裁判官、検察官、弁護士など、法律のエリートになるために必ずパスしなければならないのが「司法試験」です。今回は司法試験に合格するメリットや、合格後の就職先などを紹介していきます。
司法試験とは、どんな資格?
司法試験は、裁判官、検察官、弁護士になろうとする人が、必要な学識・応用能力を備えているかどうかを判定するための国家試験です。これら法曹になるためには、第一歩として司法試験に合格する必要があります。
学ぶ知識・技術
司法試験は、短答式と論文式による筆記試験で行われます(口述試験は行われません)。具体的には、下記の知識が問われます。
- 短答式
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- 憲法
- 民法
- 刑法
- 論文式
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- 公法系科目(憲法及び行政法に関する分野の科目)
- 民事系科目(民法、商法及び民事訴訟法に関する分野の科目)
- 刑事系科目(刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目)
- 選択科目(労働法・倒産法・知財法・経済法・租税法・環境法・国際公法・国際私法より選択)
司法試験で目指せる職業、就職先は?
司法試験に合格すると、下記のような職業での就職を目指しやすくなります。
- 弁護士
- 弁護士は刑事事件や少年事件、離婚、相続、交通事故の損害賠償などの身近な問題の相談のほか、企業法務、渉外事件、知的財産権、金融法務、不動産法務など、幅広い問題に対応するので、得意分野に特化した弁護士事務所に就職するのが一般的です。
- 裁判官
- 社会で生じる様々な紛争を、自分の良心と憲法・法律のみに基づいて判断する仕事です。
- 検察官
- 社会正義の実現に向けて、刑事事件について捜査や裁判の維持を担当する仕事です。外交官として外国の大使館に勤務したり、各省庁で立法作業に携わったりなどさまざまな働き方があります。
- 一般企業の法務部
- 近年は企業内弁護士を採用する企業が増えていることから、一般企業の法務部で働く有資格者も少なくありません。
- 官公庁などの公的機関
- 法律の運用や改正など、法律知識を生かして公務に従事します。
- 法テラス
- 法テラスは、法による紛争の解決やサポートを誰でも受けられる社会の実現を目指す独立行政法人です。経済的に弁護士への依頼が難しい人でも、サポートを身近に受けられるようにするための支援を行います。
司法試験の資格があるとどんな悩みが解決できる?
司法試験の資格があると、下記のような悩みが解決できます。
- 司法試験の資格で解決できること
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- 法曹(裁判官、検察官、弁護士)としてのキャリア形成に一気に近づく
- 法律に関する専門知識を活かして、法に基づいた紛争予防・問題解決を実現できる
- 弁護士事務所や検察庁、裁判所、公的機関から一般企業の法務部まで、幅広い業種での就職が有利になる
司法試験の受験できるのはどんな人?(受験資格)
司法試験を受験するには、下記のいずれかの条件を満たすことが必要です。
- 法科大学院を修了する
- 司法試験予備試験に合格する
司法試験予備試験は、「法科大学院修了程度の知識・能力があるかを判定する試験」で、年齢や学歴を問わず誰でも受験することができます。ただし、法科大学院修了または予備試験合格から5年経つと、司法試験への受験資格は失効するので注意が必要です。
取得にかかる費用
司法試験にかかる受験手数料は、28,000円です。
司法試験はどんな人におすすめの資格?
司法試験は、下記のような人におすすめの資格です。
- 司法試験の資格取得がおすすめな人
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- 将来的に法曹(裁判官、検察官、弁護士)を目指す人
- 安定したキャリアを築きたい人
- 公認会計士試験に合格したい人(司法試験に合格すると、公認会計士試験の科目が一部免除されます)
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
司法試験の実施・資格を管理しているのは「法務省」です。試験は毎年5月、4日間連続で行われる(中日1日あり)ハードスケジュールで、合格率は例年24%前後とかなり難易度が低い傾向にあります。
その年の司法試験の日程や受験申請に必要な手続きなどは、下記のHPからご確認ください。
まとめ:司法試験はかなりの難関資格。だが合格すれば安定したキャリアが築ける!
国家資格の中でも最難関とも称される司法試験は、合格までに8000〜10000時間の勉強が必要ともいわれています。ただ、合格すれば裁判官や検察官、弁護士へのキャリアプランが一気に現実味を帯び、さまざまな職場で活躍することができます。法律の専門家は基本的に高収入なので、安定した将来設計を考えている人はぜひ地道に勉強を!
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