手技を駆使して体の不調や痛みを改善するプロフェッショナルが、「あん摩マッサージ指圧師」です。あん摩マッサージ指圧師は、独自の判断でマッサージができる独占名称資格かつ医療系国家資格の一種でもありますが、どうすれば資格を取得できるのでしょうか。気になる就職先の情報も併せて紹介します。
あん摩マッサージ指圧師とは、どんな資格?
あん摩マッサージ指圧師とは、その名の通り「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3種類の手技を使って、患者の体の不調・痛みを緩和する専門職です。あん摩は漢字で「按摩」と書き、「按」は「押さえる」、「摩」は「撫でる」を意味します。つまり、揉む・押す・叩く・撫でる・さするといった手技を使って症状を緩和する職種になります。
あん摩マッサージ指圧師は医療系の国家資格で、有資格者は医師の指示を受けずに施術を行うことができます。器具を使わないのが大きな特徴で、手のひらなどでツボに刺激を与えて神経や筋肉にアプローチし、血行を良くする施術を行います。なお、混同されやすい職業に「整体師」や「マッサージ師」がありますが、これらはあん摩マッサージ指圧師と違い国家資格を必要としません。
学ぶ知識・技術
あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得するには、あん摩マッサージ指圧師国家試験に合格する必要があります。この試験(筆記試験)に向けて習得すべき知識は、以下の通りです。
- 医療概論(医学史を除く)
- 衛生学・公衆衛生学
- 関係法規
- 解剖学
- 生理学
- 病理学概論
- 臨床医学総論
- 臨床医学各論
- リハビリテーション医学
- 東洋医学概論
- 経絡経穴概論
- あん摩マッサージ指圧理論
- 東洋医学臨床論
あん摩マッサージ指圧師で目指せる職業、就職先は?
あん摩マッサージ指圧師の国家資格があると、次のような職場での就職が見込めるようになります。
- 治療院・マッサージ店
- あん摩マッサージ指圧師の就職先として、最も一般的なところです。来院患者のマッサージを行うだけでなく、患者の自宅や施設に訪問し、マッサージを行うケースもあります。
- 病院・介護施設
- 病院の整形外科や理学療法科、リハビリテーション科などで活躍するあん摩マッサージ指圧師も少なくありません。こういった職場では、理学療法士などと協力しながら、怪我や病気の患者のリハビリテーションをサポートするのが主な仕事です。近年は、介護福祉施設やデイサービスの「機能訓練指導員」や「ケアマネージャー」として活躍するあん摩マッサージ指圧師も増えてきています。
- スポーツジム
- スポーツトレーナーとして、アスリートがパフォーマンスを維持できるよう、怪我の予防や試合後のマッサージを行うあん摩マッサージ指圧師も少なくありません。
あん摩マッサージ指圧師になるとどんな悩みが解決できる?
あん摩マッサージ指圧師になると、次のような悩み・問題が解決できるようになります。
- あん摩マッサージ指圧師が解決できること
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- あん摩・マッサージ・指圧の3つの手技で血行を促進させ、肩こりや腰痛などを改善する
- 人に備わっている自然治癒力や免疫力を引き出す
あん摩マッサージ指圧師の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するには、あん摩マッサージ指圧師国家試験に合格する必要がありますが、この試験を受験できるのは下記の条件を満たした人です。
あん摩マッサージ指圧師国家試験の受験資格
- 高校卒業後に文部科学大臣もしくは厚生労働省大臣が認定する専門学校または短大、大学などの学校・養成施設で、3年以上あん摩マッサージ指圧師となるのに必要な知識および技能を修得した者
取得にかかる費用
あん摩マッサージ指圧師国家試験の受験にかかる費用は、14,400円です。
あん摩マッサージ指圧師はどんな人におすすめの資格?
あん摩マッサージ指圧師は、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- あん摩マッサージ指圧師の資格取得がおすすめな人
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- 東洋医学に興味がある人
- はり師やきゅう師の資格を取得している人
- スポーツ医療の知識を持っている人(あん摩マッサージ指圧師の資格取得によって、スポーツトレーナーとして活躍しやすくなる)
- 社交的で、患者と会話しながら施術するのが好きな人
- タフで体力のある人(指や腕を酷使する仕事のため)
- 治療院の独立・開業を目指している人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
あん摩マッサージ指圧師の国家資格を管理しているのは厚生労働省で、資格試験を実施しているのは指定機関の「公益財団法人 東洋療法研修試験財団」です。その年の試験日程や会場などについては、下記の公式HPからご確認ください。
まとめ:あん摩マッサージ指圧師は、独立・開業しやすい国家資格!
あん摩マッサージ指圧師は医師と同じく開業権のある国家資格で、一定のキャリアを積んだ後に独立開業をして自ら治療院を開く人も多い職業です。医師と異なり、スタッフを置かず自分一人だけで開業でき、さらに器具を使わないため開業資金も抑えられるのが強みなので、将来的に自分の治療院を持ちたい方は、はり師・きゅう師の資格と併せてぜひ取得を!
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