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建築施工管理技士の資格を取るとどんなメリットがある?

施工図を作成する建築施工管理技士 キャリアアップ

建築施工管理技士は、建築工事の全体を把握し、施工計画や品質を管理する技術者です。建設業に携わる人のステップアップにおすすめの資格ですが、1級と2級に分かれる資格であり、令和3年からは新しい試験制度へと改正がされました。

この記事では建築施工管理技士について、取得するとできるようになる仕事、試験内容や合格率などを紹介します。

建築施工管理技士とは、どんな資格?

建築施工管理技士は建築工事において、施行計画及び施工図の作成、工事の工程管理、品質管理、安全管理など工事の施工管理を適確に行うために必要な技術の習得が求められる国家資格です。

一般建設業、特定建設業では、営業所ごとに専任の技術者の配置、建設工事の現場への主任技術者及び監理技術者の有資格者の配置が許可基準の一つです。建築施工管理技士は、この許可基準の技術者として認められています。また、経営事項審査における技術力の評価において技術者数に含まれます。

建築施工管理技士は国家資格であり、1級と2級に分かれています。1級建築施工管理技士は全ての建築工事(17業種)における監理技術者になることができる、会社の経営事項審査の技術力評価において評価対象となり経営規模評価アップにつながる、などのメリットがあります。つまり、2級と比べて1級の方が管理技術者として携わることのできる建築工事が増え、会社の企業価値アップの貢献もできるのです。

学ぶ知識・技術

建築施工管理技士試験は、施工管理技術検定に合格することで取得できます。施工管理技術検定は建築施工管理設業法第27条に基づき国土交通大臣指定機関が実施する国家試験で、令和3年度から試験の内容が改正されました。旧試験合格に向けて対策をしてきた人は、新試験の内容を改めて確認しましょう。

2級建築施工管理技士試験の第一次検定

建築学等
  1. 知識(建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学に関する知識)
  2. 知識(設計図書に関する知識)
施工管理法
  • 知識(施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識)
  • 能力(施工の管理を行うために必要な能力)
法規
  • 知識(建設工事の施工に必要な法令に関する知識)

2級建築施工管理技士試験の第二次検定

施工管理法
  • 知識(監理技術者又は主任技術者として、施工の管理を行うために必要な知識)
  1. 能力(監理技術者又は主任技術者として、建築材料の強度等を正確に把握し、工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を行うことができる応用能力)
  2. 能力(監理技術者又は主任技術者として、設計図書に基づき、工事現場における施工計画を作成、施工図を作成できる応用能力)

1級建築施工管理技士試験の第一次検定

建築学等
  1. 知識(建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学に関する知識)
  2. 知識(設計図書に関する知識)
施工管理法
  • 知識(監理技術者補佐として必要な知識)
  • 能力(監理技術者補佐として必要な応用能力)
法規
  • 知識(建設工事の施工に必要な法令に関する知識)

2級建築施工管理技士試験の第二次検定

施工管理法
  • 知識(監理技術者又は主任技術者として、施工の管理を行うために必要な知識)
  1. 能力(監理技術者又は主任技術者として、建築材料の強度等を正確に把握し、工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を行うことができる応用能力)
  2. 能力(監理技術者又は主任技術者として、設計図書に基づき、工事現場における施工計画を作成、施工図を作成できる応用能力)

日本建設情報センターによると、1級の合格率は学科試験が40~50%、実地試験が33~45%程でした。2級の合格率は、学科試験が30~50%、実地試験が25~38%程度です。ただしこの合格率は旧試験のデータのため、令和3年からの新試験のこれからの動向が気になるところですね。

第一次検定の合格者には「施工管理技士補」、第二次検定の合格者には「施工管理技士」の資格が付与されます。この「技士補」の資格は、令和3年度から実施される新試験制度で創設された資格です。

1級と2級のダブルライセンスでできること

1級技士補の資格を取得したときに、2級施工管理技士など主任技術者の資格を有していれば、監理技術者の補佐となることができます。このことによって、一定条件を満たした2つの現場を兼任することが可能です。1級と2級の資格を組み合わせてスキルを活かすことができるため、技術者不足を補う効果が期待されています。

建築施工管理技士で目指せる職業、就職先は?

主な就職先は建設業界で、現場監督や設計事務所で職務に当たることが多いようです。特に、建築施工管理技士1級を取得すると、下記の17種類の建設工事の管理技術者となることができます。

  1. 建築一式工事
  2. 大工工事
  3. 左官工事
  4. とび・土工・コンクリート工事
  5. 石工事
  6. 屋根工事
  7. タイル・れんが・ブロック工事
  8. 鋼構造物工事
  9. 鉄筋工事
  10. 板金工事
  11. ガラス工事
  12. 塗装工事
  13. 防水工事
  14. 内装仕上工事
  15. 熱絶縁工事
  16. 建具工事
  17. 解体工事

建築施工管理技士になるとどんな悩みが解決できる?

建築施工管理技士になると、自身のスキルを活かして下記のような悩み・問題を解決できます。

建築施工管理技士が解決できること
  • 会社の経営規模評価アップに貢献できる
  • 建設に関する品質や安全性を守る
  • 公共性の高い大きな建築物の施工を指揮する(1級の場合)

建築施工管理技士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

建築施工管理技士は1級と2級それぞれで受験資格が異なります。さらに第一次検定と第二次検定でも受験資格が異なりますので、しっかりと確認して申込しましょう。

1級建築施工管理技士検定の第一次検定
  • 大学の指定学科を卒業後、あるいは専門学校の指定学科を卒業して「高度専門士」と認められた後、3年以上の実務経験を積んだ者(指定学科以外なら、4年6ヶ月以上)
  • 短期大学か高等専門学校の指定学科を卒業後、あるいは専門学校の指定学科を卒業して「専門士」と認められた後、5年以上の実務経験を積んだ者(指定学科以外なら、7年6ヶ月以上)
  • 高等学校の指定学科を卒業後、あるいは中等教育学校(中高一貫校)の指定学科を卒業後、あるいは専門学校の指定学科を卒業した後、10年以上の実務経験を積んだ者(指定学科以外なら、11年6ヶ月以上)
  • 15年以上の実務経験を積んだ者(学歴を問わない)
  • 二級建築士試験合格者、あるいは2級建築施工管理技術検定第二次検定合格者で、合格後に5年以上の実務経験を積んだ者
  • 2級建築施工管理技術検定第二次検定合格者で、合格後の実務経験が5年未満で、短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業後、あるいは専門学校の「専門士」として認められた後、5年以上の実務経験を積んだ者(指定学科以外なら、9年以上)
  • 2級建築施工管理技術検定第二次検定合格者で、合格後の実務経験が5年未満で、高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校の専門課程を卒業後、9年以上の実務経験を積んだ者(指定学科以外なら、10年6ヶ月以上)
  • 2級建築施工管理技術検定第二次検定合格後5年未満で、14年以上の実務経験を積んだ者
  • 2級建築施工管理技術検定第二次検定合格者で実務経験を問わない場合は、1級建築施工管理技術検定の第一次検定のみ受検可能
1級建築施工管理技士検定の第二次検定
  1. 本年度第一次検定合格者
  2. 第一次検定免除者(前年度の学科試験のみの合格者または建築士法による一級建築士試験の合格者で、なおかつ1級建築施工管理技術検定第一次検定の受検資格のうち、上記の区分のうち実務経験の条件を満たす受検資格を有する者)
2級級建築施工管理技士検定の第一次検定のみの受検
試験実施年度に満17歳以上であれば誰でも受験可能
2級級建築施工管理技士検定の第一次・第二次検定(建築または躯体または仕上げを受検)
  • 大学の指定学科を卒業または専門学校の「高度専門士」として認められた後、実務経験が1年以上ある者(指定学科以外なら、1年6ヶ月以上)
  • 短期大学または5年制高等専門学校の指定学科を卒業または専門学校の「高度専門士」として認められた後、実務経験が2年以上ある者(指定学科以外なら、3年以上)
  • 高等学校の指定学科を卒業または専門学校の「高度専門士」として認められた後、実務経験が3年以上ある者(指定学科以外なら、4年6ヶ月以上)
  • 8年以上の実務経験を積んだ者(学歴を問わない)
2級級建築施工管理技士検定の第一次・第二次検定(躯体を受検)
  • 鉄工(構造物鉄工作業)、とび、ブロック建築、型枠施工、鉄筋施工(鉄筋組立て作業)、鉄筋組立て、コンクリート圧送施工、エーエルシーパネル施工の技能検定1級合格者(2級の場合は、4年以上の実務経験が必須)
  • 平成15年度以前に上記の検定職種に合格した者(実務経験は問わない)
  • 単一等級エーエルシーパネル施工の技能検定1級合格者(実務経験は問わない)
2級級建築施工管理技士検定の第一次・第二次検定(仕上げを受検)
  • 建築板金(内外装板金作業)、石材施工(石張り作業)、石工(石張り作業)、建築大工、左官、タイル張り、畳製作、防水施工、内装仕上げ施工(プラスチック系床仕上げ工事作業、カーペット系床仕上げ工事作業、鋼製下地工事作業、ボード仕上げ工事作業)、床仕上げ施工、天井仕上げ施工、スレート施工、熱絶縁施工、カーテンウォール施工、サッシ施工、ガラス施工、表装(壁装作業)、塗装(建築塗装作業)、れんが積みの技能検定1級合格者(2級の場合は、4年以上の実務経験が必須)
  • 平成15年度以前に上記の検定職種に合格した者(実務経験は問わない)
  • 単一等級れんが積みの技能検定1級合格者(実務経験は問わない)
2級級建築施工管理技士検定の第二次検定のみの受検
次のいずれかに該当し、第一次・第二次検定の受検資格を有する者は、第一次検定が免除されます。

  1. 建築士法による一級建築士試験の合格者
  2. (令和2年度までの)2級建築施工管理技術検定試験の「学科試験のみ」受検の合格者で有効期間内の者
  3. 2級建築施工管理技術検定の「第一次検定」合格者

取得にかかる費用

建築施工管理技士の試験受験は、1級、2級また第一次検定、第二次検定ごとに手数料が設定されています。1級の場合、第一次検定と第二次検定それぞれで10,800円が必要です。2級の第一次検定と第二次検定それぞえで5,400円を支払います。同時に受検する場合は10,800円を支払います。

建築施工管理技士はどんな人におすすめの資格?

建築施工管理技士は、施工技術の指導的技術者として社会的に高い評価を受けることになります。建設工事に必要なたしかな知識と管理者としての安全や施工計画の管理能力を有するため、会社からも社会からも必要とされる存在といえるでしょう。

建築施工管理技士の資格取得がおすすめな人
  • 幅広い種類の工事に携わりたい人
  • 管理技術者、専任技術者としてキャリアアップしたい人
  • 資格を活かして収入アップを目指したい人
  • 1級取得者は平均年収が600万前後と高収入
  • 経営評価向上など会社の企業価値を高めたい人

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

建築施工管理技士は国土交通大臣指定機関国家資格で、資格試験を実施しているのは「一般財団法人建設業振興基金」です。その年の試験日程や会場、受検申請に必要な手続きについては、下記の公式HPからご確認ください。

▼ 一般財団法人建設業振興基金

まとめ:建築施工管理技士は2級から1級取得を目指すのもおすすめ

建築施工管理技士は、監理技術者として幅広い工事を指揮することができる国家資格です。特に1級を取得すると大規模な建設工事の責任者になることができます。会社からも重宝される資格ですので、2級取得からスタートして最終的には1級の保有者を目指すのもおすすめです。

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