デザイナーや編集者、広報・PRなど紙媒体の印刷物を使う仕事に携わる人は、「DTPエキスパート」の資格を取得してスキルアップを目指すのもおすすめです。この記事では、DTPエキスパートとDTPエキスパート・マイスターの違い、資格取得のメリットなどを解説します。
DTPエキスパート試験とは、どんな資格?
DTPエキスパート認証制度とは、DTPに関連する知識を理解し、パートナーとして活躍できる人物を育成することを目的として始まった試験です。プランナーやデザイナー、セールスパーソンなどが印刷ビジネスに携わるうえで、身に付けておくと役立つ能力を証明できます。
DTPエキスパートになるには、「DTP」「色」「印刷技術」「情報システム」「コミュニケーション」に関連した知識を習得することが必要です。メディア設計やメディア制作において、印刷物を効果的に活用することができるでしょう。
DTPエキスパート試験の受験者は延べ5万人に達し、合格者は2万人以上になりました。DTPエキスパートをアップグレードした資格として、「DTPエキスパート・マイスター」という級数が設けられています。
- DTPエキスパート
- 印刷物製作全体の知識を新ビジネスの創造・実践に結び付ける人材
- DTPエキスパート・マイスター
- 印刷用データ制作において高いスキルを持つとともに、印刷物活用の目的を達成するためのデザイン力を兼ね備えた人材
学ぶ知識・技術
DTPエキスパート試験を取得するためには、学科試験と実技試験に合格する必要があります。
試験では、印刷物制作の目的を理解していること、目的に沿った印刷物を実現するためのデザイン性・表現力およびプロフェッショナルなデータ制作力を持っていることが問われます。試験範囲はたとえば下記のような項目から出題されます。
- 学科試験範囲の例
-
- 書体選択の基準
- 欧文書体の特徴
- 画像の調子再現画像の調子再現
- オフセット印刷と総インキ量
- 製本仕様とレイアウト
- リーフレット
- ISMS認証とプライバシーマーク制度
実技試験では、旅行情報誌に掲載する広告提携記事として、日本各地の温泉地と提携旅館施設などを紹介する見開き4ページをデザインレイアウトする、という問題が出題された年度がありました。
DTPエキスパートカリキュラムは、「DTP」「色」「印刷技術」「情報システム」「コミュニケーションと印刷ビジネス」の5つのカテゴリが設けられています。
2020年3月試験より、学科試験において各カテゴリで一定以上の基準を満たすと『DTPエキスパート』、学科試験に加えて実技試験で実制作プロセスを正しく実践することを『DTPエキスパート・マイスター』の認証取得基準としています。
DTPエキスパート試験で目指せる職業、就職先は?
DTPエキスパート試験を取得すると、メディア業界や印刷業界、広告業界などの就職・転職で自己アピールに役立つでしょう。営業職、クリエイティブ職、広報など幅広い職種で、資格取得を通して得た知識を発揮できます。
DTPエキスパート試験を取得するとどんな悩みが解決できる?
DTPエキスパート試験を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- DTPエキスパート試験が解決できること
-
- グラフィック・印刷の特徴を理解し、業務に役立てることができる
- 消費者などに訴求するデザインの企画ができる
- 情報の発信における品質向上に貢献できる
DTPエキスパート試験の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
DTPエキスパート試験の受験資格に制限はありません。DTPエキスパート認証試験には、個人受験申請と団体受験申請があります。
取得にかかる費用
DTPエキスパート試験にかかる費用は、取得する級数によって下記のように定められています。
- DTPエキスパート・マイスター
- 21,000円
- DTPエキスパート
- 15,000円
- DTPエキスパートからDTPエキスパート・マイスターへのアップグレード
- 9,000円
DTPエキスパート認証制度では、2年に一度更新があります。
DTPエキスパート試験はどんな人におすすめの資格?
DTPエキスパートは、印刷に関わるスペシャリストとして活躍したい人におすすめの資格です。印刷物は紙やインク、製本など素材や製法によって仕上がりが異なり、多彩な表現が可能です。印刷技術を効果的に活用するためには専門知識が必要であり、それらのことを理解しているのがDTPエキスパートです。
DTPエキスパートは、印刷物を通して情報を発信する仕事に携わることもできるでしょう。有益な情報や誰かが必要とする情報を扱い、効果的に伝えるために専門知識を役立てることが期待されます。
- DTPエキスパート試験の資格取得がおすすめな人
-
- メディア業界や広告業界で働く人
- 印刷物を活用して働く人
- 伝えるスキル・表現スキルを磨きたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
DTPエキスパート試験を主催・運営しているのは、公益社団法人 日本印刷技術協会(JAGAT)です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:印刷に関わるスペシャリストを目指すならDTPエキスパートに挑戦
印刷物の世界は知れば知るほど奥深いものです。スキルアップを目指す人はまずはDTPエキスパート試験に挑戦し、マイスターへアップグレードすることを目指しましょう。
コメント