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理学療法士の資格を取るとどんなメリットがある?

リハビリ用ゴムバンドを用意する理学療法士 やりがい・夢を与える

受験者数が近年1万人を超える人気のリハビリ国家資格が「理学療法士」です。今回はこの理学療法士とは具体的にどんな仕事をするのか、資格取得に向けて必要な知識、取得のメリットなどを幅広くお伝えしていきます。

理学療法士とは、どんな資格?

理学療法士は、病気や怪我などで身体機能に障がいを持った人に対し、立ち上がる、起き上がる、歩く、寝返るなど基本となる体の動作のリハビリテーションを行う、運動機能回復のスペシャリストです。国家資格の一つで、近年ではスポーツ障がいに対するリハビリを行うトレーナーとしても注目を集めています。

理学療法士は、具体的に下記のような仕事をしていきます。

日常生活活動訓練
ベッドから起き上がる、立つ、歩くといった日常生活の動作のリハビリ
運動療法
関節の動きを調整したり、筋力を回復させたりするためのリハビリ
物理療法
痛みや麻痺を緩和するために、温熱・電気機器を使った療法やマッサージを行う
住宅環境の整備
転倒防止のため、浴室やトイレ回り、ベッドの近くに手すりを付けるなどのアドバイスをする

理学療法士になるには国家試験に合格する必要があり、試験では下記のような知識・技術が問われます。

学ぶ知識・技術

理学療法士国家試験は、「一般問題」と「実地問題」の2つから構成されます。

一般問題
  • 解剖学
  • 生理学
  • 運動学
  • 病理学概論
  • 臨床心理学
  • リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)
  • 臨床医学大要(人間発達学を含む)
  • 作業療法
実地問題
  • 運動学
  • 臨床心理学
  • リハビリテーション医学
  • 臨床医学大要(人間発達学を含む)
  • 作業療法

これらの筆記試験は午前・午後に実施され、それぞれ100問ずつ出題されます(各2時間40分)。計200問のうち、一般問題は160問、実地問題は40問です。

理学療法士で目指せる職業、就職先は?

理学療法士の就職先として多いのが、下記のような医療系や福祉系の仕事です。

医療機関
  • 総合病院(内科や整形外科、脳神経外科や心臓外科など)
  • 整形外科クリニックや一般病院
介護施設
  • 高齢者介護施設
  • 特別養護老人ホーム
  • リハビリテーションセンター
  • 訪問看護ステーション
  • デイケアセンター
行政機関
  • 保健センター(高齢者を対象にした健康関連のセミナーの講師など)
  • 福祉センター

最近は高齢化社会に伴い訪問リハビリの求人が増えており、企業で義肢装具や機器の開発に携わるというキャリアも目指せます。また、求人数は少ないですが、スポーツジムやスポーツチームでの専属理学療法士として働く道もあるでしょう。

理学療法士になるとどんな悩みが解決できる?

理学療法士の主業務は患者さんの運動機能の回復ですが、他にもリハビリを通じて下記のような悩みを回復できます。

理学療法士が解決できること
  • 健康管理や身体機能の保持・増進のサポートとアドバイス
  • 日常生活動作の改善によるQOL(生活の質)の向上(ひとりでトイレに行く、着替える、食事を摂るなど)
  • 家で寝たきり・閉じこもりがちな人の生活にメリハリをつけ、生き生きとした生活を見つけるための支援

理学療法士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

理学療法士の国家試験を受験するには、養成校で3年以上理学療法について学び、必要な知識と技術を身につけ、卒業することが条件です。詳しくは下記のとおりになります。

理学療法士国家試験の受験資格

  1. 学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条第1項の規定により大学に入学することができる者(法第11条第1号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が学校教育法第90条第2項の規定により当該大学に入学させた者又は法附則第6項の規定により学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することができる者とみなされる者を含む。)であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、3年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの
  2. 外国の理学療法に関する学校若しくは養成施設を卒業し、又は外国で理学療法士の免許に相当する免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの
  3. 法施行の際(昭和40年8月28日)現に文部大臣又は厚生大臣が指定した学校又は施設において、理学療法士となるのに必要な知識及び技能を修業中であって、法施行後に当該学校又は施設を卒業した者

取得にかかる費用

理学療法士家試験の受験料は、10,100円です。

理学療法士はどんな人におすすめの資格?

理学療法士は生理学や運動学など多くの知識が求められ、また患者さんのリハビリをサポートする際に体力・精神力を使うことから、下記のような人が向いていると考えられます。

  • 心身機能に関する知識をコツコツと習得できる人
  • 体力がある人
  • 思いやりや忍耐力を持って、他人に接することができる人
  • コミュニケーション能力がある人

また、下記のような職業を目指している(あるいは資格を持っている)人は、理学療法士の資格を持つことでキャリアアップ・独立企業も目指せるでしょう。

理学療法士の資格取得がおすすめな人
  • 柔道整復師
  • 看護師
  • 作業療法士
  • アスレティックトレーナー

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

理学療法士国家試験の実施・管理を行っているのは「厚生労働省(地方厚生局)」です。試験は例年2月下旬に1回だけ実施されますが、その年の試験日程、受験申請期間、必要な手続きや書類などは厚生労働省のHPからご確認ください。

▼ 厚生労働省

まとめ:医療機関や介護施設での職員、企業での機器開発など、さまざまなキャリアを描ける「理学療法士」

理学療法士の平均合格率は70%と高く、養成学校できちんと知識を習得すれば、比較的取得しやすい国家資格です。医療機関や介護施設での求人数は多く、さらに企業やスポーツチームでの就職も見込める、幅広いキャリアを描ける魅力的な仕事なので、ぜひ前向きに資格取得に向けてトライを!

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