熱がありそうな時に使う体温計、物の長さを測る時に使う長さ計など、私たちの身近にはたくさんの計量機器があります。これらの計量機器の精度を管理するのが「一般計量士」です。今回はこの一般計量士とはどんな資格か、取得の方法やメリットなどを紹介していきます。
一般計量士とは、どんな資格?
一般計量士とは、「物の長さや重さなどを正確に計量」するための国家資格です。工場や百貨店、スーパーなどで使われている「長さ計」「温度計」「体積計」「質量計」といった計量器の精度管理を含む、計量管理を行う専門職になります。
学ぶ知識・技術
一般計量士の国家資格を取得するには、国家試験に合格するか、「国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量研修センター」が実施する所定の教習を修了し、実務経験を積む必要があります。
いずれも習得すべき知識・技術は下記の通りです。
- 計量に関する基礎知識
- 物理や数学の問題
- 計量器概論及び質量の計量
- 計量関係法規
- 「計量法」の体系全般にわたる知識を問う問題
- 計量管理概論
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- 計量管理及び計量器の管理に関する基礎知識
- 計量管理の計画・実施に関する知識
- 計量管理に係わる各種手法に関する知識
一般計量士で目指せる職業、就職先は?
一般計量士は、工場・百貨店・スーパーなどで使われる計量器が正しく動いているか管理する専門の国家資格なので、主に下記の現場での就職・転職に有利になるでしょう。
- 適正計量管理事業所
- 計量機器メーカー
- スーパー、百貨店といった食料品などを量り売りしている現場
一般計量士は、1つの適正計量管理事業所に1名必要な必置資格ですが、逆にいうと有資格者が1名いればそれ以上雇用する必要が基本的にないため、求人数は少ない傾向にあります。
一般計量士になるとどんな悩みが解決できる?
私たちの身の回りには、はかりやメーターがたくさんあります。ガスメーター、水道メーター、ガソリンスタンドの給油メーター、タクシーメーター、スーパーやお肉屋さんで使われるはかり、体重計や温度計、血圧計などもその一つです。
一般計量士はこれらの計量機器が正確に作動しているかを管理する仕事なので、下記のような悩み・問題を解決できます。
- 一般計量士が解決できること
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- 体重計や温度計、血圧計などの計量機器の精度を管理することで、消費者の健康を守り、またメーカーの信頼を守る
- ガスメーターや水道メーターが正確に機能するよう管理することで、過大・過少な料金請求を防ぎ、売る側と買う側の不利益を防ぐ
一般計量士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
先ほどもお伝えしたように、一般計量士の資格を取得するには、「国家資格に合格してから、一定の実務経験を積む」「計量研修センターが実施する一般計量教習を受講し、一定の実務経験を積む」の2つのルートがあります。
一般計量士の国家試験は、学歴や年齢を問わずどなたでも受験することができますが、合格率は20%程度と低く、かなりの知識が必要です。また、一般計量教習の受講には人数制限があり、入所試験に合格する必要があります。
なお、国家試験に合格または一般計量教習の受講をした後は、一般計量士として経済産業大臣に認定されるために、それぞれ下記の実務経験が必要になります。
- 国家試験に合格後
- 実務経験1年以上
- 一般計量教習の受講後
- 実務経験2年(平成29年度以前は5年)以上
取得にかかる費用
一般計量士の資格取得にかかる費用は、下記の通りです。
- 国家試験の受験料
- 145,200円(別途テキスト代、宿泊費等が必要)
- 一般計量教習の受講料
- 8,500円
一般計量士はどんな人におすすめの資格?
一般計量士は、計量器の精度管理を行う仕事のため、正確でコツコツと仕事ができる、几帳面な人に向いている仕事といえます。
また、適正計量管理事務所で働く場合には、取り扱う計量器の数も多くなるため、どの現場でもすぐに向かえるフットワークの軽さや体力も重要といえるでしょう。そして、デパートやスーパー、メーカーなどの技術者や作業員とのコミュニケーション能力も欠かせません。
なお、下記の仕事についている人は、一般計量士の資格を取得することでキャリアアップにつながりやすくなるでしょう。
- 一般計量士の資格取得がおすすめな人
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- 企業の品質管理部門に従事している人
- 企業の検査部署に従事している人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
一般計量士の国家試験を実施しているのは「経済産業省」、また資格取得のための一般計量教習を行なっているのは「国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量研修センター」です。それぞれ申請に必要な手続きや、試験・受講日程、会場については下記の公式HPからご確認ください。
まとめ:一般計量士は、人々の暮らしや健康を守る重要な専門職
一般計量士は表舞台で活躍する仕事ではないですが、私たちの生活や健康、そして経済活動を安定させるために欠かせない役割を果たしています。物理や数学が得意で、手に職を付けたいという方は、ぜひ取得に向けてチャレンジを!
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