や心身の不調の予防を図る
- 高齢化社会において、健康寿命の増進をサポートする
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の認定試験の受験資格には制限があります。
1級ラジオ体操指導士
- 受験年度の前年度末までに満年齢18歳以上となっていること
- 受験年度の前々年度以前に2級ラジオ体操指導士の資格を取得し、ラジオ体操等の指導、普及推進活動を行っている者
2級ラジオ体操指導士
- 受験年度の前年度末までに満年齢18歳以上となっていること
- 受験申込時に既にラジオ体操指導員の資格を取得し、ラジオ体操等の普及推進活動を行っている者
ラジオ体操指導員
- 受験年度の前年度末までに満年齢18歳以上となっていること
- ラジオ体操等の普及推進に高い関心と意欲を持っている者で、公認指導者講習会(全国ラジオ体操連盟が主催するラジオ体操等春季・秋季指導者講習会・オンライン指導者講習会のほか、全国ラジオ体操連盟の指導委員を講師とする1時間半程度のラジオ体操等指導者講習会(オンラインによるものを含む)で、事前に全国ラジオ体操連盟が公認したもの)の受講を希望する者
- ラジオ体操ジュニア・リーダー(全国ラジオ体操連盟公認指導者講習会を修了した児童・生徒(小学5年生以上の児童、中学生及び高校生)で、満年齢18歳に達した年度の翌年度以降に認定を希望する者
取得にかかる費用
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の受験料は無料です。ただし認定料と更新料の支払いが必要となります。
- 認定料
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- 1級ラジオ体操指導士:10,000 円
- 2級ラジオ体操指導士:5,000 円
- ラジオ体操指導員:2,000 円
- 更新料(更新は3年ごと)
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- 1級ラジオ体操指導士:5,000 円
- 2級ラジオ体操指導士:2,500 円
- ラジオ体操指導員は更新不要
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の試験の日程
年に二回、ラジオ体操等春季・秋季指導者講習会が開催されます。講習会のほか認定試験も併せて実施されますが、認定試験が実施されない時季もありますのでHPでよく確認しましょう。
当年度に1級ラジオ体操指導士または2級ラジオ体操指導士を受験する場合、同一年度の同一時季に複数会場の受験はできませんので注意してください。
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員はどんな人におすすめの資格?
ラジオ体操は日本で長く愛されている体操です。子どもから高齢者までに親しまれ、運動効果や健康効果も研究されています。会社によっては、始業時や昼休みにラジオ体操を導入していることもあり、広く健康増進に活用されている体操です。
全国ラジオ体操連盟からの依頼に基づいて、1級ラジオ体操指導士または2級ラジオ体操指導士が普及推進活動をしたときは、全国ラジオ体操連盟から謝礼・交通費等が支払われることがあります。
フィットネスや運動の習慣化の必要性が認知されるにつれて、高齢になっても取り組みやすいラジオ体操を重視する傾向も高まるでしょう。高齢化社会において、ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の有資格者は、適切な運動をサポートすることができる頼もしい存在になります。
- ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の資格取得がおすすめな人
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- 運動や体を動かすことが好きな人
- 健康増進に関心がある人
- 保育園や幼稚園、学校で働く教員・職員
- 介護職など高齢者の健康増進に携わる人
- 体操教室やスポーツジムで働く人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の認定試験を主催しているのは、特定非営利活動法人 全国ラジオ体操連盟、各地方ラジオ体操連盟、特定非営利活動法人東京都ラジオ体操連盟です。NHKは後援、株式会社かんぽ生命保険は協力、一般財団法人 簡易保険加入者協会が支援しています。
認定試験の詳細は、下記HPから確認してください。
まとめ:幅広い年代に親しまれるラジオ体操の普及・推進に貢献できる!
ラジオ体操指導士・ラジオ体操指導員の資格を取得すると、ラジオ体操の普及・推進をするための知識や技術を習得していることを証明できます。保育園や幼稚園、学校で働く人、介護施設やスポーツ関連施設で働く人にもおすすめの資格ですよ。
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