高圧ガス製造保安責任者の資格を取るとどんなメリットがある?
高い圧力で圧縮された「高圧ガス」は、家庭内のエアコン、病院や工場の機械など身近なところで多く活用されています。今回は、この高圧ガスを取り扱うのに必要な「高圧ガス製造保安責任者」という国家資格について、資格の種類や取得方法などを紹介していきます。
高圧ガス製造保安責任者とは、どんな資格?
高圧ガス製造保安責任者とは、工場や病院の機械、家庭用のエアコンなどで活用される高圧ガスを取り扱うために必要な国家資格です。この資格があると、高圧ガスを扱う事業所で保安業務を行うことができるようになります。
高圧ガスにはたくさんの種類があり、場所や目的によって使われるガスは異なります。そして取り扱うガスの種類ごとで、資格は下記の区分に細分化されています。
- 化学・機械分野
- 石油化学などのコンビナート高圧ガス製造事業所、ガススタンド、LPガスの製造事業所にて、保安業務を行えます。高圧ガスの保安技術管理者や保安主任者、保安係員として選任される「甲種化学・甲種機械責任者」、高圧ガスの処理能力が1日100万立方メートル未満の事業所での保安技術管理者、保安主任者、保安係員として従事できる「乙種化学・乙種機械責任者」、石油化学コンビナートの製造事業所、充填事業所、天然ガススタンドなどで保安係員として従事できる「丙種化学(特別試験科目)責任者」、LPガス製造事業所で保安業務に従事できる「丙種化学(液化石油ガス)責任者」の4種類が該当します。
- 冷凍機械分野
- 工場にある大型の冷蔵庫・冷凍庫、エアコンの空調設備などの稼働時に必要となる高圧ガスを取り扱えます。この分野全ての高圧ガス製造施設の保安を行える「第一種冷凍機械責任者」、1日の冷凍能力が300トン未満の高圧ガス製造施設の保安を行える「第二種冷凍機械責任者」、100トン未満の高圧ガス製造施設の保安が行える「第三種冷凍機械責任者」の3種類が該当します。
学ぶ知識・技術
高圧ガス製造保安責任者になるには、国家試験(高圧ガス製造保安責任者試験)に合格する必要があります。試験で問われる知識は、資格の種類ごとに次の通りです。
- 甲種化学責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:高圧ガスの製造(冷凍のための製造を除く)に必要な化学にする高度の保安管理の技術
- 学識:高圧ガスの製造に必要な高度の応用化学
- 甲種機械責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:高圧ガスの製造(冷凍のための製造を除く)に必要な機械にする高度の保安管理の技術
- 学識:高圧ガスの製造に必要な高度の機械工学
- 乙種化学責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:高圧ガスの製造(冷凍のための製造を除く)に必要な化学にする通常の保安管理の技術
- 学識:高圧ガスの製造に必要な通常の応用化学
- 乙種機械責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:高圧ガスの製造(冷凍のための製造を除く)に必要な機械にする通常の保安管理の技術
- 学識:高圧ガスの製造に必要な通常の機械工学
- 丙種化学(特別試験科目)責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:高圧ガスの製造に必要な基礎的な保安管理の技術
- 学識:高圧ガスの製造に必要な基礎的な応用化学および基礎的な機械工学
- 丙種化学(液化石油ガス)責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:液化石油ガスの製造に必要な通常の保安管理の技術
- 学識:液化石油ガスの製造に必要な通常の応用化学および基礎的な機械工学
- 第一種冷凍機械責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な高度の保安管理の技術
- 学識:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な通常の応用化学および通常の機械工学
- 第二種冷凍機械責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な通常の保安管理の技術
- 学識:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な基礎的な応用化学および基礎的な機械工学
- 第三種冷凍機械責任者
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩的な保安管理の技術
高圧ガス製造保安責任者で目指せる職業、就職先は?
高圧ガス製造保安責任者としての主な就職先は、下記の通りです。
- コンビナートや重工業
- 化学工場
- 高圧ガスを扱う製造業 など
高圧ガス製造保安責任者になるとどんな悩みが解決できる?
高圧ガス製造保安責任者になると、次のような悩み・問題を解決できるようになります。
- 高圧ガス製造保安責任者が解決できること
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- 高圧ガスを正しく取り扱うことによって、工場や病院、家庭内での事故を未然に防ぎ、人命を守る
高圧ガス製造保安責任者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
高圧ガス製造保安責任者の国家資格を取得するには、高圧ガス製造保安責任者試験に合格する必要がありますが、この試験は年齢や学歴を問わずどなたでも受験できます。
取得にかかる費用
高圧ガス製造保安責任者試験の受験にかかる費用は、下記の通りです。
- 甲種化学・機械責任者
- 12,700円
- 乙種化学・機械責任者
- 8,800円
- 丙種化学(特別試験科目・液化石油ガス)責任者
- 8,200円
- 第一種冷凍機械責任者
- 12,700円
- 第二種冷凍機械責任者
- 8,800円
- 第三種冷凍機械責任者
- 8,200円
高圧ガス製造保安責任者はどんな人におすすめの資格?
高圧ガス製造保安責任者は、次のような人に取得がおすすめの国家資格です。
- 高圧ガス製造保安責任者の資格取得がおすすめな人
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- 危険物を取り扱うことへの意識を持ち、慎重に業務にあたれる人
- 計器の異常数値の見落としがないよう、注意深くチェックできる人
- 化学や数学が得意な人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
高圧ガス製造保安責任者の資格を管理し、試験を実施しているのは「高圧ガス保安協会」です。その年の試験日程や会場、受験申請に必要な手続きについては、下記のHPからご確認ください。
▼ 高圧ガス保安協会
まとめ:高圧ガス製造保安責任者は、重工業などで就職・キャリアアップしたい人におすすめの資格
高圧ガス製造保安責任者の年収は平均400万円程度で、難易度の高い区分の資格を取得していたり、キャリアを重ねたりすることによって、さらに高い収入が見込めるようになります。ガス関連の専門職に興味のある人は、資格取得に向けてぜひチャレンジを。
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