運動は健康的な体づくりに欠かせませんが、間違った方法で取り組むとケガを招いたり、思うような結果を得られないこともあります。そのため、専門家による適切な指導やアドバイスが必要です。
今回は公認スポーツ指導者制度に基づいた資格である「スポーツプログラマー」について、資格取得に必要な講習の内容、就職先などを紹介します。
スポーツプログラマーとは、どんな資格?
スポーツプログラマーとは、公認スポーツ指導者制度に基づいて設置された資格です。フィットネスの維持や向上についての専門的な知識と技能を持ち、それぞれの人に適した身体づくりのアドバイスやトレーニングメニューの提供ができる人が取得できます。
- 公認スポーツ指導者とは
- スポーツの価値やスポーツの未来への責任を自覚し、プレーヤーズセンタードの考え方のもとに暴力やハラスメントなどあらゆる反倫理的行為を排除し、常に自らも学び続けながらプレーヤーの成長を支援することを通して、豊かなスポーツ文化の創造やスポーツの社会的価値を高めることに貢献できる者。(引用:公益財団法人 日本スポーツ施設協会)
スポーツプログラマーの主な仕事は、下記の通りです。
- 適切な運動メニュー・プログラムを作成する
- ケガのリスクが低いトレーニング方法を指導する
- トレーニングマシンや器具の安全な使い方を指導する
- トレーニングマシンや器具のメンテナンス
- 利用者データの管理や書類作成
- 施設やジムの掃除
- 健康的な体づくりのための指導
- 運動施設やジムの利用者への接客
- 健康に関する生活指導 など
- 共通科目Ⅰ(事前・事後学習及び WEB 講習会の計35時間)
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- 文化としてのスポーツ
- 指導者の役割Ⅰ
- トレーニング論Ⅰ
- スポーツ指導者に必要な医学的知識Ⅰ
- スポーツと栄養
- 指導計画と安全管理
- ジュニア期のスポーツ
- 地域におけるスポーツ振興
- 共通科目Ⅱ(講義と実技による集合講習の計35時間)
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- 社会の中のスポーツ
- スポーツと法
- スポーツの心理Ⅰ
- スポーツ組織の運営と事業
- 対象に合わせたスポーツ指導
- 専門科目(計63時間)
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- 運動と健康
- フィットネス・エクササイズの理論と実際
- フィットネス・エクササイズと健康管理
- 体力測定と評価
- フィットネスプログラムの実際
- スポーツ相談の実際
- スポーツクラブやフィットネスクラブのスポーツトレーナー
- 公共施設のスポーツ担当
- 都道府県市町村の青少年課や地域センター
- 福祉施設のトレーナー
- フリーランスのパーソナルトレーナー
- スポーツプログラマーが解決できること
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- 誤った運動方法によるケガを防ぐ
- 高齢者の健康維持を促す
- 個人に合ったトレーニングメニューで運動効果を促進する
- 受講する年の4月1日現在 満20歳以上の者
- 受講有効期間内で講習の全日程に参加が可能である者
- 本講習の受講に支障がない健康状態である者
- 指導者マイページから申込が出来る者
- 日本スポーツ協会公認教師・上級教師
- 日本スポーツ協会公認コーチ2・3・4
- 日本スポーツ協会公認フィットネストレーナー
- 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
- 日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士
- 日本レクリエーション協会公認レクリエーションコーディネーター(平成12年度以前取得者)
- 内訳
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- 共通科目:17,600円(別途リファレンスブック代3,300円が必要)
- 専門科目:42,000円
- 健康運動指導士保有者は22,000円
- スポーツプログラマーの資格取得がおすすめな人
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- スポーツの経験や知識があり、仕事に活かしたい人
- スポーツを通して人の健康づくりに貢献したい人
- 科学的根拠に基づいた論理的なトレーニングメニューを作りたい人
- 幅広い年代の人とのコミュニケーションが好きな人
学ぶ知識・技術
スポーツプログラマーの資格を取得するためには、講習会への参加と試験を受ける必要があります。講習会の科目は、共通科目と専門科目があります。
共通科目では、講習会参加までにオンラインテストを受験します。オンラインテストの他、課題レポートの提出もあります。
スポーツプログラマーで目指せる職業、就職先は?
スポーツプログラマーになると、次のような業界や職種への就職を見込めます。
上記のほか、ボランティアとして地域の子どものスポーツ指導をすることもあります。
スポーツプログラマーになるとどんな悩みが解決できる?
スポーツプログラマーになると、次のような悩みや問題の解決に貢献できます。
スポーツプログラマーの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
スポーツプログラマーの資格を取得するには、下記の要件を満たす必要があります。
共通科目免除の要件
次の資格の所有者、免除適応コース履修者、健康運動指導士有資格者は、共通科目を免除されます。
体育系大学・短期大学および社会体育系専門学校における免除適応コース履修者は、日本スポーツ協会が発行した共通科目修了証明書を提出することで、共通科目が免除されます。
健康運動指導士有資格者は共通科目が全て免除されます。専門科目についてはカリキュラムのうちI・II(1~4)・III・IV・Vは免除となり、専門科目II-5のみの履修となります。
取得にかかる費用
スポーツプログラマーの資格取得にかかる費用は62,900円で、内訳は下記の通りです。
スポーツプログラマーはどんな人におすすめの資格?
スポーツを楽しむ人や健康のために運動をする人は増えています。年代も子どもから中高年、高齢者まで幅広く、運動の重要性が社会に浸透していることが伺えます。こうしたことから、生きがいや健康のために運動を長く楽しく続けられるように、安全で適切な運動指導ができる専門家のニーズが高まっているのです。
スポーツプログラマーは、必ず運動が得意でなければいけないというわけではありません。体や健康に関する知識を有し、個々人に合ったトレーニングメニューを作成・提供するのも仕事です。また、あらゆる年代の人とコミュニケーションをし、トレーニングを楽しく続けてもらうヒューマンスキルも必要となります。
フィットネス業界などへの就職のほか、スポーツプログラマーとして独立する人もいます。
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
スポーツプログラマーの資格を管理しているのは、公益財団法人 日本スポーツ協会と公益財団法人日本スポーツ施設協会です。
▼ 公益財団法人 日本スポーツ協会
▼ 公益財団法人 日本スポーツ施設協会
まとめ:運動を通して健康を支え、スポーツの楽しさを伝えよう
スポーツプログラマーになると、スポーツを通した健康促進に貢献できます。トレーニングメニューの作成や健康指導など、仕事は多岐に渡ります。運動が好きな人や健康的な体づくりに携わりたい人におすすめの資格です。
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