ビルやマンション、駅の構内などに設置されている「自動ドア」の安全な作動を陰で支えている職種が、「自動ドア施工技能士」です。今回はこの自動ドア施工技能士とはどんな資格か、業務内容や資格の取得方法などを紹介していきます。
自動ドア施工技能士とは、どんな資格?
自動ドア施工技能士とは、自動ドアに関する知識と技術を持ち合わせ、的確な施工・保守・点検を行う専門技能職です。厚生労働省が認定する国家資格でもあります。
私たちは日頃、ビルや電車などで自動ドアを多く見かけますが、自動ドアは人や物を自動的に感知し、電気、空気圧や油圧の動力により扉を開閉する仕組みになっています。精密な機械や電子機器で構成されており、これを仕様書に合わせて正確に施工するには高い技術が必要です。自動ドアを扱う企業では、技術者の3人に1人が自動ドア施工技能士の有資格者といわれています。
学ぶ知識・技術
自動ドア施工技能士の資格を取得するには、自動ドア施工技能士検定試験に合格する必要があります。資格には「1級」と「2級」があり、筆記試験および実技試験で下記の知識・技術が問われます。
- 学科試験
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- 自動ドア一般
- 施工法
- 材料
- 保守点検
- 建築構造
- 製図
- 関連法規
- 安全衛生
- 実技試験
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- 自動ドア装置の取り外し、分解、組み立て、調整
- アルミ板の切断、穴あけ、タップ加工、組み立て、部品の取り付け
- 指示されたシーケンス回路を完成させる(1級のみ)
自動ドア施工技能士で目指せる職業、就職先は?
自動ドア施工技能士の資格を活かせる就職先は、主に「自動ドア関連会社」です。自動ドア業界では需要が高く、キャリアアップや転職の際はもちろん、昇給や資格手当でも有利に働くことが期待できます。
有資格者の数が会社の評価に直結するため、自動ドア関連会社では有資格者の求人を出すことが多く、就職先も見つかりやすいといえるでしょう。
自動ドア施工技能士になるとどんな悩みが解決できる?
自動ドア施工技能士になると、自身のスキルを活かして下記のような悩み・問題の解決に貢献できます。
- 自動ドア施工技能士が解決できること
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- 自動ドアの安全な施工・保守・点検を通じて、機械のトラブルや誤った使用による事故を防ぎ、人命を守る
自動ドア施工技能士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
自動ドア施工技能士の資格を取得するには、自動ドア施工技能士技能検定試験を受験し、合格する必要があります。受験資格があるのは、下記の条件を満たした人です。
自動ドア施工技能士技能検定試験の受験資格
- 1級自動ドア施工技能士
- 7年以上の実務経験がある人
- 2級自動ドア施工技能士
- 2年以上の実務経験がある人
取得にかかる費用
自動ドア施工技能士技能検定試験の受験にかかる費用は、下記の通りです。
- 学科試験
- 3,100円
- 実技試験
- 16,500円
自動ドア施工技能士はどんな人におすすめの資格?
自動ドア施工技能士は、下記のような人に取得がおすすめの資格です。
- 自動ドア施工技能士の資格取得がおすすめな人
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- 自動ドア関連会社での就職・転職を有利に進めたい人
- 資格手当や昇給を見込みたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
自動ドア施工技能士の資格と国家試験を管理しているのは、「都道府県職業能力開発協会」です。各都道府県によって問い合わせ先は異なるので、試験日程や会場については下記HPをご確認ください。
まとめ:自動ドア施工技能士は、関連企業でのキャリアアップを目指すなら取得しておきたい資格!
あまり聞き馴染みの無い資格かもしれませんが、自動ドア関連企業で働きたい人、また働く人のキャリア形成の上で「自動ドア施工技能士」は非常に重宝する資格です。受験するには一定年数の実務経験が必要ですが、国家試験の合格率は70%と高いので、将来のために取得にチャレンジを!
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