イタリアは食やアート・文化、観光などで日本でも人気の高い国です。イタリア語の学習者が語学力を確認したり、能力を証明するための資格試験に「実用イタリア語検定」があります。
この記事では実用イタリア語検定とCILSとの違いを紹介しつつ、資格取得のメリット、資格取得がおすすめな人を解説します。
実用イタリア語検定とは、どんな資格?
実用イタリア語検定とは、イタリア語の「読み・書き・聴き・話す」の能力を証明する資格です。
日本国内の機関が主催しており、試験は全国的に実施されています。イタリア語の資格試験として日本国内での認知度は高く、イタリアでも広く認知されるようになっています。
実用イタリア語検定は1995年に開始され、総志願者数は11万人を越えました。大学で検定取得の奨励、専門学校の卒業単位認定など、学業面でのメリットがあります。就職活動でも、イタリア語の能力を証明する資格として活用できます。
検定試験は、イタリア語の能力に応じて等級分けされています。
- 1級
-
- 広く社会生活に必要なイタリア語を十分に理解している
- イタリア語で自分の意思を的確に表現できる
- 4年制大学のイタリア語専門課程卒業程度以上の学力を備えている
- 新聞・雑誌などを読み、ニュース放送や映画などを聴き、要約できる
- 2級
-
- 日常生活や業務上必要なイタリア語を理解している
- 一般的なイタリア語を読み・書き・聴き・話すことができる
- 4年制大学のイタリア語専門課程卒業程度の学力を備えている
- 一般的な説明・報告・通訳がある程度できる
- 準2級
-
- イタリア語の基本文法について総合的な知識を持っている
- 日常生活全般に必要なイタリア語を理解し、表現することができる
- 大学の専門課程2年修了程度の学力を備えている
- 日常的な範囲の会話やテレビ・ラジオの内容の聞き取りができる
- 一般的な文章を読み、様々な出来事・状況・自分の意見を書くことができる
- 3級
-
- 日常生活に必要な基本的なイタリア語を理解し、表現することができる
- 大学2年修了程度の学力を備えている
- 日常的な範囲の紹介・伝言・簡単な電話・手紙などの基本的な表現ができる
- 4級
-
- 平易なイタリア語を聴き・話し・読み・書くことができる
- 自己紹介・簡単な道案内・買い物・バールでの簡単な注文などの平易なコミュニケーションができる
- 5級
-
- 初歩的なイタリア語を理解することができる
- 初歩的な挨拶・紹介・質問への返答などができる
1級に合格すると、全国通訳案内士試験の筆記試験語学科目が免除されます。
実用イタリア語検定とCILSの違い
実用イタリア語検定は、日本語話者を対象とした検定試験であり、日本国内でイタリア語の能力を証明するのに適しています。
CILSはイタリア政府が認定するイタリア語の試験です。国際的にイタリア語の能力を証明することができる資格といえます。就職や留学に関しては、CILSを取得していると語学力の証明として活用しやすくなります。
CILSの受験料は実用イタリア語検定と比べて高額です。基礎レベルのA1が15,000円、最も難易度の高いC2が27,000円です。
初心者やこれから徐々にイタリア語の力を伸ばしていきたい人は、まずは実用イタリア語検定にチャレンジすると負担が少ないでしょう。
学ぶ知識・技術
検定試験では、聴き取り(リスニング)、語彙・構文・文法・読解などが出題されます。試験はマークシート形式と記述式です。問題はイタリア人によって作成されており、イタリア語の自然な流れが重視されています。
1級
- 一次試験(マークシート・記述式)
-
- 試験時間120分
- リスニング22点前後
- 筆記37点前後
- 記述式(作文)20点
- 全分野の合計点、リスニング、筆記、記述式のそれぞれに合格基準点が設定される
- 二次試験
-
- 試験時間40分(準備時間20分を含む)
- 2名の面接官による評価点(満点40点)
- 合格基準点は60%(24点)
2級
- 一次試験(マークシート・記述式)
-
- 試験時間120分
- リスニング22点前後
- 筆記37点前後 記述式(作文)20点
- 全分野の合計点、リスニング、筆記、記述式のそれぞれに合格基準点が設定される
- 二次試験
-
- 試験時間40分(準備時間20分を含む)40点
- 2名の面接官による評価点(満点40点)
- 合格基準点は60%(24点)
準2級
- 一次試験のみ(マークシート・記述式(作文))
-
- 試験時間120分
- リスニング22点前後
- 筆記57点前後(作文20点を含む)
- 全分野の合計点、リスニング、筆記のそれぞれに合格基準点が設定される
3級
- 一次試験のみ(マークシート・記述式(作文))
-
- 試験時間100分
- リスニング26点前後
- 筆記56点前後(作文20点を含む)
- 全分野の合計点、リスニング、筆記のそれぞれに合格基準点が設定される
4級
- 一次試験のみ(マークシート方式)
-
- 試験時間80分
- リスニング26点前後
- 筆記36点前後
- 全分野の合計点、リスニング、筆記のそれぞれに合格基準点が設定される
5級
- 一次試験のみ(マークシート方式)
-
- 試験時間80分
- リスニング20点前後
- 筆記36点前後
- 全分野の合計点、リスニング、筆記のそれぞれに合格基準点が設定される
実用イタリア語検定で目指せる職業、就職先は?
実用イタリア語検定を取得すると、下記の業界への就職活動で自己アピールとして活用できます。
- 観光・旅行会社
- 商社・貿易会社
- 外資系企業
実用イタリア語検定を取得するとどんな悩みが解決できる?
実用イタリア語検定を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 実用イタリア語検定が解決できること
-
- 実践的なイタリア語を習得し、生活や仕事に活かせる
- 留学や単位認定などに役立てることができる
実用イタリア語検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
実用イタリア語検定試験の受験資格に、年齢や性別、国籍などの制限はありません。ただし、問題文の日本語を理解できなければ、解答は難しくなるでしょう。
取得にかかる費用
実用イタリア語検定の受験費用は下記の通りです。
- 1級:15,000円
- 2級:12,000円
- 準2級:9,000円
- 3級:8,000円
- 4級:6,000円
- 5級:4,000円
なお、事務手数料として決済ごとに220円を支払います。併願受験は可能ですが、併願割引はありません。
実用イタリア語検定試験の日程
実用イタリア語検定熨斗健は、毎年春と秋に実施されます。
- 春季
- オンライン方式の試験で、3月中の1週間実施される。実施級は、準2級、3級、4級、5級
- 秋季
- 10月の第一日曜日に実施。1級・2級の二次試験は12月の第一日曜日に実施。実施級は、1級、2級、準2級、3級、4級、5級
実用イタリア語検定はどんな人におすすめの資格?
実用イタリア語検定は、大学などでイタリア語を学習している人の語学力アップにおすすめです。学校によっては実用イタリア語検定を単位取得の要件としていることもあります。
また、イタリア企業と取引のある企業で働く人や、イタリアの製品を取り扱いたい商社や貿易会社の人は、イタリア語を磨くことで仕事を進めやすくなるでしょう。
学業や仕事のほか、イタリアに興味があって実用イタリア語検定にチャレンジする人もいます。
- 実用イタリア語検定の資格取得がおすすめな人
-
- 学業のためにイタリア語を能力を習得したい人
- イタリア企業と取引のある仕事をしている人
- イタリア文化に興味があり、趣味としてイタリア語を学びたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
実用イタリア語検定試験は、イタリア語検定協会が実施しています。試験の詳細については下記HPから確認してください。
▼ 特定非営利活動法人 国際市民交流のためのイタリア語検定協会
まとめ:イタリア語初心者もさらなるレベルアップを目指す人にもおすすめ
実用イタリア語検定はCILSと比較すると、国内でイタリア語能力をアピールするのに向いています。検定料がCILSより安価なため、イタリア語を学び始めた人やまずは力試しをしたい人にもおすすめです。イタリア語の力に自信がある人は、上級を目指して勉強を進めてくださいね。
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