IT系の資格は数多くありますが、今後のキャリアアップや仕事の幅を広げたい人から注目されているのが「XMLマスター」です。大手企業の資格取得を推奨しているXMLマスターは、どんな資格なのでしょう。ベーシックとプロフェッショナルの試験項目や受験料などを解説します。
XMLマスターとは、どんな資格?
XMLマスターとは、マークアップ言語のひとつであるXMLおよびXML関連技術についての技術力を測定する検定試験です。日立や富士通、NECなどたくさんの企業がXMLマスターを取得しています。
試験は2段階のレベルで構成されており、プロフェッショナルが上級資格です。
- XMLマスター:ベーシック
- XML及びXML関連技術(XML Schema、 XSLT、 XPath、 DTD)の基礎を理解し、業務に活用できる技術力を有するレベル
- XMLマスター:プロフェッショナル
- 各職種の専門分野においての高度な技術力を有するレベル
プロフェッショナルはさらに、「アプリケーション開発」と「ベーシック」の2部門が設けられています。
- XMLマスター:プロフェッショナル(アプリケーション開発)
- XMLデータ処理を行うアプリケーションの開発、システムの構築を行なえるプロフェッショナルを認定する部門
- XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)
- XMLデータをRDB、またはXMLネイティブデータベースに格納、管理、操作が行えるプロフェッショナルを認定する部門
XMLマスターの試験は、合格以降は更新の必要なく技術力が認定されます。なお、2007年1月までに「XMLマスター:プロフェッショナル」として認定された有資格者は、「XMLマスター:プロフェッショナル(アプリケーション開発)」の保持者として認定されます。
学ぶ知識・技術
XMLマスターを取得するためには、試験に合格する必要があります。
XMLマスター:ベーシック
ベーシックの試験の出題範囲です。試験時間は60分で50問が出題されます。70%以上の正答率で合格です。
- XML概要
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- XMLの概要
- XML関連技術の概要
- XML文書の作成
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- 文法
- 要素、属性、実体
- 妥当なXML文書、整形式XML文書
- 特殊な文字/文字コード、エンコーディング/XML文書の正規化
- DTD
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- 基礎
- 内容モデル/要素型宣言/属性リスト宣言/実際の処理/エンティティ宣言
- XML Schema
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- 基礎
- データ型/記述方法/実際の処理
- XSLT、 XPath
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- 基礎
- 各要素/テンプレート/文字エンコーディング/実際の変換処理
- スタイルシート内で記述するXPath式
- 名前空間
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- XML名前空間
XMLマスター:プロフェッショナル(アプリケーション開発)
プロフェッショナル(アプリケーション開発)の試験の出題範囲です。ベーシックの試験の出題範囲です。試験時間は90分で40問が出題されます。80%以上の正答率で合格です。
- DOM/SAX
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- DOM Level2の目的と種類、特徴
- DOMの各インターフェイス
- SAXの目的と種類、特徴
- SAXのイベントとインターフェイス
- DOM/SAXプログラミング
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- DOMプログラミング
- SAXプログラミング
- XSLT
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- XSLTスタイルシートの処理
- XSLTスタイルシートの記述
- XML Schema
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- XML Schemaの設計
- XML処理システム構築技術
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- XMLデータ通信
- XMLのセキュリティ
- XMLとシステム連携
- XML要素技術の活用
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- サンプルシステムの構築
XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)
プロフェッショナル(データベース)の試験の出題範囲です。ベーシックの試験の出題範囲です。試験時間は90分で30問程度が出題されます。80%以上の正答率で合格です。
- XMLデータのDB化に関する概要
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- XMLデータをDB化する際の方式
- XMLDBの特徴/リレーショナルフォーマットとの違い/ファイルシステムにXMLデータを格納することとの違い
- XMLDBに関連するW3C仕様の概要
- XQuery、XPath式
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- XQuery1.0の基本構文
- XPath2.0の基本構文
- XMLDBの操作
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- XMLDB操作時の考慮点
- 文字エンコーディング/空白文字/混合内容/特殊文字を含むXMLデータの扱い/データの完全な再現性/デフォルト値の扱い/DTDのID型/スキーマによる妥当性チェックの際の考慮点
- XQueryインジェクション
- XMLデータ構造の設計
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- XMLDBのサイジング
- XMLデータ設計上の考慮点/パフォーマンスを考慮した設計/名前空間の設計
- スキーマ変更に関する考慮点/インデックス作成時の考慮点/制約の作成
- XMLデータをRDBにマッピングする際のテーブル設計
- RDBのリレーショナルフォーマットをXMLデータで取り出す際のXMLデータ設計
- 利用可能なセキュリティ方式ごとの特徴、使い分け
XML固有のセキュリティ/DBMS側のセキュリティ/インターネットセキュリティ
XMLマスターで目指せる職業、就職先は?
XMLマスターを取得すると、システム開発やエンジニアとしての就職・転職で知識を客観的に証明できるでしょう。
XMLマスターを取得するとどんな悩みが解決できる?
XMLマスターを取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- XMLマスターが解決できること
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- ITに関する知識・技術を強化できる
- XMLの優秀な技術者の育成を図る
XMLマスターの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
XMLマスターのプロフェッショナルの試験を受験するには、ベーシックに合格している必要があります。
取得にかかる費用
XMLマスターの各試験の受験料は、下記のように設定されています。
- XMLマスター ベーシック
- 15,000円(税抜)
- XMLマスター:プロフェッショナル(アプリケーション開発)
- 15,000円(税抜)
- XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)
- 15,000円(税抜)
XMLマスターはどんな人におすすめの資格?
XMLマスターは、これからの時代に必要とされるIT資格です。資格取得を通して得た知識やスキルは、データ交換やシステム開発、ソフトウェア開発などで活かすことができます。
変化や進歩の激しいIT業界・Web業界において、実務に役立つ知識とスキルを磨くことは長期安定的に活躍するために欠かせません。さまざまなIT企業がXMLマスター取得を推奨しており、企業によっては昇進の要件や資格手当の支給対象としているでしょう。
- XMLマスターの資格取得がおすすめな人
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- システム開発者・エンジニア
- IT・Web業界でキャリアアップを目指す人
- 収入アップを目指す人
- ニーズの高い職種で安定的に働きたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
XMLマスターを主催しているのは、XML技術者育成推進委員会です。運営しているのは、プロメトリック株式会社です。
試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:XMLマスターの資格取得でスキルアップ・キャリアアップを実現!
XMLマスターは実務に役立つ知識と技術を身に付けたい人にこそおすすめの資格。XMLはこれからの時代でニーズが高まることが予想されますので、キャリアアップを見越して受験してみてはいかがでしょう。
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